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宗教ならば「日常生活に不要なものまで売りつけられる」のです。
本書は、キリスト教、イスラム、仏教などの伝統宗教から現代日本の新興宗教まで古今東西の宗教を徹底的に分析。教義や組織の作り方から奇跡の起こし方まで、手取り足取り教えてくれる。各章末にはチェックポイントがあるので、これをチェックしていけば、盤石な宗教団体を構築することができるだろう。
「『作る側』からの視点で宗教現象を解説した書籍はこれまであまりなかった」(227 ページ)と筆者が書いているように、これは、大真面目なマニュアル本である。だが、真面目に書けば書くほど、宗教の胡散臭さが際立ってくる(笑)。
「教祖は人をハッピーにするお仕事」(13 ページ)なので、たとえば「社会の基準で幸せになれない人を見つけ」(37 ページ)幸せにしてあげる。その結果、教団が反社会組織に陥るのはやむを得ないと考える。
また、宗教の胡散臭さを除くには「科学的な体裁を取れば良い」(121 ページ)とアドバイスする。「これはいわゆる疑似科学、エセ科学というやつですが、大丈夫、普通の人は『これは科学です』とさえ言っておけば絶対に疑いません」(121 ページ)。
「あとがき」で「本書は実用書ですから、知的好奇心のために読んだ読者など圧倒的少数だとは思いますが」(227 ページ)と締めくくるあたり、最後までウィットに富んだ読み物である。
■メーカーサイト⇒ 架神恭介/辰巳一世=著/筑摩書房/2009年11月発行 完全教祖マニュアル
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