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ウィルバートが執筆したレイルウェイ・シリーズ26作中、5人(組)のイラストレーターが挿絵を担当しているが、途中交代を繰り返したのは、彼の要求するリアリティにイラストレーターが応えられなかったことが大きな原因の1つである。
子どもが小さい頃、アニメ「きかんしゃトーマスと仲間たち」(原題:Thomas the Tank Engine and Friends)をよく見た。富士急ハイランドにあるトーマスランドにも何回か足を運んだ。 http://www.pahoo.org/athome/album/2001/album20010303-1.shtm
その「トーマス」の原作者である、イギリスの牧師ウィルバート・オードリーの足跡を追ったのが本書である。
ウィルバートは、病弱な息子クリストファーが寝るベッドの傍らで機関車の創作物語を語って聞かせた。これがトーマスの原点である。
各々の機関車や客車に顔が付いているトーマスというとファンタジーなイメージがあるが、鉄道好きのウィルバートは、リアリティにこだわったという。
トーマスの物語には、やたら脱線や衝突が起こる。これらはすべて事実に基づいているという。ウィルバートはイギリス国内だけでなく、アメリカ、インドなど外国の鉄道の事故も題材にしていたという。
さらに、ウィルバートの「要求するリアリティにイラストレーターが応えられなかった」ために、26 作中、5 人ものイラストレータが交替したという。
ウィルバートが布教活動のためにマン島の教区は「ソドー&マン」と呼ばれていた。そこで彼は、機関車たちの楽園の島「ソドー島」を創作した。「島があるからには、鉄道だけでなく、歴史があり、暮らしている人がいるはずであると考え、島の歴史や、そこに暮らす人物の来歴まで創作してしまった」(121 ページ)という。
こうしたリアルな裏付けがあるからこそ、トーマスは世界中の子どもから愛されているのだろう。
■メーカーサイト⇒ 秋山岳志=著/集英社/2010年04月発行 機関車トーマスと英国鉄道遺産
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