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2015.01.28
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カテゴリ: 書籍


タブーすぎるトンデモ本の世界


タブーすぎるトンデモ本の世界


 差別をする者はたいてい、自分の行為が間違っていると思っていない。むしろ、タブーに挑戦する自分をかっこいいと感じ、酔っているふしがある。だが、実際には無知で、頭が悪い。(287ページ)

著者・編者 と学会=著
出版情報 サイゾー
出版年月 2013年8月発行

と学会が、タブーとされてきた皇室や宗教、右翼・左翼、ヤクザ、病気と食から、政治と差別、芸能界やオカルトまで、「アブナイ」作品を厳選してツッコミを入れる。冒頭、「タブーにされてきた話題には、触れてはいけない何らかの理由があったわけで、何でもかんでも破ればいいというものじゃない」(2 ページ)と注意したうえで、トンデモ作品の紹介が始まる。

幸福の科学の霊言集は読んだことはないが、「明治です」「アマテラスです」と自己紹介するとは、いやはや。大川隆法総裁は、前妻との離婚が成立するやいなや 29 歳年下の才女と再婚し、タブーとされる皇室や宗教の霊言集を矢継ぎ早に出版している。

Twitter でウヨク/サヨクのレッテル貼りが盛んだ。
山本弘一さんは、「車の運転ができない者を『ドライバー』とは呼べないように、ネットを正しく使いこなせない者を「ネット右翼」と呼ぶべきではない」(109 ページ)と断じる。
私も「ネトウヨ」というレッテルを貼られたが、ネットを使いこなしている点は同意するとして、左翼教育全盛期に育った人間を果たして「右翼」と呼んでいいものか。本書にも引用されている一水会の鈴木邦夫さんに失礼ではないかと思う。
さらに「本当の自由はこんな平凡な人間であるはずがないと言う切実な願い、現実と理想の落差が、『何ものかが自分から幸福を奪っている』という妄想に発展するのだろうか
」(110 ページ)と分析する。これは鋭いと思った。
また、嫌韓と放射脳の共通性を指摘し、認知的不協和の心理で説明する。すなわち、放射脳は、実際のリスクは小さいのに、それを過大なものを信じようという認知的不協和を抱えている。「放射能に関する不安を煽る情報を信じ、拡散することで、不協和を解消し、安心感を得る」(147 ページ)のだという。嫌韓レイシストの心理も同じだと指摘する。

「医療と食を扱ったトンデモ」では、自称、電磁波過敏症の人がアルミ箔で電磁波を防げると主張していることから、電磁波測定器を金属網で包んで、さらにアルミホイルでくるんだ上、電子レンジとの間に鉄板を置くという実験が行われた。結果、電磁波を防ぐことができなかった。

話題は北朝鮮にも及ぶ。『銀河英雄伝説』『サイレントメビウス劇場版』などの下請けをしている北朝鮮アニメーションの技術力は非常に高いが、国内では子ども向け作品史か作れないため、人を殺すシーンがやたらにリアルだという。YouTube にある動画を見てみると、確かにヌルヌル動く。

「あとがき」で山本弘一さんは、「差別をする者はたいてい、自分の行為が間違っていると思っていない。むしろ、タブーに挑戦する自分をかっこいいと感じ、酔っているふしがある。だが、実際には無知で、頭が悪い」(287 ページ)と断じる。いま現在、フランスのシャルリー・エブド紙がムハンマドの風刺画を描いて問題になっている。彼らも、そして我々も、「無知で、頭が悪い」ままでいいわけがない。










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最終更新日  2015.01.28 19:56:30
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