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著者・編者 | アイザック・アシモフ=著 |
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出版情報 | 早川書房 |
出版年月 | 1998年12月発行 |
『夜明けのロボット』から 200 年後の世界――イライジャ・ベイリは 160 年前に死去し、ハン・ファストルフ博士も昨年亡くなり、グレディアにロボット・ダニール・オリヴォーとロボット・ジスカルド・レベントロフを遺した。地球人は再び宇宙移民を開始し、植民国家連合(セツラー・ワールド)を形成し、宇宙国家(スペーサー・ワールド)を凌ぐ勢いとなった。そんな中、宇宙国家で最も新しい惑星ソラリアからの音信が途絶えた。ソラリア出身のグレディア(『はだかの太陽』参照)は、イライジャの 7 代目の子孫を名乗る D ・ G(ダニール・ジスカルド)・ベイリとともにソラリアを訪れる。
そこで、一行は監督ロボットに襲われる。ロボット工学三原則があるのに、なぜ人間である D ・ G が襲われたのか。三原則に改変が加えられたという疑念は、ダニールとジスカルドに混乱をもたらした。一行はソラリアを脱出し、ベイリ・ワールドへ帰還した。グレディアは、大勢のセツラーを前にスピーチを行う。
ベイリ・ワールドでグレディアは、「すべての人間に敬意をはらうだけでは充分ではない、知性ある存在にはすべて敬意をはらうべきです」とスピーチしたが、これは作者であるアシモフの祈りに等しい言葉のように感じる。アシモフは、高IQ 団体「メンサ」の副議長を務め、同じ会員だった人工知能学者マービン・ミンスキーを尊敬していた。ミンスキーはプログラミング言語LOGO を開発し、ニューラルネットワークの基礎理論「パーセプトロン」を著した。これは、現在のディープラーニングの祖先とも言える情報工学理論だ。もう一人、アシモフが敬意を表していたのは、天文学者で作家のカール・セーガンだ。アシモフは飛行機嫌いで、残念ながら、生でお会いすることはかなわなかったが、ミンスキーとセーガンの講演会には足を運んだ。知性のある人のする話は楽しい。
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