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著者・編者 | 七尾与史=著 |
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出版情報 | 徳間書店 |
出版年月 | 2011年2月発行 |
国分隆史は恋人の若槻奈美とタイ・バンコクを訪れていた。雑踏の中、迷子の男の子の母親を探そうと、隆史と離れた奈美は、そのまま行方不明になってしまう。
国分は必死に奈美を探すが見つからない。大使館に相談したが、相手にしてもらえない。国分は内緒で旅行に出掛けたことを奈美の父・惣一郎に謝罪すると、奈美が会うはずだった兄・マモルを訪ねるように指示される。国分はマモルを捜し出し事情を説明していると、惣一郎に依頼されたという探偵・蓮見敬一が現れる。
蓮見は、かつて面倒をみてやり、いまは裏社会にいる二階堂きよしを訪ね、日本人女性(ヤマトナデシコ)を誘拐する闇の組織の情報を得る。二階堂の紹介で仲介人ウェイに接触した蓮見は、惨殺ショーの会場に潜入する。
国分たちも独自に奈美の行方を探していたが、偶然、惨殺ショーの会場に潜り込み、目の前でギロチンにかかった蓮見の首が飛んだ。続いて連れてこられた女性を奈美と勘違いしたマモルは、ステージに突入し、殺されてしまう。ハッピー顔さんホテルの仲間たちも、全員殺されてしまった。
辛くも危機を脱出した国分は、闇の組織のメンバーとともに車に乗り込む羽目になるが、正体が明かされそうになる直前、運転手に飛びかかった。だが、車は制御を失い大事故を起こしてしまう。
それから1年が過ぎた――セント・ジョーンズ病院の地下で、ドクター・ラウの下で働く闇の組織のサユリと広子が、1人の日本人女性を品定めしていた。701号室の患者の正体は。サユリはその患者を銃で撃ったのか。
高校を卒業したばかりの奈美の妹・由加がバンコクを訪れた。廃墟となっていたハッピーカオサンホテルの玄関に、女性がアンティークの腕時計を置いていった。由加は腕時計を握りしめると女の消えていった方へかけていった。
『死亡フラグが立ちました!』でデビューした七尾与史さんの第2作。前作と打って変わって、登場人物が次々に死んでゆく――しかも惨殺。
七尾さんと奥さんはタイが大好きだが、一見陽気なこの街の裏に「闇」や「魔」といった邪悪な何かが潜んでいるような怖さがあるとして、この小説を着想したという。
物語の最後はバッドエンドともハッピーエンドとも分からないのだが、それは裏から曼荼羅を見ているように、部分から決して全体を知ることができないアジア的な無間地獄を見ているような感覚に陥った――。
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