特許の思想体系

特許の思想体系

2005.04.10
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カテゴリ: 01 特許ゲーム
こんちくは。


独禁法の正式名称を知っていますか?

「独占禁止法?」 ブー違います。

正式には「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」←長い


では、特許法の正式名称は?

「新規なる技術的思想の独占実施によって産業発達の寄与に関する法律?」 ブー違います。

「特許法」です。←そのままじゃん。




独禁法と特許法、矛盾する法律のように思いませんか?

独禁法は市場独占を禁止する、特許法は市場独占を許している。



独禁法の目的は「経済の発達」 *1 、特許法の目的は「産業の発達」。

つまり、2つの法律の目的は、何ら相反するものではありません。

そして、その目的のために、
独禁法は、「競争減殺行為を起こしたり不正手段を用いたりする行為」を禁止しますが、
特許法は、「独占排他権により市場独占というインセンティブ」を与えています。

では、この2つの法律をどのように調整しているかというと、
独禁法21条 *2 に「特許法による権利の行使と認められる行為には独禁法は適用しない」と定めています。

だから、特許権を有していれば、独占的なことを、し放題かというと「ちょっと待った」です。

例えば、
*3 に対して、特許製品の国内における 販売価格を制限する ことは、原則として不公正な取引方法に該当し、違法です。

なぜならば、
ライセンシーの価格決定の自由を制限し、特許製品に係る価格競争を減少・消滅させ、市場における競争秩序に悪影響を及ぼすおそれがあることからです。

また、 代替技術のない特許権のランセンスを正当化理由なく拒絶する

特許権のライセンスも、お金で売買されるので、ケーキや宅配などとと同じで、商品役務の一種にすぎないからです。

ただし、特許権を使った競争減殺行為のほうは、他の一般的な商品役務と比べて、正当化理由の認められる範囲が少しだけ広いと考えるべきです。

ですので、特許権を有しているから、独禁法はまったく関係ないというわけにはいきません。ただし、「知的創作や投資をするインセンティブの確保」の観点から、その発明に報いるものであれば独占が許されます。

ライセンス契約の際には留意が必要です。


*1
独禁法 第一条 この法律は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。

*2
独禁法 第二十一条 この法律の規定は、著作権法、特許法、実用新案法、意匠法又は商標法による権利の行使と認められる行為にはこれを適用しない。

*3
ラインセンサー:実施の許諾をする者、一般には特許権者
ライセンシー:ライセンスを受ける者

<参考文献>
「独禁法講義 第二版」白石 忠志著 有斐閣
「特許・ノウハウライセンス契約に関する独占禁止法上の指針」平成十一年七月三十日 公正取引委員会


キーワード 特許、知的財産権、特許法、独占禁止法、独禁法

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最終更新日  2005.04.10 10:20:37
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