ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Mar 23, 2008
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「メタボ系。」

 長年の夢がついに実現。ベートーベンの七重奏曲を弾くことができた。
 このプチ交響曲を弾く機会なんて一生に一度あるかないか。同意者を集うのにも苦労したし、さらう期間も短かったけど、メンツにも恵まれ至福。

 バイオリン: (自分)
 ビオラ: ローラ
 チェロ: ボブ
 コントラバス: ジェフ
 クラリネット: モーシェ
 ホルン: リチャード


 以上七人の侍のなかで、唯一、実音でト音記号を弾いてるのが僕。ほかのみんなは中低音。ちょっと気を緩めると重たい音楽になってしまう。お腹まわりが充実しているメタボリック系の編成。

 指揮者なしのオーケストラでコンマスを弾いてるような責任感/恐怖感につぶれそうになるけど、みんなに励まされながらなんとか楽しく合わせることができた。

 全部で六つも楽章がある。メヌエットありスケルツォあり、お約束の変奏ものもあって盛りだくさん。で、僕が特に気に入ったのは以下の三つの楽章。

1楽章
 正統派変ホ長調音楽。重厚で神秘的な序奏つき。後半に行くにつれてますます楽しくなる。

2楽章
 彼自身の弦楽三重奏9-1っぽくもあり、どこか懐かしい感じのアダージョ・カンタービレ。

6楽章
 なにやら怪しげなアンダンテのあと、いよいよプレスト。どうにも止まらない感じで突進しつづけて、いきなりバイオリンのカデンツァが出てくる。この楽章を弾かずして七重奏曲は語れない。難曲ではあるものの。

 それにしても、全六楽章というのは重い。

 さすがベト氏だなと思うのは、メタボな編成なのに全体的な味付けは軽やかに若々しく仕上げているとこ。モーツァルト的というか。
 実際、2楽章はモーツァルトのクラ五重奏にも似てるし、4楽章の変奏曲は弦楽三重奏ディベルティメントK563のパクりにも聞こえる。調まで同一!

*****

 なお、この曲で一番おいしいパートはずばりクラリネット。フルートやオーボエなどの高音楽器がないぶん、目立ちまくり。





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最終更新日  Mar 28, 2008 07:22:56 AM
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