ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Feb 4, 2010
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「6番目の憂鬱」

 今日はカルテットごっこで遊んだ。楽しく遊ぶはずが、ベートーベンの6番などという難曲を選んぢゃったもんだから大騒ぎ。怖いものしらずというか世間しらずというか。Vn1(僕)、Vn2(ジョアナ)、Va(エレン)、Vc(マーディ)。

 結果的にすごく疲れた。難しすぎ。特にファーストはたぶんラズモフスキーたちよりタイヘン。「ノリ」でごまかせないし、フォルテで朗々とガン弾きすらさせてもらえない。せっせとピアニッシモとかピアノでちまちまと。

 意外に気に入ったのは2楽章アダージョと3楽章スケルツォ。
 2楽章は苦しいほどに遅い曲。が、ドイツやオーストリア高地の澄み切った自然みたいな厳かさ、爽やかさ、そして尊さに浸れる。
 3楽章は、今までに弾いたベートーベンのスケルツォのなかで最もアンサンブルが難しい(断言)。シンコペやへミオラ、裏拍の「びっくりフォルテ」とかをどこまで律儀にやるか己との闘い。ずるずると遅くなってくのは絶対にマズいし。

 そして終楽章、譜面には何やらイタリア語でこちゃこちゃ書かれてる。どーやら英語で言うところの「メランコリック」だの「デリカシー」だのっぽい単語。で、実際に四人で弾いてみて、これらの言葉の持つ意味に翻弄されつつも畏れ入ってしまったわけで。

 ってゆーか、メランコリーってどーゆう意味だっけ? 遊園地とかにあるやつ? ←なんか違う

 メランコリーとは、ほんとは、もっと暗くて陰鬱でやるせない感じを意味するらしい。悲しみのどん底ずん底に沈んでるさま、憂鬱で精神的に参ってる状態。ノスタルジーがセピア色なら、メランコリーはずばり灰色。

 なるほど、この楽章は憂いを帯びた感じで弾くと味わいが出る。
 ベートーベン初期の作品ということになってるものの、後期の作風に思いっきり通じてる。難易度もハンパぢゃないし。







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最終更新日  Feb 6, 2010 09:33:34 AM
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