I love Salzburg

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2010.04.27
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カテゴリ: 展覧会


待ちに待っていた展覧会が岡山までやって来ました。


私が本気で外国に興味を持ったのは、私にとって三度目の渡航先、カンボジアでした。

アンコール・トム南大門の通路両側にずら~っと並ぶ神々と蛇神・ナーガ。
出発直前まで眺めていたその写真は、アンコールワット以上に私の想像を掻き立て、
今でも 当時の興奮を 鮮明に覚えています。
まるで太平洋に沈む伝説の大陸「ムー」を探しに、picchuko率いる探検隊が はるばる南の国まで赴くような、そんな錯覚すら感じていたのでした。(笑)

そして、密林から一気に姿を現したアンコールワットを見上げた時、一瞬 身体中に電流が走り、言葉を失い、自分とアンコールワットとの奇跡の出会いに涙を呑み込んだほどでした。


もう一つ、私にとってカンボジアを特別にしてくれた存在が、一対一でガイドをしてくれた見習い青年「サムナンくん」。
('07.12.14日記) ('08.04.28日記)



*

そのカンボジアの神々が日本へやって来る。
しかも、上智大学創立100周年記念事業として、約1年半もの永きに亘り、日本各地を巡回する。

2001年、それは私がカンボジアを訪ねた次の年のこと。
「上智大学アンコール遺跡国際調査団」が、バンテアイ・クデイ遺跡において、千体仏石柱と274体の廃仏を発掘しました。

また2007年には、アンコール遺跡群の拠点であるシェムリアップに「シハヌーク・イオン博物館」が開館しました。

私は当時の感動を思い出し、次回のカンボジア訪問を期待しながら、
「早く来い! 岡山へ来い!」と今か今かと楽しみにしていたというわけです。^^

*

上智大学の石澤良昭学長は、アンコールワット見たさに20歳そこそこでカンボジアを訪れ、
そこでアンコール遺跡群に魅了され、現地の遺跡調査団と共に活動を始めました。

(今もその傷跡は、遺跡の至る所に痛々しく残っています。)

1980年、まだ内戦中であったカンボジアを12年ぶりに彼は訪ねます。
ポル・ポト時代の知識人抹殺政策によって、かつて一緒に働いた同僚だった遺跡保存官36人のうち、3人以外は全て殺害されたことを知り、
仲間の無念さに報いる為にも、カンボジア人の手による遺跡の発掘、修復を目指し、人材育成に力を注ごう、と決意されたそうです。

石澤学長は次のように仰っていました。(DVD 映像ですが、、、。^^;)


カンボジアの風土に生まれ、カンボジアの水に触れ、風に触れ、雨に触れた我々カンボジア人の感性の結集がアンコールワットを生み出したと、、、。」

きっと、昔 夢を語り合った友人のこの一言が、石澤学長の中に深く刻まれていたのではないかな。
多くを語ってくれた石澤学長の言葉の中で、最も私の心に響いてきた台詞でした。

それを肌で感じるには、当然のことカンボジアの地を踏み、遺跡そのものに触れる以上にないけれど、
海を越えて運ばれてきた アンコール王朝最盛期の彫像作品は、それでも何かを語りかけてくれるはずです。

*

私は、仏教もヒンズー教も、それらの仏像についても全く無知ですし、
まして インドや中国の仏像、その他 ギリシャなどの彫刻との比較なんて、そういった細かい部分までは全く分かりませんけれど、

どの彫像も、一度 どこかでお会いしたような、そんな親しみのあるお顔をされていて、前に立つだけでもの凄く癒されました。

ヒョウキンなお顔のガネーシャも忘れてはいけませんね。
思わず笑みがこぼれます。^^


個人的には、リーフレットの表紙を飾っている菩薩様のご尊顔が、
正面から拝すると、以前 私が老人デイサービスセンターで勤務していた頃に仲良しだった ハルコさんというお婆さんにそっくりで、思わず声を掛けそうになりました。(笑)


そして、「鎮座する閻魔大王ヤマ天」。
鎮座する閻魔大王ヤマ天.jpg

こちらは、"三島由紀夫が戯曲の題材にしたという砂岩の丸彫による大彫像" と説明にあるほどの閻魔様ですが、とても穏やかで素朴さすらも感じられるそのお姿。
今回の展示場の中心に置かれておりました。

前からのお姿の写真しかなくて非常に残念ですが、後ろ姿こそバランスの取れた いいスタイル!
とりわけ お尻のふっくら感に、「触ってもいい~?!」と(ご本人に)尋ねてみたくなったほどです。(爆)

他のアンコール朝の仏像のお尻が貧相なだけに、余計にそう思えてしまいました。^^;



すでに5会場で開催済みの この展覧会、まだまだ全国を巡回します。

岡山県立美術館では来月の5/30(日)まで。

群馬県立近代美術館   6/5(土)~7/7(水)
福岡市博物館       7/10(土)~8/29(日)
熊本県立美術館      10/19(火)~12/5(水)
大分県立芸術会館     12/11(土)~2011年1/23(日)





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Last updated  2010.04.29 18:38:48
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