足下不確かな手帳

足下不確かな手帳

2006/09/02
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カテゴリ: 短い創作
 起床して着替えてご飯を食べて、パソコンの電源を入れてブログ管理ページを覗いてみたらば、何だか昨日だけでアクセスカウンタが500回くらいくるくる回っていて「えーと、僕は何処でボロクソ叩かれているんでしょうか」とか何とか思ってしまったわけですが、どうなんでしょう。まあ、カウンタの故障とか、自動巡回BOT野郎様がバカみたいに回しまくってくださったとか、可能性としては色々と考えられるわけですが。

 僕の知らないところで何かが起きているのかもしれませんが、そんなことは横においといて、いつも通りな内容の更新をしましょう。ブログをネタ帖として取り扱うのです。長々とした文章を作り出すためのネタ。このまま埋もれてしまうのか、それとも尾ひれ背びれがついて立派に芽吹くのかは、それはまったく運次第、そんなネタです。埋もれてしまう率のほうが圧倒的に高いんですけどね。




崩落

日本の高校における話。

他者の考えに毒されていない若々しい人間。
A。
毒された、そしてその身の内に毒めいた魅力をたくわえた人間。
B。



Bの毒をその身に浴びて、Aは変容を遂げる。
精神的な意味での飛躍。
切羽詰ったような(馬鹿らしい?)思考をするようになる。

やがてAは、険しくて知的な道と、平易で平凡な道との岐路に立たされ、迷い無く前者を選び取ろうとするが、Bの明かした事実に衝撃を受け、迷う。
事実とは、BがAを選んだ理由が、単なる偶然、単なる気まぐれに過ぎなかった、ということ。

Aは迷う(根底には、そう、選民意識めいたものがある)。
何もかも投げだそうともする。
だが、Bは後者の道をAにそっと強制して、Aはその通りにするしかなくなる。

そしてBは姿を消す。
少なくとも、Aの前からは。






 しかしAは、紙をそっと摘まみながら、ぼんやりと教室の黒板を眺め出した。”今の”彼の取るべき最善の道は、滑らかにゆれる教室の扉を開けて、階段を下って、職員室にいるだろう担任にお詫びの言葉を捧げることだった。こう言うのだ。

「……すみません、昨日のホームルームで貰ったプリントなのですが、過って破いてしまいました。もう一枚、頂けないでしょうか?」

 そうすればきっと、ほんの僅かなそれほど堪え難くもない叱責と共に、彼の指先の合間に挟まった忌まわしいこのプリント、B……AはBに対して、今になっても悪感情を持ち合せていたわけではないが、少々厭わしいぐらいには思っていた……という人間の半年前の悪戯が生み出した鬼子の命を絶って、”今のAにだけ許される相応しい生”の、その端書きの部分を掴むことが出来る。そのはずだった。

(だけれど……)

 だけれど。Aは動かない、いや、むしろ、動けないと言うべきかもしれない。人間機械論に準じて言えば、彼はフリーズした状況にある。プログラムに生じたエラーが今の彼を形作っているのだ。





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Last updated  2006/09/02 06:58:22 AM
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0のま0 @ おや? お久しぶりです。 まずは大学合格おめ…
0のま0 @ 待ってますね。 そういう時期ってありますね。 なんと…
新石司 @ Re:いや、僕もそうでしたw(09/05)  コメントありがとうございます。  …
0のま0 @ いや、僕もそうでしたw 柄にもなくそれなりに勉強していたんです…
新石司 @ Re:なるほど。(08/30)  あ、いえ、正直なところ、僕としても何…

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