51ダイエット

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おすすめ小説ベスト10



1 第三の時効   横山 秀夫
 三人の超強烈な個性を持つ係長により構成されたF県警捜査1課強行犯係の活躍を描いた連作小説である。全く異なる感覚,視点から驚くべき高検挙率をあげる1~3係長。係間のライバル意識や,「特異」と言ってもよいほどの係長の個性,能力に翻弄される部下や上司の描き方が,巧みである。まだまだ読み続けたいと渇望する読後感は,私だけではないだろう。

2 隠蔽捜査   今野 敏
 今野敏にはまることになった作品。東大法学部卒の警察官僚が主人公。物事を原理・原則でとらまえ,それがぶれることはない。逆に原理・原則からはずれ,世情や対人関係から右往左往することが理解できない偏屈な人物である。その偏屈さがたまらない魅力である。身内に対してさえぶれない主人公の生き様は,しがらみ一杯の読者に痛快感とある種の活力を与えてくれる。

3 虹彩(にじ)   山本 周五郎
 20代で初めて読み,心震わされ,最近読んでもやはり秀逸と感じた短編。職務,友情,恋愛を江戸時代という特殊な身分制度の中で,現在でも十分通用できる形で描ききっている。タイトルの意味は最後の最後までわからないが,その意味に気づいたとき,愕然とした感動を覚えるのは間違いない。

4 青い鳥    重松 清
 吃音のある教師と生徒とのかかわりを描いた連作小説。小説を読む前に,阿部寛主演の同名の映画をDVDで見た。感想は「設定や題材はいいのに,全体としてまとまりがないな。」というものであった。小説も主人公である教師と生徒の関係をまとめようとはしていない。また生徒からの視点であるので,教師の考えが少しわかりずらいところもある。
が,最後まで「ばっ」と読ませる。電車などでは絶対読めないほどウルウルくる。必読である。

5 盤上のアルファ    塩田 武士
 「真田信繁,三十三歳。家なし,職なし,目標・プロ棋士。とてつもなく迷惑な男が巻き起こすかつてなく熱い感動の物語」と帯にきされている。登場人物にいわゆる「人格者」はひとりもいない。利己主義で,性格の悪いやつらばかりである。それゆえに入り込めるのである。きれいごとでないリアリテイがあり,気がつけば「身長160cmそこそこ,丸坊主に無精ひげ,色あせた黒のタンクトップ姿の笑顔がきたない男」を心から応援している。
~間違いなく面白いが,最低将棋の駒の動かし方ぐらいの知識は必要

6 BT63         池井戸 潤
 本書は作者が,2000年に連載を開始したのが初出である。昭和38年代との間の時空を超えたシチュエーションをみごとに描ききっている。「昭和」という時代の闇の部分をリアルに表現し,昭和生まれの私は,一コマ一コマがビジュアルに頭に浮かび,ストーリーに入り込めた。あらすじはあえて書かないが,「必読」であることに間違いない。随所に心ふるわせるシチュエーションがあるが,私は主人公の母の「強さ,ふところの深さ」に強く感動したことを表明しておく。

7 阪急電車        有川 浩
 阪急今津線を舞台とした連作の小説。連作と言っても一話完結するわけでなく,それぞれの登場人物が微妙に絡み合い,ストーリーをおりなしていく。読み始めたら,まるで自分も列車に乗っているかのように一気に最後まで読み切ってしまう。「何かおもしろい本」をお探しなら,ぜひ一読してほしい。
~映画も見た。原作を大切にしてみごとに映像化されていた。芦田愛菜がおそろしいほど原作の人物像に合致している。やはり天才なのか。

8 峠うどん        重松清
 市営斎場前に建つ「峠うどん」といううどん屋を舞台とした連作小説。うどん屋でどんだけ話がひろがるのか,と読み始めたがすばらしいできだった。店の前が市営斎場であること,視点となっているよっちゃんが中学校2年生であること,よっちゃんの両親が教師であること等がすべて活かされ,いつまでもその舞台をみていたい気分になる。
 作者は「続編」を書かないが,「青い鳥」も含め,ぜひ続編が読みたい。

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