日本語版『The Tao of Gung Fu』は「李小龍大全―ブルース・リー・ライブラリー 」の分冊のうちの一冊『グンフーへの道(中国武道の研究)』というタイトルで1998年に出版されております。今回は、これを引用いたします。 ≪人は宇宙の根本的な原則に、反逆するのではなく、調和しなければならない。これは、不自然で自発的でないことをいっさいするなということだ。重要なのはどのようなかたちでも力まないことである。この最良の例が、一本の包丁を20年にわたって使い、一度も取り替える必要がなかったコックだろう。長年の習慣で、自分が切ろうとしている屠体の骨と筋に通じているコックは、視覚その他の感覚を閉じ、使い込まれた包丁を心でふるうことができる。彼の方法はさまざまな部位に逆らうのではなく、それらに沿って事を進め、そうして自然にしたがうというものだ。 心と身体の統一によって、報酬にまつわるすべての考え、賞賛への期待と非難に対する恐怖、自己の肉体に関する全ての意識が捨て去られ、最終的には感覚による認識の道が閉じられ、スピリットの欲するがままに行動できるようになる。(ブルース・リー著・奥田祐二訳『グンフーへの道(中国武道の研究)』「中心の思考-グンフーの指針」より)≫
「技を進めた道」は、『燃えよドラゴン』のセリフにもあります。 Lee: Teacher?(先生。) Shaolin Abbott: I see your talents have gone beyond the mere physical level. Your skills are now at the point of spiritual insight. I have several questions. What is the highest technique you hope to achieve ?(私が見る限り、お前の技量はすでに身体的な域を超えて、精神における修養を要する域にさしかかっておる。そこでお前に問う。お前が望む最上の技量とは何だ?) Lee: To have no technique.(何の技も持たぬ事です。) (中略) Lee: A good fight should be like a small play, but played seriously. A good martial artist does not become tense, but ready. Not thinking, yet not dreaming. Ready for whatever may come. When the opponent expands, I contract. When he contracts, I expand. And when there is an opportunity, I do not hit. It hits all by itself.(優れた戦いはちっぽけな遊戯のようでありながら、真剣になされます。優れた武道家は、決して緊張することないものの全ての事象に備えています。思考することはなく、それでいて夢みることもない。敵が押してくるならば、私は引き、敵が引くのであれば、私は押します。そして機が熟したとき、私は打ち込むことをしません。“それ”が自ずと打ち込まれるのです。)