ストーリーは、歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」。
私は時代劇を全く観ない家庭で育ったためか、時代劇に全然興味が無くて、忠臣蔵など
「毎年12月になるとアホみたいに放送される 集団自殺もの
」という認識しかありません
でした。
しかしまあ、バレエになったらどんな物語に変わるのかしら…と期待して観に行ったのです。
本当に漠然とした粗筋しか知らずに見たので、最初は「すげー白塗り(=顔世)だなぁ」
とか「あのちっこくてキモい人(=判内)はナニ??」とか、バカみたいな感想しか
無かったのですが。
由良之助が判官の切腹に際し、遺言を受けた辺りからどんどん引き込まれて行きました。
仇討ちを誓い合い、血判を捺す場面では固唾を飲んで見守りました。
ああもう、仮名手本忠臣蔵くらい知っておけばよかった!!と後悔しながら休憩時間に
パンフレットを読みまくり、予習と復習。
仇討ちして自刃なんて、いかにも日本人的で好きではなかったのですが、この作品を
鑑賞して、こういう美学もあるのだなと改めて認識した感じです。
暁の下での自刃シーンでは、不覚にも涙がΣ(゜д゜)
三島由紀夫著『奔馬(豊饒の海 第二巻)』の同様シーンでは「 馬鹿じゃねえか
」とまで
思った私なのに。
日本人の精神を壊すことなく飽くまで忠実に描きつつも、自身の色を加えて見事にバレエと
融合させたベジャールは本当に素晴らしいです。
軸足プリエでアチチュードし、その爪先をフレックスにすると途端に歌舞伎っぽくなる
のも驚きでした(手もフレックスで付けると尚)。
由良之助役の高岸さん、40代とは思えない若々しさと強さ、しなやかさでとても素敵でした。
勘平役の長瀬直義くんは色々な意味でとても格好良かったし、急遽おかる役になった
佐伯知香さんも、瑞々しく軽やかでした。
障子破りのシーンでは、破れた障子紙の一部が回収しきれず、いつまでも舞台上に残って
しまうというハプニングもありましたが、途中で四十七士の一人がさりげなく回収して
事なきを得ました。
そうそう、日本の古典芸能に欠かせない「黒子」がバレエにおいても大活躍していたのには
目を見張りました。
ササッと登場しては、演者の手や舞台上から小物を回収したりする黒子。
「いないもの・見えない人」という存在は面白いですね。
黒子無くしては、舞台が成り立たないのだと知りました。
何だか取り留めの無いことを書き散らしてしまいましたが、日本文化に改めて触れる
ことも大切だなと感じた冬の週末なのでした。
ついでに、会場にいらした上野水香ちゃんをじっくり眺められる席で楽しかったです。
水香ちゃん、じろじろ見てごめんなさい。
でも相変わらずのスーパーつやつやヘアで美しかったです
東京ばなな「見ぃつけたっ」8個入り
開演前にプラプラしている際、衝動的にagnis-bの財布を買ってしまいました。
今使っているのに引き続いてANNASUIにしようと思っていたのに、つい。
でも気に入ったからいいのサ。