ヨカッタ探し

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November 21, 2006
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カテゴリ: 読書ろぐ(mystery)
いろんな意味で、「やっと読んだ~っ!」って作品です。

『半落ち』 (講談社文庫、2005)


久しぶりに読んだ横山さんの作品です。
一時期、はまっていました。真保さん→横山さん。やたら読んだ。
なんとなく今は優先順位が下がっている…かなぁ~。
仕事をしていた時の方が、作風にしっくりいっていたかも。
横山作品、特に県警ものは、仕事と家庭で板挟み、というのが結構描かれているので。

『半落ち』は映画のイメージがすっごく強くて(といって観たわけではないけれど)、

またそれがなんか合う感じがするわけですよ。梶さん…。

主人公とはいえ、彼自身の言葉で語られることはないので、
いろんな形で彼に関わる人それぞれの姿が描かれていくわけですが…。
わたしが個人的にグッときたのは、梶さんを裁く判事・藤林圭吾の章。
判事さんのお父さんも、アルツハイマーに苦しみ、その介護にあたる妻は疲弊している。
お父さんが抱えていた秘密は、ホロリとさせられるもので、
判事さんが奥さんに、梶さんの事件を語り、意見を求めるきっかけとなった。
「お父さんに『死なせて欲しい』と頼まれた」という奥さんの言葉は、
判事さんには衝撃だったけれど、それでも
殺さなかった奥さんの優しさを自分は選ぶ、と思い極める。

梶さんのとった謎の2日間。

それがこの作品の肝でもあるわけですが。
『半落ち』がノミネートされた第128回直木賞では、ここに絡む部分で
問題点が指摘され、それが結局のところ、 直木賞決別宣言 となってしまう。
この辺の経緯は知らなくて、ごく最近、知りました。

新人賞ならいざしらず、直木賞なんて売れてるかどうかってのも、
重要なポイントだと思うんですけれどね。
時代にあったエンターティメント性を備えているかどーか。

わたしがこの作品にケチをつけるとするならば。
息子さんを病気で亡くして、人の命の重さを十分に感じている人だから、
殺す優しさを選んで欲しくなかった…と。
毎日のように報道される無理心中事件。
ギリギリのところで踏み止まっている人もいる。どちらを是とするのか。
裁判員制度が始まったら、わたし自身、決断を迫られるかもしれませんね。
誰かの人生を背負うって、並大抵のことじゃないよなぁ…。





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最終更新日  December 6, 2006 02:19:48 AM
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