| ★ 「恋するからだ」小手鞠るい(徳間書店)(2007.11.1読了) |
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| ハワイ生まれの女の子アユの愛の物語。アユ、小波、シャークにギャレットに翔平。登場人物が若すぎるのか、イマドキの恋愛なのかはわからないが、はじめは理解不能だった。フリーランスの恋人って結局、都合がよいだけなんじゃないかと。アユは誰に対しても本気で恋愛していないんじゃないかと。 それはアユの家族に問題があるとアユ自身、思い込んでいるのではないかと。 回り道をしちゃってるけど、アユはこの物語で本物の愛について少しだけわかったんじゃないかな。 |
| ★ 「神田川デイズ」豊島ミホ(角川書店)(2007.11.2読了) |
| 夢と希望を胸に迎えた大学生活。そんな彼らの苦悩と不安と孤独といろんなものが織り交ざったお話。連作短編集ならではの人物の背景やまぶしく思えた青春の理想と現実のギャップが面白く描かれたいた。若い頃ってそんな感じだよな~って。老いつつある私には・・・ |
| ★ 「文房具さんぽ」木下綾乃(世界文化社)(2007.11.5読了) |
| イラストレーターの木下綾乃さんが、お気に入りの文房具の紹介から、手作りの楽しみ方、東京と京都の文房具店めぐりやえんぴつ工場見学記、おまけ絵本「文房具屋さんの夢」なども収録。文房具、好きですわ。今だにエンピツやメモ帳なんてダンボールに入ってるくらいたくさんあるし。可愛いものを見つけると買いたくなるけど、これ以上ふやしてはいけないとぐっと我慢の日々です。時々日記はいいな~私もまねしよう~ |
| ★ 「ちいさなおはなし」新井素子(集英社)(2007.11.6読了) |
| 「小説すばる」に連載されたものと書き下ろしの掌編集。久しぶりの新刊ですね。しかも星新一先生へのオマージュといってもいいほどの作品もあったりして。これはじっくりと味わうしかないです。いろんな意味で。 |
| ★ 「日曜農園」松井雪子(講談社)(2007.11.7読了) |
| 失踪した父・隆が残した畑とHP。萌は父をさがしてレンタル農園に立つ。 女子高生が土いじりなんてとっても暗そうな題材だけど。これは芥川賞候補になった作品なんだよね。でも豊崎さんはめちゃくちゃ言ってたけど。萌もけなげだったが、この母親がすごいね。いい味出してる。夫が出て行ってしまってから体を鍛えだして、筋肉つけてマラソンにも出ようっていうのだから。 何だか何かに責任転嫁しているような何か捨てきれないようなそんな感じがよかったな。 |
| ★ 「ドロップス」永井するみ(講談社)(2007.11.11読了) |
| 30代の愛したい、愛されたい女性たちを描く連作小説集。38歳のフリー編集者夏香は娘と夫とともに幸せな結婚生活を送っている。そしてその同級生でバツイチの遼子。夏香が仕事で行くコンサートホールの経営をする科子。そしてソプラノ歌手のリリア。4人の彼女たちの話がそれぞれにコンサートホールでリリアのコンサートが開かれたところまで描かれています。はたから見ると幸せそうな夏香ですが、実は夫から「ママ」と呼ばれることに違和感を覚えながらも許してしまう。そして夫婦仲は良いのにセックスレス。多分、多くの子を持つ女性が目の前にしている課題なんでしょうかね。子どもが生まれるといつからか、男女の関係ではなく、家族、それも母と父という関係になってしまう。 不満はそれぞれあるけど、口には出せない。今更、せまってみたところで・・・満たされる解決策ってないんでしょうかね。バツイチの遼子は同窓会で出会った同級生に誘われるんだけど、自分の息子のこと、元の夫のこと、義母のことなどいろんな思いを隠しながら日常を送っている。そしてすごいな~と思うのがコンサートホールの科子さん。60代ということだけど、今の夫とは略奪愛だったということ。そしてそれに関係して右耳が聞こえなくなったということ。リリアさんはシングルマザーなんだけど、これまたいろいろ秘密が・・・自分の日常には多分ないかもしれないけど、もしかしたらわからないだけでみんないろんな過去や秘密を持って生きているのかもしれない。 はたからは幸せそうな誰々のママさんとか言われてても・・・何だかいろんな意味で深いな~って思った一冊でした。 |
| ★ 「となりの姉妹」長野まゆみ(講談社)(2007.11.13読了) |
| 姉妹の隣に住む佐保を通しての不思議な縁の物語。今までの長野さんの作品からみるとさほど変わったところも不思議にぶっ飛んだところもない普通の作品といってよい感じ。姉妹のことよりも佐保の兄が風来坊なところの方がよっぽど変わっているし、面白い。こんな兄・・・いたらイヤだけど・・・ |
| ★ 「Presents」角田光代(小説)松尾たいこ(絵)(双葉社)(2007.11.14読了) |
| プレゼントにまつわる12のお話。松尾たいこさんの素敵な絵と角田光代さんの素敵な小説のコラボ。やっぱりすごいね。何が?って・・・角田さんの書くお話って愛があるもん。一番最初の「名前」から最後の「涙」まで、人生にはたくさんのプレゼントがあるんだな~って思い知らされる。プレゼントって品物をもらったりあげたりするだけでなく、それ以外にももっと大切なプレゼントがたくさんあるんだな。「ランドセル」は自分がわくわくした記憶はないんだけど、子どもがうれしそうに何度もあけたりしめたり、小説と同じでぬいぐるみを入れたりなんていうしぐさが文字と重なり合ってじ~んとしちゃった。 「名前」だって、自分の子に考えて考えてつけた名前のこととか、読んでいるといつの間にか、自分の子はこうだった、自分はこうだったって思い出してにんまりしているんだよね。私にとってはこの本が今の最高のプレゼントかな。 読後、あったかい気持ちになったもん。 |
| ★ 「さやかの季節」藤野千夜(光文社)(2007.11.15読了) |
| 実家を離れ、ひとり暮らしを始めた山本さやかの物語。友情に恋愛にてんこ盛りな感じ。「ベジタブルハイツ物語」の続編らしい。今度それを読まなくちゃ。大学生活ってひとり暮らしってこんな感じなのかな・・・私がひとり暮らしをしたときはすでに社会人だったから・・・生活するのにいっぱいいっぱいだったし。何だか青春やね~って感じだ。 |
| ★ 「大きな熊が来る前に、おやすみ。」島本理生(新潮社)(2007.11.15読了) |
| 3編の恋愛小説集。「大きな熊が来る前に、おやすみ。」「クロコダイルの午睡」「猫と君のとなり」どれも真剣なんだけど、どれも甘くない。そしてどこか怖さがある。暗さがある。もしかしたら人間は甘い素敵な恋を夢見てはいるが、現実は苦く怖いものなのかもしれない。時間がないので、うまく自分の感情を感想に書くことができないけれど、こういうなんともいえない自分の中の闇の部分の感情を出すのがうまいな~と感じた作品でした。 |
| ★ 「渋谷に里帰り」山本幸久(NHK出版)(2007.11.16読了) |
| バリバリのキャリアウーマンの坂岡さんから仕事をひきつぐことになった峰崎稔。しかも営業先は渋谷だ。渋谷は小学六年までいた町。そこでいろんなことが起こるのだ。お仕事系のお話で、しかも坂岡女子のハギレのよさと何だかよくわからない人間たちがとっても面白くて楽しい本でした。タイトルどおりまさに渋谷に里帰りって感じなんだけど、この主人公が何だかちょっぴり冴えなくて・・・でも何だか応援したくなっちゃう。頭はいいはずなのに・・・ 先輩キャリアウーマンの潔さもとっても気持ちいいし。渋谷って若者の町でちょっと・・・にぎやかで・・・いろんなイメージがあるけど、その町で足を地につけて頑張ってる人たちもいるわけで。この先もきっと峰崎くんにはいろんな試練が待っているいると思うけど、頑張って仕事してほしいな~ |
| ★ 「冠・婚・葬・祭」中島京子(筑摩書房)(2007.11.16読了) |
| 「空に、ディアボロを高く」「この方と、この方」「葬式ドライブ」「最後のお盆」の4編。うまいテーマで書きましたね。にんまり。(*^_^*) 個人的にはお見合いおばさん引退記念(?)の「この方と、この方」が好みです。面白かったです。お見合い自体、私の周りでは最近、聞かなくなりましたが、時代の流れなんでしょうかね。「最後のお盆」は家の取り壊しが決まったため母の最後のお盆を過すことになった話。昔ながらのお盆の風景に自分の亡き母を重ねてしまったりして・・・いろんな思いがこみ上げてきました。 |
| ★ 「12星座の恋物語」角田光代・鏡リュウジ(新潮社)(2007.11.17読了) |
| 占星術研究家の鏡リュウジさんの丁寧な解説とその星座ごとの角田さんの小説。全ての人間がその星座の性格にあてはまるわけではないけど、角田さんの小説には「そうそう、この星座の男の人ってこんな感じかも」ってうなずけるものがいくつかある。鏡さんの星占いはわかりやすくてとても丁寧に占ってあるので好きです。某CS放送の番組も見ていますし、ここで確か角田さんとも対談されていましたよね。雑誌でも何度かお会いしているようですし。私の好きなお二人なのでとても興味深く読ませていただきました。今後の恋愛の参考に・・・いろいろ分析しながら読んでみるのも楽しいかもしれませんね。 |
| ★ 「感傷コンパス」多島斗志之(角川書店)(2007.11.17読了) |
| 1955年4月、三重県の伊賀地方の分校に赴任した明子。 そこでの子どもたちや同僚、営林署で働く空木などの交流を描いた小説。 時代が昭和だからか?それとも自然あふれる田舎だからか?とても懐かしいような感触のある小説でした。ただ、とてもきれいに描きすぎていて、もっと何か事件(ミステリじゃないぞ~)や出来事や進展があってもよかったかな。 |
| ★ 「フランスのおいしい休日」伊藤まさこ(集英社)(2007.11.19読了) |
| 今回訪ねたのはアルザスとバスク。地元のマルシェやジャム、チーズ、その地方のお菓子や伝統料理などなど。たくさんの素敵なことを紹介しています。 ガイドブックにはない楽しさが見つかることでしょう。お店の情報や地図も載っているので一冊もっていけばOKですね。「ボンジュール!パリのまち」に続く第二弾の本です。 |
| ★ 「私のクローゼットから my favorite style おしゃれを楽しむ私の工夫」内田彩仍(宝島社)(2007.11.26読了) |
| 日々のおしゃれの参考になります。10年以上、大切にしている洋服のことや旅のこと、リメイクして楽しむこと、そしてハンドメイドのことなど。巻末には作り方も載っているので、お気に入りの布でちくちくと自分だけの手作りを楽しむのもいいかもしれませんね。 |
| ★ 「アイロンと朝の詩人 回送電車3」堀江敏幸(中央公論新社)(2007.11.27読了) |
| 「回送電車」シリーズも三冊目なんですね~いつもの・・・って言ったらいいのかな。堀江節っていうのかな。いい感じの難しさが心地よい。エッセイなんだけど、普通のエッセイみたいにくだけた感じではなく、もっと真面目にでもちゃんと堀江さんの日々が感じられて・・・なんかいいんだよね~ |
| ★ 「ミッキーかしまし」西加奈子(筑摩書房)(2007.11.27読了) |
| 大笑いしてしまった・・・西さんのエッセイって・・・面白い。テヘランで生まれてエジプトで育ったっていう経歴ってどんな人?って謎だったけど、コレを読んであ~こういう人なんだな~って、面白い要素たっぷりなんだな~って。タイトルの意味もわからなかったけど、読んだらわかる。感想を書くとネタばらしになってしまうのでこれ以上書けないけど、とにかくおすすめ。 |
| ★ 「ショッキングピンク」大道珠貴(講談社)(2007.11.28読了) |
| ええのんか?これはエロイ。グロイ。こんなんでええのんか?感想?かけるわけがない。でもただのエログロじゃない。だって大道さんだもの。これで勘弁して・・・ |
| ★ 「プリズム」野中柊(新潮社)(2007.11.29読了) |
| 話としてはどうなんだろうか? 恋をするのはよしとしよう。 でも主人公をとりまく周りの面々までがそれ以上に関係してくるっていうのは・・・波子の家族も複雑だ。でもこれは現代にはあることかもしれない。 そんな複雑な家族の中にいて、一応、糸一本かもしれないが、何となくうまくつながっていて、誰も大声で傷つけあったりはしない。でも心の中にいろんな思いを持ちながら切れそうな糸の関係を続けていくのは危険だし、苦しいのではないだろうか?しかも、最後の方にきて、波子の夫までも・・・何だか裏切られたような気分だ。もう読者は普通の恋愛では物足りないのかな・・・ |
| ★ 「青年のための読書クラブ」桜庭一樹(新潮社)(2007.11.30読了) |
| 聖マリアナ学園で異端者が集う「読書クラブ」には100年間語り継がれる秘密があった。あぁ~素晴らしい!ブラボ~と叫びたい。100年というスケールの大きさ。そして聖マリアナ学園という麗しき乙女の園。そこで繰り広げられるさまざまな騒動。どれをとっても私好み・・・てか?でもこういうシチュエーション自体が好きな人、嫌いな人とはっきり分かれる話ではあるな。 |

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