情報発信に関する本


著者名:久米信行
出版社:NTT出版
紹介:地縁・血縁・学縁・社縁を越えるネットワーク縁を築くのに必見の書です。
感想:以下の点に共感しました。(04年6月読了)
・情報は、出せば出すほど返ってくる」などというと疑いの目で見られそうです。しかし「自分が持つ知恵や情報を、惜しみなく発信、また発信することで、いつか思いがけず助けが得られる」というGive & Give & Given精神は、その信条の根幹です。Give & TakeやTake & Takeではありません。
・メールの世界では、年齢や性別といった「見てくれ」と同様に、著名な団体名や、高い役職名も、実社会ほどの効力を持ちません。ただ肩書きが立派な人よりも、こまめに的確な返信をしている世話好きの人に信認が集まるようです。また、
個人のホームページやメールマガジンの素晴らしさや、ネット社会での影響力の高さの方が評価につながるようです。
・メール道で一番大切なのは、お礼メールです。初対面の直後に届けるお礼メールから、メール縁がはじまるのです。
・お礼メールも、手紙で出すお礼状と同様に、その価値は、時間の経過とともに低下するでしょう。「お礼状の効果は、出すのが1日遅れるごとに半分になる」と、かつての上司から私は厳しく教え込まれました。
・忙しいなかで、耳が痛いメールにまで、すばやく返信するのは大変なことです。しかし、基本に忠実に、メールが来た順番に、内容で区別せずに、ひとつずつ、その場で返信する習慣をつけましょう。そうすれば、いつしか、自然に迅速で適切な返信ができるようになるでしょう。
・お怒りメールの基本は、すばやく対応することと、メールだけで解決しようとしないことです。特に、個人対個人のメールであれば、すぐにおわびのメールをひとつ打ち、電話か面談でお互いの誤解を解けば、ほとんど和解できるでしょう。
・クレームとはいっても、一部の趣味的性格的のクレーマーが出す悪意のクレームメールを除けば、むしろ、日ごろ気にかけている企業に対する、お客様からのアドバイスであることも多いのです。ですから、経営のヒントとなるケースも多いはずです。その会社が好きだからこそ、期待されているからこそ発信された、形を変えたリクエストメール、ラブレターだと考えるとよいでしょう。
・ネットの世界では、役立つ中立的な情報、縁者を応援する情報を10出した後で、はじめて自分のPR情報を一だけ発信するぐらいのバランス感覚が重要です。同じように、どんな意見どんな商品でもけなさずにはいられない、批判精神旺盛な人も時々見かけますが、一読して面白くとも、長い目で見れば信用されないでしょう。
・はじめてメールを差しあげるにもかかわらず、署名にURLひとつ書いていない人も出会います。本当にもったいないと思います。そんな人に限って「一方的に会いたい」と、メールで熱く語っていることも多く、熱意はあるのに空回りしているようで残念です。
・親しくなるほど、社名役職などをあえて宛名につけず、個人対個人名でお付き合いするのが、ネット社会の特徴です。年齢、職業、役職、性別等問わず、個人名だけで、それも「さん」づけで呼びあうインターネット文化は、素晴らしいと感じています。
・メールの題名で、本文の冒頭で、真っ先に目に飛び込むように「結論」を書くことが大切です。続いて、必要に応じて「理由」と「データ」も書き添えます。この通常とは反対の順番での記述が、スピードとわかりやすさを重んじるメール道の基本です。(以上)

書籍名:池上彰の情報力
著者名:池上彰
出版社:ダイヤモンド社
紹介:NHK「週刊こどもニュース」のキャスターがニュース、新聞の読み方から図解表現のコツ、情報整理のノウハウを公開します。(2004年3月読了)
感想:以下の点に共感しました。
・NHKのニュースは、日本料理のように、なるべく素材を生かそうとする主義です。なるべくそのままで素材を味わってもらおう、食べるときに自分で塩コショウを少量かけるなりしてみてくださいという姿勢です。もちろん、これがもの足りないと感じる人もいるでしょう。
・これに比べ、民放のニュース番組は、素材をこってり料理しています。とても口当たりがいいこともあれば、胃にもたれたり、口に合わなかったりする場合もあるでしょう。
・NHKのニュースは、素材を正確に提供し、判断は視聴者個人に委ねるという姿勢をとっているのだと思います。伝える側が勝手な料理をしないで視聴者の判断に委ねるのは、視聴者の判断力を信じているからです。「視聴者はどうせ判断できないだろうから、こちらで判断を示してやる」というやり方はとらないということです。
・相手から情報をとろうとするとき、功を急いではいけません。まずは、相手との間に信頼関係をじっくり築くことから始めましょう。やがて相手から情報を教えてくれるようになります。
・情報を収集するとき、あなたは何を知りたいのか、まずは自分自身への問いかけから始めましょう。何を知りたいのかがはっきりしたら、相手には「教えを請う」姿勢が大切なのです。
・あなたが得ようとしている情報。テレビを見たり、新聞を読んだりすることで入手するのは、いわば受動的な情報収集法です。
・これに対して、情報を持っている人に会って話を聞きだすのは、能動的な収集法です。
・仕事の上で意見を聞く場合など、質問の仕方によって、相手はあなたの理解度やどの程度の知識を持っているかを見透かしてしまいます。質問のレベルが低ければ、答えもそれなりのもの。質問がよければ、すばらしい答えが返ってきます。「愚答などない。愚問があるだけだ」という言葉がありますが、まったくそうだと思うのです。
・毎日流れるテレビニュース、毎日届く新聞。こうした媒体に出ている情報は、いわばフロー(流れていく)情報です。それに対して、本に載っている情報はストック(蓄積)。最新の情報ではないけれど、私たちの生活にとって、大事な情報が書かれています。
・私は、「健全な懐疑心」を持ってほしいと思っています。「すべては疑いうる」という言葉があります。科学的なものの見方をする場合、つまり物事を事実に基づいて論理的に考えるときは、あらゆることを疑ってかかることが必要だ、というような文脈で使われます。
・これは、とても大事なことですが、その一方で、なんでもかんでも疑う、というのも、ちょっとさびしい気がします。そこで私は、「疑り深さ」ではなくて、「健全な懐疑心」を持っておこうよ、と言いたいのです。
・文章を書くときは、接続詞を極力少なくする努力をしてみてください。接続詞が多い文章は幼稚に見えます。
・接続詞が多い文章は幼稚な上に、リズムが悪くなります。「決して接続詞を使わないぞ」と決意して文章を書くようにすると、文章の論理の流れにも敏感になります。接続詞を安易に使っていると、文章が何となくつながっているように見えてしまうからです。
・パソコンの画面上に書いているのは、いわば自分のノートに書きつけているようなものかもしれません。誰だって自分のノートをそのまま他人に見せたりしないはずです。とすると、他人に見せる前に、不備な点を修正しておく必要があります。
・冒頭で相手をどうひきつけるか。仕事で書く文章は誰かに読んでもらうためのものなのですから、書き出しを工夫する必要があります。
・まずは、正確な情報をできる限り集めておいて、次に、どの部分をそぎ落としていくか、考える。もったいないようですが、情報を発信する上で、このプロセスが欠かせないのです。
・アイデアは、常に考え続けていなければなりません。机の前に座って、ウンウンうなりながら頭をひねることが、とりあえず必要なのです。その結果、いいアイデアが浮かべば、それにこしたことはありませんが、現実にはなかなか思うように出てくるものではありません。その場合、さっさと打ち切って、別のことをしてみるのです。
・考え抜いて行き詰まったら、別のことをして頭の血流を活発にする。すると、思わぬアイデアが生まれてくるのです。

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