顧客満足から感動へ


 「顧客満足というのは「静的な状態」です。顧客が商品やサービスに対して抱いた期待に対して、実際に手にした価値が見合っている状態で、顧客にしてみればごく当然のことに過ぎないのです。目指すのは「満足」を超えた「感動」であることを、認識していただきたいと思います」
(「あなたが創る顧客満足」佐藤知恭著 日経ビジネス文庫より)
 県民満足についても同じことが言えるのではないでしょうか。県民は、先に税金という対価を払っているのですから、自治体の業務やサービスに満足するのはいわば当たり前の状態です。(その当たり前のことさえ、中々できないのが実態ですが)もう一歩進めて県民が感動するようなサービスをめざしてこそ、エクセレン
ト・ガバメンント(卓越した自治体)といえるのではないでしょうか。 
 具体的には、リアクティブ(受身)の姿勢からプロアクティブ(能動的、積極
的)姿勢に転換することです。
 例えば、パスポートの発行は県の業務ですが、これまではその期限が切れようが切れまいが関係ありませんでした。欲しい人、切れたら困る人が申請してくるのを待つ姿勢でした。
 もう一歩進めて、期限が来ている人にそのことを知らせ、希望とあらば、更新の手続きをしてあげることこそ、感動を与えるサービスなのではないでしょうか。
 こういう例を出すとよく「そんなものは自己責任だ。そこまでやったらコストが
かかって仕方がない」といった、できない、やらない理由をこれでもかと並べたてられそうですが、私が言っているのは、どんなサービスも漫然とやるだけでは県民満足、ひいては県民が感動するサービスには程遠いということです。
 自治体のサービスにより住民が感動するには、「そこまでやるか」といわれるくらいの気持ちでやって初めて実現できるのではないでしょうか。
 何か問題が起こったとき県民は直ちにその場で問題が解決することを望んでいます。現場の人間に問題を解決する権限が与えられていたら、大抵の問題はその場で解決するでしょう。そうすれば県民は満足し、時には感動さえするのです。
 エンパワーメントを権限委譲ではなく、「主権在現」ととらえて現場をもっと重視してこそ、感動していただける行政サービスが実現できるのではないでしょうか。
 (02/11/21 メルマガ51号より)



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