多病息災

多病息災

手術の日 その1



その日は午前中に他の患者さんの手術が予定されており、私はその後、午後からの予定で、その日は手術が終わるまで何も口にしてはいけないことになっていた。
消化器系の手術じゃないのに、食っちゃいけないのは、手術中に気分が悪くなってもどしたりしたら面倒だからって理由らしい。
ま、しょうがねーな、もし気分が悪くなっても自分でどうこうできないしな。
多少腹が減るかもしれないが、ま、夕方までの辛抱やろ。
それに、実はそれまで折れた部分を牽引(変にくっつかないように錘をつけて引っ張っている)されて、横になったまま、少しでも動くと激痛が走るんで、満足にメシ食える状況じゃなかったし。
この激痛が走るのだけは、一刻も早く何とかして欲しかった。
なにせ、床擦れ防止のために、本人が痛かろうが喚こうがお構い無しに、1日3回、無理やり仰向けから横向きにされ、その度に大部屋中に絶叫を轟かせて半泣きになってたもんだから・・・。

午前中。
点滴1本入れて、手術に望む緊張感に浸りながら、天井をにらんで時を待っていた。
待っていたが、午後1時を過ぎても一向にお呼びがこない。
2時。3時・・・。まだ、来ない。
点滴もう一本追加しに来た看護士さんが、前の手術が長引いていて、手術室が空かないらしいことを告げる。
この期に及んで、まだ待たされるのかよ、って思ったが、何が出来るわけでもなく、待つしか出来ないからしょうがない。

結局手術室に入ったのが午後5時半を回った頃。
出頭する医師もスタッフも、何か時間が押してるって感じがみなぎっていて、
「パッとやって、パッと終わらせましょう!」
ってなこといいながら、談笑している。
オイオイ、ダイジョウブかよほんとに。

腰の辺りに麻酔。しばらくすると下半身の感覚が徐々に薄れてくる。
意識ははっきりしている。これが半身麻酔って奴か。
見るともなしに辺りに目をやると、ワゴンの上に電気ドリルがあるではないか。
何で?何するものなの?
よく見ると、そのほかにスパナやら、木槌やら、まるで手術とはかけ離れた工具があるではないか!

何?この先どーなるの?
不安はピークに達する。

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