きっとどこかの物語

2007.06.18
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ただ一直線に光る目は先を見た
「夜など身を隠す道具にすぎない」
黒い奇術師は言った

誰も止めることのできない音速
優しさなどとうに捨てたと
彼は笑う
人の命など、こうも単純に―

その奇術は怪しげに光を放った

ほどなく動かなくなる

誰にも止めることのできない光速
暖かさなどはじめから知らないと
彼はあざ笑う
人の命など、こうも簡単に―

夜の闇に身を隠した黒の奇術師
朝日がのぼるころ
そこには血以外の水滴が残っていたという
いったいそれが何なのかは
誰も知らない











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Last updated  2007.06.18 00:33:21


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