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どうにもならないどうにも鳴らない鐘が吹く緩やかな風にもベルを揺らさない本体に呼応しているかのように中のベルを揺らさないどうにも鳴らないので諦めて鐘台から遠ざかってみた遠くに遠くに行って鐘など忘れようとしたしかし僕はまだその鐘を鳴らしてみたかった遠くにいく程その思いは高まり耐え切れなくなったと確信したときにもう足はせわしく地面を蹴っていた何日も何年でもいい時間など惜しまないあの鐘に僕はもどった見慣れた風景懐かしい風の感触僕はあの鐘台の下まできていた鳴らしたいお前をどうにも鳴らしたいその音を聴きたい思いは風になるとどこかで聞いた一陣の猛烈な風が吹きつけ鐘をめちゃくちゃに揺らしたはじめて聴く高い音が響いた鐘の大きさに比べとても盛大とはいえない音だった不恰好で心に響くような音ではなかったけれど僕の心は躍っていたどうやらあの鐘はどうにも鳴ったらしいのだ
2008.05.06
小さな檻で君が言った鍵を見つけられたら出られるはずその瞳には希望と大きな涙が溜まっていた涙の意味を君は知っていただからその決意は大きかった君はこの小さな檻の中で鍵を見つけることができるだろう監獄だろうと砂漠だろうと君はそこから出ることができるその力を君は持っていたその力を君は抱くことができた忘れないで思い出して僕らにその力があることを忘れないで思い出して君にその力があることをメモ。
2008.04.05
その手を引いてあなたがくれた遠い遠い真実の色思い馳せてももう届かない過去の母のぬくもり勇気があれば望みがあればきっとかなう道のりなのに私は何を掴むことさえ拒んで逃げていたよ輝く未来栄光の都市手に入れよう進もうとした時代今はもうそれを恐れ始めて何も掴めずにいるのその手を引いてあなたがくれた遠い遠い真実の色思い馳せてももう届かない過去の母のぬくもり終わらない旅臆病な自分もう一歩ずつ進む勇気をその手を引いてあなたがくれた遠い遠い都市の真実きっと意味がわからない。つながりがわからない。メモ的にです。
2008.04.03
二人のつながり銃声が遊ぶように少女を撃つ。少女が撃たれても平然とした顔の少年はその顔のまま、次の銃声から少女を守った。少女は痛がる様子を見せず少年はおびえることはしなかった。少女が逃げると、少年もそれについていく。それは暗黙の了解。本人達も言葉では言い表せない何かをお互いに感じていた。何者にも切れるはずのない線が二人の間にあった少年は少女を守り少女は少年に心を与える夢でみたものを書いたものなのでおかしいです。
2008.04.01
彼の中の靄々 ある人に不幸があって それをわざわざ見に行った人がいた それをその人は 何度か繰り返した 小さな悪いことが 互いの心の中に靄を作ってるって 誰もが知っていたら きっともっとこの世界は 楽しいんだね彼はそういって手に力を入れた自分にはそんな些細な他人のことを変える力はないと涙を流していた
2008.01.22
字を書く話をする人の手を握るていねいにていねいに絵をかく一本一本その線をていねいにていねいにお話を書く頭の中にいろんなものが飛び交って楽しそうに歩きはじめてもていねいにていねいに空を見上げるていねいに地面を歩くていねいにそうするとねひとつひとつのことが全部につながっていたことに気付くんだ
2008.01.21
子供とその母のやりとり母の手を握ろうとしたら振りほどかれてしまいました子供は途方に暮れ振りほどかれた手を追って母のあとを追いかけます母の顔を覗こうとしたらそっぽを向かれてしまいました子供は悲しみに耐えそっぽを向かれた顔を見ようと必死に母を覗き込みます母の背中をぎゅっと抱きしめたら腕はかすかに震えてしまいました子供は泣き声をおしころしましたが大きな背中が泣いていることに気付きましたはっとしました母の笑顔を見ようとしておどけたら母はもっと泣いてその子を抱きしめましたかすかに声が聞こえますあやまっている声が聞こえますお礼をいっている声が聞こえますその意味に次の日気付くのでしたいつもどおり子供は母に会いに病院にきました母はうっすらと笑いながら美しい顔で寝息を立てずに寝ていました子供は全てを知り母の愛と優しさを胸に抱き強く泣くのでした
2008.01.17
気分上昇何も不安と感じなければ、今ならなんでもできると進んでいける自分に気付いたこのままの状態が遥か先未来に続かないことは百も承知だからこそ今このときにやらなくてはならないことをやるまでだと進んでいくそんな自分でありたいと願った不安が消え去れば希望がともるのだ理由付けや論理付けをしたくはない感覚で覚えたいことだと望んだ言語や論理でいえることはたくさんあるが感覚でしかわからないものがあるそれを大切にしたいのだ
2008.01.15
光の取っ手今ここに光があるかといえばそうではなくてしかし闇があるのかといえばそういうことはないただ太陽の出る日にカーテンの中に隠れているようなそんな暗さと明るさがある言い方をかえるとするならばあえて安易に二つのドアがあると提示しようそのどちらかが光へそのどちらかが闇へ導く扉なのだが光へ入る扉を開こうとしてもこれがまた中々開かずただ闇への扉が迫ってくるしかし幾度もそれを避けるしかし光の扉も己から逃げるように遠のくのだしかしこのまま光の取っ手を掴むために走り続けていればそのうち追いつくような気がしてまだ己は走るのかどんなに暗中模索の限りなく闇に近づいてもまだあの光を追い求めている
2007.12.15
黒に住む民遠く遠く落としてきた希望の欠片を拾い集めもう一度この場所に埋めたいどこまでも暗く狭い場所に落ちてしまうのこのままどこへでも行けそうとその闇を進んだそこには希望の文字はなく黒い想いだけが蹲り人が来ると人を食らうそこに一人の勇者こそいれば助かるものだけれどこの世にもう勇者などいないと飲み込まれた人が呟いたそこにすむ人々は涙も出ることはない黒くくすんだ心のフィルターが不安を覆い隠すからその住民は今もどこかで黒いフィルターをつけて笑顔を繕い黒さを纏い悲しくこの世に生を成す生きることが辛いといいながら死ぬことは選べないただただ「いない」といった勇者を求めて
2007.12.12
無題その星には人がいませんでしたしかし家と道路がありましたその世界には思いがありましたしかし人も生き物もいませんでした片方がいないからといって片方はないとは限らず片方はあるからといって片方があるとは限りませんそこにあるのは矛盾をした上でおきた矛盾の形でした
2007.12.08
死を恐れるその者の結末ひとつ命の終わりがありました。それははかなく優しいものでした。ただ生きていたとき、とても死ぬのが怖かった者がいました。それはとても想像におよばないほどの恐怖でその者は、そのほんの一瞬やってくる終末に、ただぶるぶると震えていました。怖かったのです。とても、怖かったのです。だからその者は気付きました。今この瞬間この刻に。世界中どこかでこの恐怖に耐えようとしている者がどれだけいるか。今この瞬間この刻に。悲しく終わりを迎えようとしている者がどこかにいる。だからその者は思ったのです。今この瞬間この刻に救わなければならない者がいる。死の恐怖を知っていたからこそそれ以上に悲しい終わりなどしてほしくないと。あの者は世界中を回り、色々な人々の死を見取り生きたいものには、必死で生命の延長の手を探ります。あの者は、悲しいものを、どれほど救ったのでしょう。しかしその者にも、終わりがきました。いつでも世界をまわっていたから、彼の親類など、誰一人いません。誰にも見取られず、それはとても悲しい死でした。その者が灰になる日、誰も葬儀をしないその者のもとに花束が届きました。その花はまた一束、また一束と増えていきます。いつだったかその者が漏らした「みかんが好きだな」という言葉。一度しか言わなかったその言葉を一度しか会わなかった者が覚えていたのでしょう。1箱、2箱、3箱と、全て送りもとの違うところからみかん箱が届きました。手紙もたくさん届きました。その者が静かに眠っている部屋は、手紙に埋め尽くされました。もう入らないほどの手紙とプレゼントが部屋に届いた頃外から声がしました。「ありがとう」言う声は泣いていました。そしてまた違う声が「ありがとう」泣き崩れ嗚咽を漏らす声が誰かが大声で感謝を表しました。そしてその声はだんだんと広まり窓の外からも聞こえました。いつでも世界を回っていた者はいつでも世界を回っていたから親類はできませんでした。しかしいつでも世界を回っているその者をいつでも世界を回って探し続けていた者たちがいたのでした。あの者が灰になる日ただの黒の小さい車で送られたとき数え切れない手が、あの者を見送りました。あの者はとても、幸せでした。めも→61.247.ほしほし。■お知らせ■ほんの一度の書き込みですが、荒らしを彷彿させるものがあったので、日記へのコメント書き込みを制限させていただきました。しばらく様子を見てから復帰させたいと思っています。掲示板への方は、少々制限がかかっていますが、それ以外は書き込みいただけます。もともと停滞したり復活したりしているサイトですが、今後ともどうぞよろしくおねがいします。
2007.11.22
貴女を取り巻く過去の因果だろうか微笑む女性に黒い影うずまく呪いが彼女を取り巻く幸せになどさせぬと囁く声聞こえてしまうぼくは聞こえてしまう遠く離れた彼女は友人達と笑い合う黒い呪いを纏いながら彼女には見えない彼女には聞こえないだけど見えるし聞こえてしまうその黒いものの正体は貴女の近くにいる者のものだとねたみそねみひがみ全てが歪みそこに集っていた形にはならずとも音など持たずとも見えてしまう聞こえてしまう
2007.11.21
名のつく場所生まれていく絶望がおのの憎悪を結露させていくこの醜いものまで凍らせてしまうのならいっそそれでいいとただ色のない黒だけが広がる野原を彼女は歩いていくどこまでもどこまでも原は続き牛も花もなくおのずと少女は無を悟るここは無限地どこというものはない歩こうが走ろうが名のつく場所には行けぬ
2007.11.20
ただ在った頃の雑音と鮮やかなクラシックが一度に流れいてる日、また虚無がきた。自分には何もなくて、ただ今ここにいることだけがしっかりとわかる。喜びはないが恐怖もないその虚無はどこまでもぼくを、肉体もなかった頃のぼくに戻していく。懐かしい記憶がただ安らぎとなりぼくを満たす笑顔などこみあげることはなく悲しみなどない情熱などおこることはなく焦りなどないただ安心だけが虚無の中に広がりぼくをもとの姿に戻していく人の形を持たなかった頃のぼくにただ存在していた頃のぼくに
2007.11.16
少年1いつか両手をあげてその星をつかめると彼は信じたどれほど自分がちっぽけなのかどれほど自分が愚かなのか彼は知っていたのにいや知っていたからこそたったひとつの夢にその命を込めた彼の身長はちっぽけでいつもからかっていた彼の背中は心細かったいまに両手をこぶしに変えて壁をぶちやぶってやるって彼はむくれながらいったあれから夏がきて秋がきて彼の身長が私を越して大きな悪いものが私を喰らいにやってきたとき助けにとびこんできた彼の背中はたくましくてその心は勇敢で星を掴むにはあまりにも彼がひとつの星かと思うほどまぶしかった
2007.11.13
ひとつの盲目の時期怖いものに追われるより怖いもの昨日あったものが今日は消えるかもしれない昨日なかった悪が今日は生まれるかもしれないそうやって植えつけられた恐怖時が過ぎることにおびえつづけてる君絵を描く手が震え涙が出て描写できない対象物
2007.11.12
少年の荷物少年は歩いていったいろいろな町を回りいろいろな人を見る大きな荷物をせおっているはずの少年の足は軽くいく先々で荷物の心配をされたが少年は笑って平気だと答えるこの荷物の重さはもう とうに感じなくなったのだと少年は幸せそうに笑ってそう言った父の怖い顔と母の泣き顔全てが重かったあのときの荷物はこれよりも小さかったけどまた新しくもっと大きいのが入った父の強き優しさと母の美しい笑顔これは大きい荷物なはずなのにあの重い荷物を軽くしてくれるんだと少年は幸せそうに笑ってそう言ったそれを知らせるために色んな町を歩いているんだと胸をはって誇らしげしたこの世界にはひとつの言い伝えがあるある男の子が通った町は必ず愛を忘れない大人がいる町になると
2007.11.09
いつかのこの地遠い場所につながる一本道ぼくらは皆これでむすばれているそう思ったっていいじゃないかたとえ今のこの世の全ての地に平和が広がっていないとしてもあらそいのたえない地のほうが多いとしてもぼくは信じるいつか君に空を見て思ってほしいこの空のすごいところは広いだけじゃないということきっと君なら見つけることができるいつか君に地を踏み信じてほしいこの地はぼくらよりはるかに昔の人が踏みさらに未来の人がふんでいくということその人たちが優しく笑って歩いているということたとえば世界中の人が手に手を取り合って輪をつくろうって言い出したならひとりも嫌な顔をしないんだだけど悲しそうな顔をしている人がいる手が不自由な人たちだそしたらぼくらはその手になる何かを必死で探すんだその人もお礼に笑ってくれるそう信じたって いいじゃないか
2007.11.07
その海の地底とどまることを知らない波がぼくをせかしあげる波に乗るのが面倒くさくてぱちゃぱちゃと当たる水面が煩わしくてその波に乗らずにいたら海の中にもぐりこみ空が見えなくなった空気が吸えず深海さらに深く光が届かない水底へ堕ちた感じた温度がまことかどうか足が何かにあたった平らな久しぶりの
2007.11.04
「ぼくは上に進む」そう言って君の前から立ちあがり姿を消したけど大きな間違いがそこにあった小さなものをずっと見据えていた君がいたこと上へ進むことそのことだけにとらわれて全てを否定していた否定することそれが頂点になれる近道だとずっと思っていたけれど世界で一番高い山の頂上には誰もいなかった最高の高さと孤独だけが待っていたんだぼくが望んだ頂上はこんなに悲しくも儚い場所でぼくは顔を隠すこともなく泣いていたここまでのぼりつめた者たちの死体を横にここで生きることは怖くてできずもどることも水はもうあとをつきただただ足が震えるだけでただただ君を思い出すだけ思い返すこともなかった過去を今どうして思い出すのだろう君はあのとき手をひいて止めた必死に涙を流して訴えたあなたの進むところは絶望なのだとそれが最も美しいものだと気づきもせず君を否定しただ上を見ていた
2007.11.02
ちょっと前までは簡単にウソをついて簡単に危険回避して安心のために人を愚弄したすごく居心地がよかった誰かの血を浴びても返り血だからしょうがないって割り切れたからだけれど今ぼくは誰かのために土を耕しぼくを知らない者のためにも草木を育てたとえぼくを楽しそうに罵倒する奴らにも木の実をやるような生活をしてるすごく居心地が悪いんだけれど前の生活にはもどれないなんのために生きているかわからなかった頃にはもどりたくない人は変わっていくそれでいいと思ってる。ぼくが何かに費やすことで少し小さな世界が変わるなら
2007.10.20
想像してみてください。貴方は右手が不自由で親とは幼い頃に別れました。貴方の目にはとても栄えている街が広がりますが貴方はぼーっとうつろに街を見ているだけです。貴方の横にはとても綺麗な服を着た人たちが楽しそうに歩きますが貴方は泥と血にまみれ、その人たちから避けられて歩かれます。貴方はふと思います。ここは地獄だ。感情はもう沸いてきません。けれど目は腫れる程、涙を流します。勝手に喉がしゃくりあげ貴方の呼吸を難しくさせます。そのうち食べることをやめます。空腹で、何も入れていないはずの胃の中から胃液だけ込みあげてきます苦くてまた吐き気を催しますそのうち心臓がこれは現実にいる子供のお話です。どうかその手をその心を
2007.09.15
薬を大量に飲む少女腕に傷のある少年ビルの屋上に立った貴方この世でちっぽけな一人だとわかっていたとしても認められない現実避けたいの逃げたいのどうかその手を取れるなら貴方からその手段を奪えるなら私は何だってする禁じられたことだって簡単なのよその薬を捨ててどうか手首をなでてあげてそんな高いところにいかないでどうかどうかたった一人の貴方を愛してる者が現れること信じてずっと信じて私がここにいること貴方がしないなら私がしてあげるこの国の法を犯すことくらい簡単なことなのよ
2007.07.18
散らばった部屋の中でさがしものをしてないなんて諦めちゃだめだよきっとまだ探してないところにひっそり隠れているんだ必ずある昔つかってた手提げの中とかちょっと暗い場所とか忘れないでないなんて言わないでほら君のその手にあったものは大切だったでしょ?それをまた見つけることにまたお気に入りにすることに「なくしちゃうかも」って恐怖は捨てちゃってまた手にするんだほら暖かいまた安心して眠れるよ
2007.07.15
昔あれほどないと思っていた物があってその焦りが少年に暴力という道を与えた粗末な裏路地でがむしゃらに誰かを殴りつけて何倍も殴り返されたそのときの瞳は死に物狂いの兵士のようで今 風に吹かれながらおだやかな草原に少年はたたずんでいた昔あれほどないと思っていた物それを生まれたときから持っていたと気付いてしまった自分がおろかだったことを知った体中に治らなかった傷の痕彼の治らない傷あとを心配創に見つめる二人の年老いた女性と男性彼らを見る少年は優しい瞳をしていた
2007.07.06
雑音を鎮めて空気を吸って美しき花を見るそれらが私に安らぎを与えてくれる次不幸がこようとも大地を蹴って太陽を浴びて美味なるものを食べるそれらが私に力をくれる次悲しみがこようともうたを歌って絵をえがいておどりを踊るそれらが私をはずませる次沈みがこようとも全ての美しきものは私にプラスをくれていることを忘れてはならないと今ここに書き記す。
2007.07.02
どしゃぶりの中何時なのかわからないくらい暗い路上で独り立っている自分雨に濡れてびしょびしょで体が冷たくてでも目頭だけ熱くてそんな中もう意味ないのにかさが現れる振り向くと誰かがこの寒い中白い息を忙しく吐き出しながら探したそうつぶやくそういう夢を見てたいつかこのどしゃぶりの中見返りをもとめないままに傘をさしてくれる人が現れるんじゃないかって息を切らしながら私なんかを探しに必死になってくれる人が現れるんじゃないかってそういう夢を見てた目が覚めるとからっぽで涙も出なかった
2007.06.27
誰もぼくを見てなどいない「それでもいい」と笑っていたあの頃の無垢なぼくにもどりたいいつからだろう人の羨望の目がほしくてたまらなくなったのはいつだっただろう誰かの心がほしくて泣き崩れたのは高慢になっていくぼくだけどどうか笑って見ていてとさらに欲をいいはじめて取り返しのつかないことになっていた「純粋なんて言葉はぼくに似合わなくて良い」いつからかそんなことを口にしはじめたそのときにはもうすでに誰もぼくを愛してなどいなかったひとり ぽつんと部屋にいた明かりをつけるのさえわずらわしく感じたこのままもっと奥へ―ある日きゅうに光がほしくなった唐突だったでもぼくの現在地は暗闇誰かの優しさを欲したときには誰がどこにいるのかわからなくてやっと空虚に気づいた
2007.06.26
手が動かない息をしていない体は無感声も出せないけれどただ涙だけは出ていたそのうちこれが悲しいという感情だと気づいたどうして悲しいのかはわからなかった心には悲しみだけが住み着いたここから逃げたいという思いがそこから生まれたそのうち動かなかったはずの手が何かを欲し始めただけどまだ動かなかった体は死んでいた息もしていないそれが妙に悲しくて一気に息を吸ってみた久しぶりの空気すごく体が痛くて今までよりたくさんの涙が出たそしたら体が少しずつ動きそして心は悲しくなかった
2007.06.25
生きるって、すげえ怖い“いつか死ぬ”って爆弾を抱えて歩いていくんだ死ぬより辛いことってなんだろう腕がなくなったり女の子なら顔に傷がついたり目が見えなくなったり生きるって、すげえ怖い“自分が消える”地雷が明日に埋まってるかもしれない生きることってなんだろう何かすごく大切なものを亡くしたりして絶望を感じてもまだ死んでないここにいるすげえ怖い怖いそれでも前へ進まなくちゃいけないこの中でほんのわずかでも光を見つけられたらそれに猛進してもいいよね?
2007.06.24
小さいころのおろかさでわたしはイエを壊してしまった罪の意識は消えずに今もまだこの胸に残ってる父はわたしに死ねと罵った母はわたしをいらないと言った兄はわたしと喋らなくなってわたしはひとりだれもいないところで懺悔したみんなばらばらになったそれなのに数年のときを経て父はわたしを生かすために身を削り母はわたしの帰りを待ち望んだ兄は少しずつ口を開きわたしをひとりになどしなかった凍える冬暖かいこたつに4人やっとそろう日がきたながかったねと心の中でつぶやきひとりかくれて涙を流したもう一度おさないあの頃へ帰ろうみんな一緒だったあのころへ大切なあなたたちが居たイエへみんな同じ屋根の下
2007.06.23
空は暗黒 少年は行くこの町に光などないあるのは憎悪と気だるさと金だけだ空は暗黒 少年は笑う悪いか?全て捨てるんだこんな醜いもの全て捨ててやるンだ空は明瞭 少年は怒るほらみろこんなにもこんなにもあの町と違う空は明確 少年は笑う手には荷物を顔には笑みを心には勇気を暗闇の町などとうに抜けたさあ旅のはじまりだ
2007.06.22
死んだぼくの絵ぼくは絵が描きたくて一生それで生きていきたくてただそれだけを願ったかのように生まれてきたような気がして生きてきた親の罵声を浴びながら反対を押し切って絵の学校に入ったうれしくてうれしくてたまらなかった全てぼくの宝だったひとつひとつの色が一本一本の線が全てぼくの宝だった学校の合間親から罵声を食らう合間唯一絵がかける時間一本の線が命動かないはずの絵が昔はいつも動いてた飛び跳ねたり笑ったり泣いたり怒ったりつぼみの絵の花が明日は綺麗に咲くんだ毎日毎日かいてその暮らしが当たり前になった今いつのまにかその気持ち 無くしてた忘れてたすごく悲しかったなんて高慢になってしまったんだろうと鼻がつんとしたさっきまで描いてた絵をみたらその絵からなんの感情も汲み取れないんだ全く動かないんだなんだかぼくの絵が死んだ気がした大粒の涙があふれてきたんだぼくがぼくの絵を殺したんだ上手く描きたい一心に絵をただの紙としてみてたぼくがぼくの絵を殺したんだごめんごめんねそんなことをしたのにこの手がまだ描きたいって言ってんだもっともっとたくさん描きたいって言ってんだもう一度 ペンをとってもいいかなもう一度 線をひいてもいいかな絵に命を吹き込む権利 ぼくにまだあるかな二度と命のない絵など描かないと誓うからぼくにもう一度
2007.06.20
一刻と過ぎていく寿命近づく死目の前の恐怖をいま振り払えるか何も恐れることなくどこまでも進んでいける勇気を何よりも強い決意をその恐怖に打ち勝つことくらい簡単さなんて笑っていた幼いころの自分をいま憎まないで進め何も恐れることなくどこまでも愛し合える心を何よりも強い思いを死ぬまでにこの恐怖に打ち勝ってやる目を背けずに戦ってやる運命(おまえ)になんか負けない
2007.06.19
17才の彼と風複雑怪奇な17才の春どこまでもカオスな心を持って歩く少年に吹き付ける風が涼しくて泣けちゃうんだ「単純に見なきゃ見えないものがあるんだ複雑な心を持った今の僕じゃ見えないかもしれない」どこにだって気象がありゃ風が吹くそんなの中学のとき習ったそれでもこんな複雑怪奇な僕に吹き付けるただそれだけの単純な風が優しかったそれだけなのに泣けちゃうんだかっこ悪いって思っても風に泣くんだ
2007.06.18
その体は踊るように舞い上がったただ一直線に光る目は先を見た「夜など身を隠す道具にすぎない」黒い奇術師は言った誰も止めることのできない音速優しさなどとうに捨てたと彼は笑う人の命など、こうも単純に―その奇術は怪しげに光を放った数人の男が倒れたほどなく動かなくなる誰にも止めることのできない光速暖かさなどはじめから知らないと彼はあざ笑う人の命など、こうも簡単に―夜の闇に身を隠した黒の奇術師朝日がのぼるころそこには血以外の水滴が残っていたといういったいそれが何なのかは誰も知らない
2007.06.18
町の雑音の中にこだまする子供の叫び声満面の笑みのその子供声は叫んでる聞こえますか僕らの声あたりに散らばる罵声のノイズにかき消されてなければいいんだけど聞こえますか僕らの声涙などとうに枯れてしまうのどはもうつぶれてるんだだから聴いて耳でじゃなくてどうかどうか心で
2007.06.17
強くなるためにふにゃふにゃになりながらもがき戦うその姿が醜いといわれても僕は戦う大事なものがあるからぐしゃぐしゃになりながら鞘から銃を抜こうたとえ大切な人の涙を流すことになろうとも僕は弾丸を奮う次を戦うためにぼろぼろになりながら立ち上がろうその後ろにもまた同じような姿で戦う友がいるからその勇姿を誇りにそのけたたましさを引き金に僕らの弾丸は世界へ飛ぶ千の銃をしまって億の弾丸を持つぼくらその中で本物の銃を手にしてしまった人もいた悲しき心の穴に陥って出られずに
2007.06.16
イッシュン 消えてしまったイッカイで 無くなってしまった僕はどこに行ったの?暗中模索自分の手がどこに向けられてるかさえもわからない鳥が飛んだたまにその姿に感動していた僕はどこに行ってしまったんだろう今見ている風景が本当に僕が見ている風景なのかわからなくなってしまった時刻は昼でちょっと曇ってるけどそれなりに明るいなのに僕は明かりのないけどたしかに真っ暗ではないそんな場所にいる気がするどんよりと霧のかかった場所にいて助けを求めているというよりはもうここから出たくないと願っているでも心の奥底がこのままじゃいけないって言ってるここは居心地がいいんだいつか出て行かなくちゃいけないことくらいわかってるのにそこで寝息をたてる僕
2007.06.15
無駄に詩を描きたくなったわけではなくて気持ちの整理がしたいわけでもなく自分は今何がしたいのかと問うと頭の中はからっぽだったきっと現実を見たらあせりで押しつぶされてしまうそういう思考だから現実に踏み出せないここでじっとして死ぬまでじっとっして楽して閉じこもっていたいと願った踏み出す足などどこにもなくて以前感じた絶望を味わいたくなくて進んでいるように見える足だけど動かしてるだけで実際すわったままだから止まってる足をぶらぶらさせてただ何を見るでもなく宙を仰いで僕はひとり空虚を感じる誰なんだ僕は前までの僕はどこにいるんだ記憶をなくしてしまった気がする怖くて怖いはずなのに涙さえ忘れたのか涙ひとつも流れない
2007.06.15
オハナシはすげえんだたとえばそこに誰も解決できない大きな問題があっても可能をえがいちゃえばいいんだすごいマホウを使えばイチコロさオハナシはすげえんだたとえば誰もできるはずがない誰をも掴むこと可能をえがいちゃえばいいんだすごい催眠術をつかえばイッシュンさすげえだろオマエができないことをこの登場人物は簡単にしてしまうすげえだろ不可能を可能にオハナシはそんなことができるだからこそオハナシはオハナシ足り得るんだでもな不可能を可能にするっていうことはきっと神の領域なんだだから慎重に慎重に描かなきゃいけない読者の心を狂乱させないように
2007.06.15
少年は笑う夢を掴むんだと恥ずかしそうに 嬉しそうに少年は笑う青年は笑う夢を掴むんだと焦りと 不安の嘲笑青年は笑うサラリーマンは笑う夢を掴むんだと自分なんかがと こんな親父がと罵りながらサラリーマンは笑うとあるおじいさんは笑った今まで見せたことも無いような幸せそうな顔で涙を目に浮かべて夢を掴んだんだとおじいさんは笑った
2007.06.08
あの少女とのさよならが少年の足を動かしたこの町から出て遠くへ希望を見つけなくてはならない少女との再会を願って少年は町を出た森の中を駆ける少年涙とは止まらないこともあるのだと知ったどうか許して僕がひとり希望を見つけにいくことを少女は手をふりさえしなかったが笑って送ってくれた遠い遠い未来あなたが掴んだ希望を私に届けてそう言って笑うだけ頬を伝わる涙を見せぬと少年は走った森のほうへ町の外へ必ず届けると叫びながら
2007.06.07
大いなる裏切りにひとつ勇気を持って進んでいこう。大いなる裏切りにも 微笑むことができるように。この世に生まれてきた悲しみを知ったときこの世への大きな怒りを感じた何故生み落としたのかどうして私だったのかその悲しみの中でも必ずしも人は温かいものではない弱っている状態をそれ今だとつついてくる人間もいるそれを知っているならばその知を脳に植え付けひとつ勇気を持って進んでいこう。大いなる裏切りにも 微笑むことができるように。
2007.06.06
水にぬれた砂踏み心地の悪い地面そこにただ一人立つ者がいれば人はそれを勇者と呼ぶ剣を高々とあげることもなくぎらぎらと何かを睨みつけることもないそこに悪がいようといなかろうとただまっすぐその両足を地に守りたい者がそこにいることに彼はただ気づいただけだったそれだけでそのぬかるみさえも頑固に揺れぬ地へと変えよう勇者よ剣などどこにも無きことを知ったつわものよ戦いなどでは何も守れぬと知った悟り主よその背の後ろに何を守る
2007.06.02
聖フランチェスコのように心の奥底から君を許したいそれができたら僕の心はもっと明るくなる誰かを恨んでいきるよりは誰かの幸せを願って祈ります聖フランチェスコのように僕の心に光をあててくれたら僕はいつでも誰にでも優しさを与えられる光を求めて色んな大切なものを見つけたい
2007.06.01
一度きりの君だからたとえばこの大きな宇宙で生まれたちっぽけな自分がいつか消える日がきたとき世界は何も変わらないでまわるだろういつか自分が消えてしまうことが小さなことだと知ってそしていつか消えてしまうことがこんなにも恐怖だと知ってどうしてこの世に生まれたんだろうと泣いたそれでも前を向いて歩くべきなのは一回しかないから大切に大切にせめて一度きりしかないものが全部全部しあわせであることを祈って君の笑顔が咲くように今日は立ち上がってみよう明日は前へ
2007.05.23
この世界を見ているのがたまに辛いときがあるどうしてもかみ合わない大きな歪み誰もが恐怖し泣きを見平和を訴える中残酷な結論を言う総理大臣戦争の被害者がもう二度とこんなことになってほしくないと死者の前で泣きながら祈った武力撤廃それを崩す未来が今ここにあるENDどうしても。今なくてはならない。というわけではないのではないか。そう叫ぶのは、きっと危機感を感じていない人。危機感を感じている人は、武力を再築してくれと言っている。そもそも危機感の感じ方は人それぞれ違うので、その意見を生み出している心理については何も言わないが、私は憲法第9条改正に反対したい。けれど現実を見れば、今すぐにでも武力を戻し、応戦状況に入らなくてはならない状況下であることはまだ十代の自分でもよくわかっている。しかしその後の日本は軽蔑されるだろう。そして被爆者として亡くなられた方々たちを被戦者として亡くなられた方々たちを見るなといわれたら到底できない。だから反対したい。けれど自分は弱い。自分を守るため家族を守るため友人を守るため今、武装に賛成票を入れてしまいそうになる。古人を思いながら今ここに生きる人を思いどうしようもできない自分がいる。改正も苦肉の上で、数年の猶予を国民に与えたんだと思う。そしてそのうちに、北朝鮮の核の撤廃を祈ったんだと思う。北朝鮮の核の撤廃一庶民の一若造の自分がどうにもできないのはわかってる。子供たちがその武力を行使しない未来を創るためにお話を書き続けようと思う。私たちが戦争の時代を生きてきた祖父や祖母の背中から教えられたようにその惨劇を語り継ぐべきだ。最後にひとつ。私は小さい頃、「武力持たない、戦争をしない」と宣言した国に生まれてすごく誇らしかったのを覚えてる。「そうか。この国は誰も殺さないんだ。人を幸せにする、平和の第一歩を目指す、やさしい国なんだ。」それだけですごくこの地を誇らしく思った。今それが壊されること。日本が、誇れない国になること。子供たちの脳から、命に対する誇りがひとつ減ること。日本の未来を本当に考えているのなら「それでも平和を願って、日本は武力を行使しなかったんだ」と言える国になるように願う。そのせいで親が死ぬ。友人が死ぬ。自分が死ぬ。仕返しができないのだとしてもそれでも人を殺してはいけないんだと。この意見は残酷で誰もが心を病むことだ。だけど本当の命を大切に思うならこれから先何十年も後の未来日本をそういう国にしてほしい。命を大事に思う誇りある国にしてほしい。っていう若輩者の理想論。わかってるよ。わかってる。現実、自分の命が大事だ。わかってるよ。わかってる。でも何万人も死んで何万人も殺し返す未来なんて創造したくないんだよ。政府は卑怯だ。投票法を変えて、国民の手で投票した結果にさせて「僕たちじゃ決められません。責任はあなたたちにあります」だもの。涙出ちゃうよ。自分たちの手で何万人も死んで何万人も消えるんだもん。怖くて投票なんて出来ないよ。
2007.05.19
この歌よ天に届け私は今ここに居るいつかそちらへ逝くそのときは先に逝く者たちよ迎え入れておくれ万の出会いがあれば万の別れがあるだろうそこに意味を見出せるのならば去る悲しみなどきっと和らぐだろう遠く遠い場所からの言付け今、踏み抱いている大地へ万の出会いと億の感謝をこの歌よ天に届け私は今ここに居るいつかそちらへ逝くそのときは先に逝く者たちよ迎え入れておくれ
2007.05.11
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