きっとどこかの物語

2007.11.13
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少年1


いつか両手をあげて
その星をつかめると彼は信じた
どれほど自分がちっぽけなのか
どれほど自分が愚かなのか
彼は知っていたのに
いや知っていたからこそ
たったひとつの夢に
その命を込めた


いつもからかっていた
彼の背中は心細かった
いまに両手をこぶしに変えて
壁をぶちやぶってやるって
彼はむくれながらいった

あれから夏がきて秋がきて
彼の身長が私を越して
大きな悪いものが私を喰らいにやってきたとき
助けにとびこんできた彼の背中は
たくましくて

その心は勇敢で

彼がひとつの星かと思うほど
まぶしかった






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Last updated  2007.11.13 21:21:09


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