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先進国が、中進国、後進国経済を
育成する国際機関として世銀、アジア開発銀行などがある。
★
新聞等では日米がアジアインフラ投資銀行の
認識遅れから 参加に出そびれたかのような、
やや悲観的な憶測が掲載されている。
★
しかし、参加国条件は受益国に主眼が置かれるべきであろう。
ドナー側主催者にはGDPでは世界2位ながら、
今もWB,ADBからの大口借金国の中国がいる。
中国は、世界金融センターを目指しているが、
GDPは大きいとしても、Per Capita National Income では
低位にあり、大気汚染問題、少数民族貧困問題などを抱え、
肝心の金融でも「影の銀行(=シャドー・バンキング)」という
不安定な金融構造を抱えている。
///
世界銀行統計、各種ランキングで中国の「地位」を見ると、
外貨準備ランキング1位
(2013年末:3兆88百億ドルで2位の日本の1兆27百億ドル、
3位のサウジアラビア74百億ドル、4位スイス54百億ドル、
5位露51百億ドル、6位米45百億ドルを凌ぐ)、
対外純資産ランキング2位
(2013年末:207.6兆円で、1位の日本の325兆円に次ぎ、
3位の独の192.2兆円、4位のスイスの103.6兆円を凌ぐ)
と、お金の量では日本と共にずば抜けている。
国力という面では軍事力もあるから
軍事費支出ランキングでは2位
(2013年SIPRI発表の世界の軍事費推計1兆7470億ドルの
うち11.0%を占め、1位の米の37.0%に次、
3位の露の5.0%、4位のサウジアラビア3.8%、
5位の仏3.5%、6位の英3.3%、独・日各2.8%を凌ぐ)
と、単年度でみても大きく、
(累積がものを言う、軍事力では米・露には及ばないが、)
急速に力を付けてきている。
///
これからは、AIIBがドナー国を如何に確保するかが
大事となることは 目に見えている。
中国は、国力では随分と力を付けてきたが、
一人当たり国民所得では、
未だに、世界銀行からの借入基準が出来るくらいの
非ドナー国の資格すれすれにいる状態である。
つまりは、自国民の貧困さを犠牲にして、
国富を軍事などに回しすぎているのである。
中国政権が内部の腐敗の粛正に躍起となっているのは
貧困のなかでも国富を分かち合う
共産主義の根本理念を守るために
やむを得ない手段であろう。
★
絶対王制ではないのだから、このような内部矛盾を抱えながら、
自国資金のビバレッジだけで世界のインフラ資金を支えることは
不可能である。
インフラ援助資金で、中国産業を振興させることで、
ウインウイン の 互恵の両輪で、
上手くAIIBを走らせるのは
楽観過ぎる。
融資は、回収が鉄則であるが、
元本さえ回収できないリスクが現実には起こる。
一部の回収ができずとも、全体としてみると、
利益部分で補えるような 「補填・保障システム」がなければ
バブル金融となり、破綻は免れない。
///
中国の 一部産業が成長 しても、
影の銀行を含む 金融業が回収不能 に陥る
懸念が解消できなければ
中国経済そのものが崩壊する危険なし、とはいえない。
///
一部の儲け企業の経営陣が米国などに市民権を
前もって確保するような動き=
「安全弁を外国に準備している動き」も気になる。
アダムスミスの見えざる手が導いてくれる(?)
自由主義経済でも危ないのに、
独占的共産経済では道を踏み外す危険が残る。
///
これでは、いくら大国・中国でも用心しなければならない。
★
中国一国で危ない橋を渡るのは
危険すぎると呆けの小生でも思う。
諄いようであるが、
日米両国を抜きにしてAIIBの運営が上手く行くはずはない。
AIIBはADB、WBの資金を利用するのに、
中国の借金(=又貸し)を介することは不可能である。
むしろ中国は旧借金をADB,WBに完済すべきである。
本来は、ADB,WBは中国からの完済により、
資金を他国への支援に 回せるのである。
★
中国金融が抜群でも、
世界金融制覇の意気込みは、
あまりにも無茶な感がある。
少なくても、ADB,IBRDからの旧債を残したままで、
世界を中国が助けようとしていることの意味を考えよう。
いずれは、大口回収不足で 資金不足となり、
日米がドナーとして AIIBに加わらなければ
資金ショートが生じる のが目に見えるようだ。
★
日米は、AIIIBの借入れ予定国が出揃うのを待って、
本格的なインフラ支援のドナー側に参加すればいい。
金融は、互いに補うことで 融通 できるのである。
★ 国際金融機関
| 国際機関名 |
AIIB |
ADB |
IBRD |
|---|---|---|---|
| 本社所在地 |
北京 |
マニラ |
ワシントン |
| 設立時期 |
2015年内予定 |
1966年 |
1945年 |
| トップ |
臨時事務局長:金立群・元中国財務次官 (総裁は中国人が就任予定) |
総裁:中尾武彦 (歴代総裁は日本人) |
世界銀行総裁:ジム・ヨン・キム 歴代総裁は米国人 専務理事は欧州出身者 |
| 資本金 |
当初500億ドル予定 |
1,650億ドル (2014.9) |
2,327億ドル (2014.6末) |
| 投票権(出資比率) |
中国50%予定 |
<2014.9> 日本15.65% 米国15.65% 中国6.46% インド6.35% 豪州5.8% カナダ5.25% |
<2014年版> 米国16.7% 日本7.2% 中国4.6% 独4.2% 英3.9% 仏3.9% |
| 融資残高 |
<2014.9末 残高538億ドル 内訳> 中国26.8% インド23.5% インドネシア14.0% パキスタン8.9% フィリピン8.4% |
<2013年度 IBRD,IDA 融資額 315.5億ドル> 主要貸出国 メキシコ 中国 トルコ インド ブラジル インドネシア コロンビア ポーランド |
|
| 加盟・参加予定国 |
45・・・2015.3.31 |
67 |
188 |
| (域内) |
(31) |
(48) |
|
| (域外) |
(14) |
(19) |
|
| 備考 |
日米は加盟を見合わせるなかで、参加予定国が51となる見込みである。 |

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