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November 29, 2025
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カテゴリ: 特撮関連書籍
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完全解説 ウルトラマン不滅の10大決戦 (集英社新書) [ 古谷 敏 ]

完全解説 ウルトラマン不滅の10大決戦
古谷 敏/やく みつる/佐々木 徹【著】
集英社新書​
発売日:2021年7月16日

日本特撮界の2大スーツアクターは、​ ゴジラの中島春雄氏 ​とウルトラマンの古谷敏氏だと思う。
かたや大怪獣、かたや(巨大)ヒーローという、前例のない役づくりをされたわけです。

本書は、その一方の雄、古谷敏氏がウルトラマンとして戦った全39話から、名勝負10選についての鼎談です。
そうした、ウルトラマンと怪獣の対決についての深掘りとともに、語られているのは「役者 古谷敏」でした。
のっけから恐縮ですが、本書の「おわりに」から以下の文章を抜粋しました。
今まで古谷敏がウルトラマンのスーツアクターに抜擢された理由はスタイルのよさだったというのがガチガチの定説だった。
(略)
アクション初心者の古谷敏を起用することがいかに博打だったか。
(略)
それなのに、古谷敏がウルトラマンになった。
言葉は悪くなるが、大部屋役者に務まるほどウルトラマンに求められる演技力、表現力は甘くはない。円谷英二にしても、そんなことは十分に承知のはずで、それでもなお、古谷敏が選ばれたのはなぜだったのか。
ココが定説を覆す新説の扉の入口だ。
結果的に、この対談を通し、なぜウルトラマンは古谷敏だったのかを明らかにすることができたと思っている。定説を覆し、新説までたどり着けたのである。その新説の扉の向こうには、新たな物語が始まっていた。
それは演じることに夢を馳せた、ひとりの青年の真摯な成長物語―。(P234)

スーツアクター、古谷敏氏の演技でとりわけ印象的なのは、最終回、ゼットンとの闘いです。
ウルトラマンがゼットンと対峙すると、ゼットンは瞬間移動で目の前から消えます。
そのときウルトラマンは、前傾姿勢からクッと少し体を起こし気味にします。
さらに、必殺のスペシュウム光線がゼットンにはねかえされたとき、クロスしていた両腕を後ろに引き、ピンと伸ばしていた両手を握り気味にする。
そうしたリアクションから、これまでにない強敵を迎え、ウルトラマンの驚きや恐れなどの感情が伝わってきました。
ウルトラマンの顔面自体は動きません。
それなのに、あたかも表情が浮き出ているような印象を受けました。

この流れの中で、古谷敏氏の役者としての表現力により、ウルトラマンは闘うだけのヒーローではないことを感じさせられました。

そうした役者、古谷敏氏は、演技についてつぎのように語っています。
「例えば、通行人Aの役をもらったときに、いくら端役でもボーッと歩くだけではいけない。なぜ自分はその道を歩いているのか、どんな用事を済ませ、どこに向かおうとしているのか。そこまで自ら想像し、通行人Aに命を吹き込まないと演じたことにはならないと言われましてね」
「観客は当然、主演の役者さんたちの動きやセリフに集中しているでしょうけども、彼らのそばを歩く通行人Aが  ”その瞬間を生きている通行人A”  であれば、よりフィルムにリアルさが漂うし、スクリーンや画面が引き締まると教えられていたんですよ。通行人Aのことなんか観ている者は気にしなくても、演じている者が架空の人生を背負い、作品の中で生きていることを実践してみせる―それがとても大事なことなんだよ、と躾けられていたのです」(P115~116)

じつは、古谷敏氏は、
「撮影が始まった当初は正直、ウルトラマンの中に入るのは乗り気ではなくて。冗談じゃない、スーツの中に入って怪獣と戦うなんて役者の仕事じゃないよって思っていました」(P26)

しかし、『ウルトラマン』の脚本を担当していた金城哲夫氏からこう言われます。
「マスクを着けてスーツの中に入り、背中のチャックを閉めた瞬間、古谷敏はウルトラマンという宇宙人になる。だから、敏ちゃんの動きがウルトラマンの動きだし、ウルトラマンの動きは敏ちゃんそのものなんだ」(P58)
この金城哲夫氏の言葉が、役者古谷敏、表現者古谷敏を奮起させ、それと同時に支えにもなったのです。
「金城さんのアドパイスを受けて、自分なりのウルトラマンを作れるんだと、そういうふうに考えられるようにもなりましたね」(P59)

当時は、前例のない巨大スーパーヒーロー役に取り組むだけなく、殺陣師、技斗という役割もついていませんでした。
そのため、格闘においても古谷氏や怪獣役のスーツアクターの方といっしょにつくりあげていきました。

「僕なりに顔が出なくても、ウルトラマンのスーツの中で役者魂らしきものをたぎらせていたのは本当です。(略)戦いひとつひとつに、なぜ怪獣は現れたのか、この怪獣は単に人類を苦しめるためだけに地上に現れたのか、他に目的があるのか、だとしたら、攻撃を受け止める自分(ウルトラマン)はどのように戦えばいいのか。(略)たった3分弱の戦いでしかありませんでしたけど、その3分弱に、僕は演じる者のプライドや心意気といったものを奮い立たせ、本編の脚本を踏まえた上で、もうひとつの自分だけのストーリーを作り上げてから、怪獣との戦いに臨んでいたんです」(P117~118)

こうした古谷氏のクリエイターとしての活動を推進したのは、その背景に『ウルトラマン』の制作現場において醸し出される雰囲気もありました。
そこには、『ウルトラマン』の監修者である特撮の神様、円谷英二の映像に対するかかわり方が色濃く反映しています。
「御大(円谷英二)の作品に対する姿勢とでもいえばいいのかな、要するにロマンが感じられない映像に仕上がっていると、すぐにNG、撮り直しを指示していました」(P30)

ここでもう1回、冒頭に紹介した「おわりに」にの文章からの引用を記します。

結果的に、古谷敏とやくみつるの刺激的な語り合いは『ウルトラマン』の本質を違った角度から掘り起こすことに成功した。その違った角度とは、円谷英二を筆頭に奮闘した制作陣の熱きこだわりだ。やくの巧みな導きにより、古谷の口から語られた当時の制作陣の気骨は胸を熱くさせる。世間や映画関係者の「どうせジャリ番組だろ」という蔑みをはね返すべく、危険な爆発シーンなどに挑み、単なる正義と悪の二元論ではない、ストーリー作りを展開させた。(P236)

『ウルトラマン』が放映されてから、60年が経とうとしています。
怪獣ブーム直撃世代としては、初放映当時の熱狂が心に刻まれています。
そして、今でもなお、『ウルトラマン』は見応えがあるのです。





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Last updated  November 29, 2025 09:05:28 AM
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