Atletico Tokyo~アトレチコ東京~

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2005.01.11
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カテゴリ: Sports Business
フォーラムレポート を1ヶ月前に書いたのだが,実はこのフォーラムには続きがあって,しかし時間の関係で書ききれなかったものがあった。

このイベントでは,これまで書いた通りイングランドのサッカー研究所の所長の話があったが,それが前半であり,後半は著名人4名によるパネルディスカッションであった。そして,このディスカッションこそが残念ながら日本の問題を露呈していた(ように私には強く感じた)。


実名を挙げると,パネリストは元NHKプロデューサーの杉山茂氏,電通の海老塚修氏,著書「プロ野球は崩壊する!」のある大坪正則氏,bjリーグコミッショナー河内敏光氏だった。


杉山氏が司会としてバランスを取って他3名に考えを話してもらう形式だったのだが,ところが3名の考えは殆どが米国の「いいところ」の話ばかり。サラリーキャップ制の話しかり,ファンサービスの話しかり,ハード面の話しかり。彼らの論調は「日本は~~がダメだから米国の××を取り入れなければいけない」というものだった。そして臭いものには蓋をする姿勢…。FAやトレードの盛んな米国ではファンが納得しているのか,という質問を杉山氏が大坪氏に聞いていたのだが,彼はこれから逃げてファンサービスの話に終始してしまっていた。


彼の非常に残念だと思った面は,彼の著書 「プロ野球は崩壊する!」 でもそうであったが,コピー的思想が強いことだ。問題点の指摘や,「選手年俸はもっと引き上げるべきだ」という他と逆を行った考えには新たな視点に感銘を受けたのだが,具体案では上の話のような論調が見受けられると感じた。そういったこともあり,質疑の時間に真っ先に手を上げて,上のファンの感情について指摘させていただいたのだが,結局「確かにその通りだ」という答えと,「やはりそこは難しいところですね」というコメントが出てきた(ちなみに私は大坪氏だけ突っ込んだが,後から私のメモを見てもなんかいろいろ突っ込み所があった。もっともまだこの方々も,私達と同じで考えがまとまっていないということかもしれない)

本当はここでもっと突っ込んだコメントを私がするべきであったのだが(時間を気にして終わりにしてしまったが,かなり後悔),このコメントはこの日のディスカッションで語られたことを否定するものではないかと思った。


私が言いたいのは,1つに,結局は米国式だって完璧なわけがないこと。彼らには彼らの抱える問題点があって,それは何かを凝視しなければならないこと(ここでは論じられなかったが,実際米国のスポーツ市場は縮小に向き始めているのだから)。
もう1つは,日本はあくまで日本のやり方を模索するべきだということ。スポーツを見てもらうために,してもらうために,楽しんでもらうために行っている政策とその成果,問題点を他国から学び,それに対して日本ではどうして行くべきか,この日の4名ならその議論ができたはずだと思うが。



例えばプロ野球の独特の鳴り物応援は,私は世界に誇れるものだと勝手に考えている。米国を見習って鳴り物は止めようという意見も聞くが,でも実際球場へ足を運んで生の応援を聴いたり自分で歌っていると,これを無くすなんてそんなこと口が裂けても言えなくなる(昨年,長年の巨人ファンであるはずの自分は中日の応援に何度も感動してしまった)。あれを聞いてて,何でこういういい面を伸ばそうという話が出てこないのか,と首を傾げてしまった。

話を戻すと,野球ならサラリーキャップ制だろうがウエーバー制だろうが,日本でそのままフィットするとは思えない。それをアレンジして,という具体的な議論が出てきてもいいはずだ(てか,最近ではプロ野球を議論すること自体がもう下火になってしまっているようで。プロ野球問題は12球団が存続した時点で終わりなのだろうか?楽天が頑張れば満足なんだろうか?)。日本は産業的にも加工国として名を馳せて来た。いい所をいろんな国から学び取り,日本流にアレンジして日本として世界に誇れるシステムを作る。最も重要なのは,「よそはよそ,うちはうち」ではないか?





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Last updated  2005.01.12 04:05:53
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真似りゃいいというものではないですね。  
念仏の鉄 さん
こんにちは。このフォーラム、興味はあったんですが都合がつかず行けませんでした。
大坪さんという人には、私も同じ印象を受けます。確か商社でNBAのマーケティング経験がある方だったと思いますが、自分の成功体験を絶対化しすぎているんじゃないでしょうか。

「アメリカのファンは野球を知っている」云々も、神話化されすぎている印象がありますね。確かに盛り上がって楽しい雰囲気ではあるけれど、あの盛り上がり方は、一方ではアメリカ人の幼児性の現れとしか思えない面もあり、日本人が全面的に真似すべきだとまでは思いません。
それに、MLBのスタジアムではオルガン演奏に合わせて観客が声を出すけれど、それはつまり主催者に指図されてわけで、日本の応援団の方が自律性があるとも言える(笑)。少なくとも、スタンドから手を伸ばしてインプレー中のボールを争って掴もうとする連中を見習うべきだとは、私は絶対に認めません(笑)。

日本のプロ野球に改善しなければならない点はたくさんありますが、改革の目的は「日本の野球ファンが喜ぶ野球をやる」「持続可能な経営を実現する」の2点であって、MLBに習うことは、その手段に過ぎない。しかし、手段と目的の区別がついてないんじゃないかと思うような論者が、けっこういますね。 (2005.01.12 11:02:36)

Re:真似りゃいいというものではないですね。(01/11)  
アルヴァロ  さん
>念仏の鉄さん
書き込みが遅れてしまい大変申し訳ありません。


>あの盛り上がり方は、一方ではアメリカ人の幼児性の現れとしか思えない面もあり、日本人が全面的に真似すべきだとまでは思いません。
>それに、MLBのスタジアムではオルガン演奏に合わせて観客が声を出すけれど、それはつまり主催者に指図されてわけで、日本の応援団の方が自律性があるとも言える(笑)

「幼児性」という言葉が私にはなかなか出てこなかったのですが、かなりしっくり来る言葉かもしれませんね。うちの教授も以前言っていましたが、アメリカではこのような「主催者の意図で進んでいった」観戦方式により、近年ではファンが実は減り始めているそうです。
推測も含めて言うと、ファンの参加が受身の観戦のみで終わってしまうと、その先の後方からの支援であったり子供にも野球をやらせようということにつながらない。つまり、ファンがある程度の主体性を持っていることは長い目で見るとすごく大事なのですが、確かに欧州や南米サッカー(行き過ぎもありますが気の荒いファンが練習場で文句を言うとか、買収に抗議するとか、ファンが自分達なりにチームを良くしようと動く)と比べるとアメリカでファンがそのような動きをすることはあまり聞きません。

>手段と目的の区別がついてないんじゃないかと思うような論者が、けっこういますね。
この点、すごく同意です。例えば広瀬一郎氏とか、この辺著書で何度も訴えていて、自分にとって説得力があるのですが、正直TVに出ている評論家の多くはここが?な部分が多いと感じます。 (2005.01.16 23:21:31)

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