10/25(木)
団体フィーバー飲み放題!!
今日は世の中一般に言う給料日。
めっちゃ忙しくなるか、ススキノに客を取られて閑古鳥が鳴くか
そのどちらかである。今日は嬉しい前者の方だったが、
予約もなしに団体14名飲み放題プランが敢行されることに。
ボックスに無理やり8名押し込んで、カウンターに6人詰め込む。
ママ・私・もう1人の女の子。計3名。
全然足りない。
私はボックスに行き、飲み物を作り続けたが、飲む先から空っぽに。
昔、テレビで五つ子ちゃんを育てているお母さんが、ゆりかごを
揺らすのに、両手じゃ足りなくて足まで使っていたけど、
私だって使えるもんなら足だって使いたい気分だった。
しかも相手は天使のようにかわいい赤ちゃんではなく、頭のはげた
おっちゃんだ。たばこも吸うし、歌も入れてあげなきゃいけないし、
チークダンスも踊らなきゃいけない。やれやれ。
そういう時はいつでもそうだけど、目や手にばかり神経が集中して
トークがおもしろくなくなってゆく。しかも早い時間で酒だって飲んで
いないのだ。自分でわかっているので、相槌だけを打っていた。
「水商売100マニュアル」ってもんが存在するのかどうかはわからないが
頭が回らないときは、とにかくお客さんの言うことをオウム返しにしていれば
なんとかなるのだ。「こうなったんだよ!」と言われれば「そうなったんだあ。」
「信じられるか?おまえ」と言われれば「信じられないわあ。」
話なんて全然聞いてなくてもスムーズに時間が経過してゆく。
しかも団体さんは、仕事の話をしたり、そのメンバーだけでしゃべれれば
それはそれで楽しいのだから、こちらはお飲み物作りかかりってことで
パーティーコンパニオンに徹していればいいのだ。
ところがたまに、「お前ホントに聞いてんのか?」と突っ込まれることがある。
相手の言い方が柔らかい場合は「あっスミマセン。バレました?全然聞いて
なかったりしてえ。はははあ。なーんちゃって。」と言っておくと
「お前おもしろいなあ。いっぱい飲め!」ってことになる。
全然おもしろくないのに。普段どんなシーンで笑ってるんだろ?この人。
なんて意地悪なことを考えながら、なんとか飲み物もゲットできてしまう。
団体さんというのは、大抵の場合、会社の普段の立場で役回りが決まって
いることが多く、誰が1番偉い人なのか、2分話を聞けばすぐにわかる。
そして1番偉い人は大蔵大臣でもある。
私は仕事だから、ちやほやするのなんて朝飯前だけど、仕事が終わってからも
付き合わされて気を遣いまくっている若い社員を見ていると、本当にお気の毒
だなあと思う。1番偉い人も、若い頃にはそうだったんだろうけど…
しかし最近の若者は結構しっかりしていて、1番偉い人から3番目くらいに偉い人
が酔いが廻って私たちとばかり話しをするようになってくると、すかさず歌本
を取り、手馴れた手つきでリモコンをパコパコ押して、歌に酔いしれている。
ひどい奴は、よくわからない歌を入れてメロディーを辿って練習している。
終盤になるとまた上司に取られて、ムーディ-な曲ばかり入れられて
チークダンスタイムに突入するのだが…
まあそれはいいんだけど…
お立ち台を作って、私に「ああ無常」を歌わせる
のだけは勘弁して欲しい。
店が壊れるんじゃないかと心配気な、ママの視線が頬に痛いんだからあ。