昼の顔・夜の顔・ホントの顔♪

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水物語10

お辞儀バニー
クラブ時代vol.4~非現実的なお祭り~

今日はイベントのお話。
私がクラブに勤めている間、様々なイベントが繰り広げられた。
1番多かったのは「同伴デー」
これについては、同伴とアフターについて今度書きますのでここでは
割愛します。
それ以外でやったイベントもので、憶えているものは
水着デー・バスローブデー・ウエディングドレスデー・浴衣デー
はっきり言ってコスプレで客を呼ぼうっていう魂胆です。
これじゃキャバクラじゃん!って怒る女の子もいたが、大抵の売れっ子の
お姉さんたちは、結構楽しんで対応していた。

水着デー
夏にやりました。
店内も海をイメージした装飾に変えられ、女の子は全員水着で接客する
というもの。お見送りで外に出たとき、恥ずかしいのが特徴。
私はこれが1番嫌だったので、休もうかとも思ったのだが、
来ることを約束してくるお客さんがやたら多かったので観念した。
フィギアとセーラームーンが大好きなオタクなお客に
「頼むからスクール水着を着てくれ」と言われた時はぞっとしたが
私のお客様はどうもコスプレに憧れている人が多いようで、同伴デー
は尻つぼみなのに、着せ替えイベントは積極的に参加していた。
当時ナンバー1を誇っていたお姉さんは、蛇柄の小さなビキニに
オーガンジーのショールを天の羽衣のように巻いていて、インド人の
ような不思議なポーズで、お客さんに写真を撮らせていた。
ナンバー1も大変だな~と思いつつ、ぷっと吹き出してしまいそうなこと
を真剣にやっている彼女にはいつも感心していた。でもおかしいんだけど。

バスローブデー
これは水着デーと大して変わらないので割愛

ウエディングドレスデー
サブタイトルは「今夜あなたのお嫁さんになります」
恐ろしく趣味の悪いイベントだとは思っていたが、思い返してみると
やはり1番滑稽なイベントだと思う。
これは、その月の指名数トップ10の女の子がウエディングドレスをきて、
森英恵のウエディングドレスショーのように、入り口から、真中に設置
した踊り場まで練り歩くもので、「花魁道中」の現代版みたいな感じだった。
私も、着る機会があったが、普通の服をきている女の子たちが異常に暗いので
何だか気を遣ってしまってちっとも面白くなかった。
やるなら全員でやればいいのに、レンタルドレス料の問題で、こんなケチな
イベントになってしまう。お客さんは嬉しそうだったけど、もう孫のいるような
お客さんは一体どんな気持ちでその女の子を指名するのだろう?
私のお客さんは、皆ドレスを触りたがって、物珍しそうに眺めまわしていた。
こういう時、私は自分を品評されているような気がしたし、事実この商売は
わたしたち事体が商品だった。

浴衣デー
私が1番好きだったイベント。
店内を天の川をイメージした装飾に変え、ガスボンベを持ち込んで、屋台風の
焼きそばを作ったり、綿菓子を作ったり、ヨーヨーつりがあったり。
浴衣デーは小さな非現実的なお祭りだった。
天の川の下でお客さんとお話をしていると、「結ばれぬ二人」という哀愁が
漂い、ロマンチックな気分を掻き立てる。お互いがいつもより優しい気分に
なり、店内の訳の分からない怒鳴り声やゲームで盛り上がる声なんかが小さく
感じてくる。
私は、自分の仕事は
お客様に夢を見させること。
と、いつも思っていたが
本当は私自身が
つかの間の夢を見させられている
のではないのか?とこんな日はつくづく思ったりした。
少なくとも次の席で、横柄なデブおやじに
うなじに鼻づらつけられるまでは
マジきもかった。


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