昼の顔・夜の顔・ホントの顔♪

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水物語32

お辞儀バニー
1/29(火)
父の長い話~私がママになったなら

今夜はママと私の2人だけの夜。暇で店が潰れそうだと騒ぐ
ママの提案で、月曜日と火曜日は女の子とママの2人でやること
になったからだ。
私に魅力がないのか、ママに力がないのか、たまたまそうなるのか、
真意のほどはわからないけれど、火曜日は時々恐ろしく暇になることがある。
出勤前に実家に寄って、久しぶりに父親に顔を合わすと、彼は仕事の
ことが話したくてたまらなかったようで、私が店に行こうとしているのに
話し終わる気配がなかった。
無視して立ち上がると、
「俺も一緒に行く」と言い出すありさま。
「腹減ったからメシ食ってから行くわ」と言い妹を連れて出掛けた。
父親が店に来ると、大抵忙しくなるので、助かったなと思いながら
出勤すると、父親の前に現れたのは、常連さん1名のみ。
父親が来ても、ママと私、お客さん、父親。この4人のみで3時間が経過。
いつもはたくさんお客を呼ぶジンンクスを持つ父親も、今日は暇なので、
自分の話がたくさんできて嬉しそうだった。
常連さんは、父親のことをよく知っているので、上手に合わせてくれて
大変助かった。どうして彼は娘の働く店に飲みに来たりするのだろう?
いつもいつも不思議に思う。
「いや~俺なんてさ、よく○○#*?△■%@…」
父親の御饒舌は止まらず帰るタイミングを失った常連さんが困った様子が
わからないように気を遣いながら、一生懸命相槌を打っている。
結局店が終わるまでずーっとしゃべりまくって帰っていった。
よくあれだけしゃべることができるもんだ。我父ながら若いと思う。

「このあたりで、お前が店を持つって行ったらいくらぐらい必要なんだろうな?」
へっ???
「さあ。最低でも300万はいるんじゃない?色々あって500もあれば相当
 立派な店を持てるんじゃないかしら?」
ツラっと流すと
俺頑張って、お前に店持たせてやるからな
と言われたことがある。
一見ありがたい言葉のようだけど、どういうことなんだろう?
私を経営者にして一生水商売をやらせる気なのか??
「お父さん、こないだ出戻ったばかりでこんなこと言うのもなんなんだけど
 私だって、再婚したいし、普通の幸せな家庭築きたいんですけど…」
ぶわっはははははははは。
お前も男にはいい加減懲りて、1人でやってくこと考えた方が絶対いいよ!
お前は絶対「商売」に向いているから。大丈夫だ。きっと流行る。

ちょっといい気分になったので聞いてみた。
「どんなところが商売に向いてると思う??」
まず、冷たいところ。金勘定にシビアなところ。
「ちょっと!!何よそれ!冷たいんじゃダメじゃん!!」
「嫌、いいんだよ。情に流される女では、いずれ客を失うから。お前のように
 坦々とやって、どうにもならなくなったらスパっと切るいさぎよさがあった
 方が、こういうものはうまくいくもんなんだ。」
あっそ…
私はついでにもうひとつ質問してみた
 「どうして、付き合う男とはいつもうまくいかなくなっちゃうのかしら?」

「…………。」

ちょっと!なんで突然口篭もるのよ!失礼しちゃうわ!!!




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