水物語39
セックスは山火事みたいに無料がいい！！
風俗評論家のようなお客さんと最近の風俗事情の話をした。
私はクラブ時代、たくさんのお客さんや、実際に勤めたことがある
女の子から色々聞いていたから、
ピンサロ・ヘルス・ソープの違いは知っている。
それぞれに良さと欠点があり、熱く語り止らないお客様。
お金を払ってセックスをするのって
私にはよくわからない。
別にそれが悪いことだとは思わない。
村上春樹先生も言っていたけれど、それは趣味の問題のような気がする。
私は、お客さんと酔っ払ってお金を頂戴する仕事をしている。
それはそれでよくよく考えたら変な仕事だ。
でも、趣味の問題かどうかはわからないけれど、その行為は私にとって
すごくしっくりしている。
擬似恋愛。恋人ごっこ。
大人と大人が、切ない恋を思い出すようなひとときって私は好きだ。
でもしかし、セックスは私にとって無料じゃないとなんだか変な気がする。
皆さんはこう思われるかもしれない。
そんなこと言ったって、セックスしたいがために
うまいもの食わせたり、プレゼント買ってあげたり、
軍資金を使ってるんだから、へたな店にいくよりよっぽど金がかかる。
一見無料のように感じる奥さんにだって、生活費という形で
金を払っているではないかと。
そう言われると、その通り。返す言葉がない。
この世は複雑になったからお金がかかるのだろうか？
朝起きて、畑をたがやし、自給自足で金をかけずにセックスして眠るのって
実はすごく素敵なことなのかもしれない。
というか理想なのかもしれない。
そんなこと考えたことありますか？
私は、細かいことはさておき、
男と女が寄り添う時、
お金のことを忘れたい。
というか見返りの全てを忘れたい。
そうでなくては困るのだ。
私のように、恋愛ごっこでお金をもらっている女は
どこからが本当の恋愛で、どこからが現実なのか
たまに本当にわからなくなるから。
好きだとか愛してるとか、一時の感情に任せて
燃え上がることもあるかもしれない。
うまく言えないけれど
雨降りの朝に
冷たいベッドの中で憂鬱に目が覚める時
隣に眠っている
無料の人の寝息に安心したい。
そんな感じ。
セックスは山火事みたいに無料がいい。
この考えはきっと死ぬまで変わらない。
風俗好きのお客様。
あなたはあなたのセックスを楽しんで。
そこには私の知らない輝きがあるのかもしれない。
