結婚式
青い空。
飛んだブーケの白い軌道。
その先にあなたの笑顔にぶつかって。
ついじーっと見つめたら、驚いた顔をして
あなたと私は緊張の時の中で
この刹那
同じ気持ち
エレベーター
チンといういつもの音に、顔をあげて正面を見つめる。
同時に開いた対面から
降りてきた君。
「今帰り?偶然だね」
駅までの道すがら
ここぞとばかりに
僕は君を質問攻めにする。
時々首をかしげながら僕を見つめる君の視線。
左頬に感じたら、
僕もすかさず顔を傾けるのに
何故にぶつからぬ二人の視線。
並んで歩くのは
こんなにこんなに嬉しいのに
こんなにこんなに不安になる。
君も同じ気持ちなの?
あなたは気難しい人だと聞いていたから、
そそうのないようにと
緊張したら
声がひっくり返っちゃった。
息を殺して笑うあなた。
ちっとも気難しくはないけれど
とっても意地悪な人なのね。
恥ずかしがるとわざと顔を覗き込むから
私はずっと恥ずかしがってばかりなの