そしてこの日一発目のアクトであるWHITE ASHを観にRAINBOWステージへ。初見だったけど、結論から言うと非常にカッコよかった。vo.が途中のMCでも言ってたけど、もともと軽音でARCTIC MONKEYSのコピーバンドからスタートしたらしく(ということでこの日のヘッドライナーがアクモンであることに感動していた)、スピードもメロディもそれなりにある楽曲で、ブリットポップ系はあまり興味がないボクでも非常に楽しめた。楽器隊の演奏も安定感がありよかったんだけど、Vo.の声になんとも言えない味があるね。曲は1曲も知らなかった(モード学園のCMソングを聞いたことがあった程度)けど、今後チェックしてみたいと充分に思わせるバンドだった。毎年新しいバンドに出会えるのもフェスの醍醐味だけど、初日の朝イチからいきなり活きのいいバンドに当たり、気分が良かった。 お次はTOKIO。約10,000人収容のRAINBOWステージはほぼ満員に。ボクはジャニーズに関する興味はほとんどないんだけど、多くの有名ミュージシャンが楽曲提供していることもあり、ジャニーズの曲にはいい曲が結構あるとの話はよく聞く。(だから聞いてみるという流れにはまだ至ってないけど)。TOKIOに関しても宙船とかBe Ambitiousとか、一部の超有名曲を聞いたことがある程度の認識だけど、まずもってジャニーズをフェスに登場させた英断にも拍手を送りたいし、一応バンドとしてやっているTOKIOというのがいいチョイスであったような気がする。長瀬ってメタルファンなんですよね。当然ながらボクレベルでは、話題作りのために観てみるという理由が非常に大きかったのは事実だけど。で、ライヴ。しょっぱなに宙船~Be Ambitiousというまさにボクが「これぐらいしかしらない」という曲を連発してきた。当然他の客にも十分浸透している曲であり、大いに盛り上がる。演奏に関しては、他のバンドが当然音楽一本でやっている人たちばかりと考えると、どうしてもたどたどしい感は感じてしまったけど、それでもステージ映えする5人だから、観ていて非常に楽しい。特にba.の山口達也の佇まいが気に入った。とは言いつつもやはりメンバーはもう40歳前後ばかり。特に長瀬は曲間ではかなりきつそうな感じだった。トークも長瀬が中心だったけど、これもなんとなくたどたどしい感(初々しい感と言ってもいいか)を感じた。こんだけテレビで活躍して、ファンとの距離感みたいなものはしっかり分かってそうな人たちですら、こういう場所はきっと慣れない部分があるのかな。とも邪推してしまったり。そんなこんなで何曲か披露し、最後に持ってきたのは彼らのデビュー曲Love You Only。紹介した時の歓声はこの日一番だったね。しょっぱなとラストに誰でも知っている曲をもってくるという王道のセットリストで見事に盛り上げてくれた。途中のメンバー紹介で国分が「なんかいろんなことやりすぎて自分でも何やってるかよくわからないけど、音楽やってるときが一番楽しいです!」と言っていましたが、数あるレギュラー番組をこなした上で、音楽活動もやるというのは相当な激務だと思うよ。余談だけど先日SMAPの27時間テレビを観た時も同じようなことを感じた。お疲れ様TOKIO。
ということで話題づくりもしたところでしばしの休憩。ちょうど昼時ということもあり、屋台はどこも大盛況。最近のフェス飯はどんどん充実度も増してきているようだが、基本的に食にあまり関心のない人間なので、一番空いている店を探すと、南蛮チキンカレーの店が割と空いていた。空いている店とは言え、ボリュームも満点で大満足。 ちなみに話は少し逸れるけど、フェスの毎年の楽しみの一つにTシャツチェックがある。いろんな人が思い思いの格好をしているけど、やはり音楽フェスだから、サマソニTシャツや出演バンドのTシャツを着てくるのは王道。そんな中、なかなかお目にかかれないTシャツを着ている人も結構いる。そんな思わず唸ってしまうようなTシャツを着ている人を毎年探している。ということで今年見かけて笑ったのは、中日平田のTシャツ、しかも背番号が40のヤツ。なぜ中日!なぜ平田!!なぜ40!!!あと2日目にはDANGER DANGERの25TH AnniversaryのTシャツを着てたおばちゃんもいたな。日本に来るのは来月だから、既に海外で観て入手したのか知らんが凄いことだわ。ちなみにボクは初日が昨年のKISS公演のKISS ARMY JAPANのTシャツ、2日目がDeviluseの7分丈Tシャツだった。普通ですいません。ただ2日目には阪神タイガースのフード付きマフラータオルを着用し、お祭り感をアピールした(何のアピールだか分かりませんが)。誰ともかぶらないようなチョイスにしつつも、お祭りなんでこんな時しか着れないものがいい、ただ奇抜すぎるデザインは外したい、というようなある程度のバランス感覚が重要よね。以上ピーコのファッションコーナーでした。
本編に戻ります。MOUNTAINステージへ行くと、Fear, and Loathing in Las Vegasが演奏中。このバンドはもはやフェスの常連なので、ボクも何回か観ているんだけど、どうもこのバンド、vo.のキャーキャーわめいてる感が拭えない。音楽的にはデスコアにも通じるような感じもありつつも、特徴的な電子ヴォイス(あれ正式名称なんて言うんですかね)との併用によりスペーシーな感じも出しているといった所かね。毎年着実にステップアップしているので今後も更にデカいバンドになっていく可能性は充分にあるけど、ボクはどうしてもまだとっつきにくい。 ということでLAS VEGASが終了し、ステージの前の方へ向かう。昨年のボクのベストアクトと言ってもいいであろうBABYMETALを観るためだ。以前の武道館でのライヴレポにも書いたが、BABYMETALにハマったのがまさに1年前のサマソニ。何かとんでもないものを観たような得も言われぬ感覚に陥ってから早1年、彼女たちは一まわりどころではないほどの成長を遂げた。ラウドパーク出演から、武道館公演、さらには海外のメタルフェスのメインステージまで経験してしまった。アイドル好きにメタルファンも巻き込んで瞬く間にとんでもない存在にまで成長した彼女達の今を観るべく、その時を待った。開演前の神バンドの音合わせからして毎回カッコよくて仕方がない。そして会場が暗転。2万人収容のMOUNTAINステージがかなり埋まっている。昨年の興味本位的な雰囲気とは期待度が明らかに違う。いつもの紙芝居が流れ、Baby Metal Deathが始まる。なくてはならない挨拶ソング。Death! Death! Death!の叫び声が会場全体を覆い尽くす。そして炸裂したのは“ギミチョコ”。ボクの場所はそこまで前方でもなかったので、ボクの周りはそこまで曲を知っている人ばかりではなかったが、ズッキュン!ドッキュン!の野太い声はここまで聞こえてきた。まぁそれにしても彼女達の安定感というか、若さがなせる業だとは思うが、今回もキレッキレだ。SU-METALの、時に恐ろしいまでに鋭い眼は、もはや10代の少女とは思えない。何曲目かで彼女がマイクを指差し、音を下げるように下手(しもて)に指示を出した瞬間があった。この瞬間の表情は完全なるプロフェッショナルなアーティストのそれであった。曲はそこからメギツネ~Catch Me If You Can~ヘドバンギャー~ドキドキモーニングと続く。途中の紙芝居では遂に今回MEGADETHとの共演を果たし、BIG 4が制覇されたこと、更に今後ロンドン、ニューヨークでの公演があることが発表された。紙芝居は今までよりコミカルな要素が減ったのか、狙っていたがウケなかったのかは微妙だが、間に3回くらい入ったので、少し多すぎる感じもした。そして最後のイジメ・ダメ・ゼッタイのイントロが始まると、前からググっと波が押し寄せる。そうWall Of Deathの準備だ。前の方がどうなっていたのか見えなかったが、かなり戻されたので相当広いスペースができていたと思われる。そのうち死人が出るなこりゃ。ま、Wall Of Deathだから言葉の通りだけど。ただ戻された割にはファストパートが始まってもその位置から戻れなかったことを考えると、変な感じになっちゃったのかも。いつも思うが、こういうフェスでのモッシュはグダグダになることが多い。とにもかくにも、彼女達は最後まで全く衰えないダンスと歌で持ち時間の40分を突っ走った。何回観ても飽きない。こう思ってしまっている時点でもう完全に虜である。末恐ろしい10代がまたサマソニに爪痕を残した。 さて、このままベビメタがベストアクトになるかなぁとの思いを抱きつつ、とりあえず観てみようと思っていた浜田麻里を観にRAINBOWステージに移動したのだが、そこには大きな衝撃が待っていた。そもそもこの人のことは以前から元祖メタルクイーンということで名前だけは聞いたことがあった。ただ実際ボクはジャパメタには入り込まなかったし、時代的な部分もあって、今回まで曲もほとんど知らないような状態だった。そして、この時目の前で展開されたステージは、今まで観てこなかったことを完全に後悔させるような内容だった。まあ衣装が水色のドレスであることとかはどうでもいい(むしろ昭和感が出てしまうのでマイナス)として、その歌唱力は、今まで観てきたどんなヴォーカルのハイトーンよりも凄まじいものだったと言っても過言ではない。恐らくもう50近いのだと思うが、見た目もそんなに老けてないし、ヴィブラートをふんだんにちりばめながらのハイトーンにはとてつもないパワーがある。更に曲もメタリックなハードチューンばかりであり、バックバンドも技巧派ぞろい。ALDIOUS等のガールズメタルが盛り上がっている昨今、この人の存在がもっと注目されるべきだと心の底から思った(ボクが知らないだけで既に注目されてたらすいません)。なんとなく思ったのだが、どうしても「浜田麻里」という名前は使わなきゃならないのかね。バンド名にした方が俄然とっつきやすいと思うのだが。または小野正利みたいに、有名なバンドのヴォーカルとして加入するとかいうのは本人のプライドが許さないのかな。まぁとにかくベビメタの存在を一瞬にして吹き飛ばすほどの強力なライヴを目撃することができてラッキーだった。これだけ書いたらもう分かるとは思うけど、この日のベストアクト。 お次はCHTHONICを観る予定だったけど、朝からずっと気になってることがひとつ。それは「日本エレキテル連合」。言わずと知れた“ダメよー、ダメダメ”で人気爆発中のコンビがこの日Side Showに出る。CHTHONICを途中で抜ければ観ることができる、ということで、CHTHONICは1曲のみで退場。このバンド、個人的にはそこまで思い入れはないものの、どんどん成長しているバンドで、1曲見ただけでもその評判に違わない貫録を感じました。また観る機会はあると思うのでそそくさと退場。 で、Side Showに移動し、地球(つまらん)、こりゃめでてーな(つまらん)、が終わったあとに登場した日本エレキテル連合。当然こちらはあのコントを期待していたんだけど、違うネタだったんでちょっとがっかり。でもあのシュールな雰囲気はこっちの方が上だとも言える病気の作家と看病する少女のネタ。エロスと狂気が全編に亘って行ったり来たりして、なんとも言えない不思議な感覚に襲われる。コントというより演劇を観てるような感じ。来年はいるか分からないし、とりあえず観られてよかったわ。 で、そこからMEGADETHに飛ぶ。本日のボクのメインアクト。相当久々だよね。CountdownとかRust in Peaceの完全再現も結局日本では披露されずじまいだったので今回を楽しみにしていた。オープニングにもしっかりした映像が流れ、大佐の登場。Hangar 18で一気にテンションが上がる。その後もWake Up DeadやIn A Darkest Hourと名曲が続く。で、演奏自体は若いメンバーもいるのでパワフルなんだけど、どうも気になるのが大佐のヴォーカル。ちょいちょい聞こえない時もあるし、なんか勢いがないというか。エッジがないというか、要は、衰えたんだろうね。たまたまこの日が調子が悪かったのかどうかは不明だけど。でも機嫌はすこぶるいいようで、カメラに向かってサービスしたり、感謝の言葉を何度も口にしたりでよかった。そんなヴォーカルを抜きにすれば、選曲はベストに近いもので、個人的に聴きたかったTornado of Soulsまでやってくれたし。She-Wolfとか久々に聴いたし、Trustも悪くなかった。そして後半はSweating Bullets、Symphony of Destruction、Peace SellsからHoly Wars…と、鉄壁の布陣。ちっちゃかったけど、EddieばりにVic Rattleheadも登場し会場を沸かせた。途中に何回か使われた映画の映像は、「MEGADETH」という表現が使われている映画をピックアップしたってことなのかね。それを含め各曲のバックの映像もそれなりに力入ってたね。最後は写真も撮ってステージをあとにした大佐。やはり近いうちの単独公演を期待してしまうね。ところで、Hangar 18の後半の演奏部分と、Symphony of Destructionのイントロで“メガデス!”と叫ぶのは邪道なのかね。なんかのライヴ映像で観たんだけど、この日はボクの周りはほとんどやってなかった。ま、自分が楽しかったからどうでもいいか。 で、AVENGED SEVENFOLDに飛ぶ。観られたのは最後の2曲だけ。 豪華なステージセットを持ってくるとの触れ込みの割にはフツーでまずがっかりしたんだけど、それなりにカッコよかったかな。まぁその判断も正確にはできないぐらいしか観てないんだけど。終盤だったからM Shadowsのモヒカンの髪型が崩れてワカメが頭にのっかってるみたいになってたのが気になったくらいしか印象がない。レビューを見る限り、評価もそれなりによかったみたいで、いいんじゃないでしょうか。 ということで、MIDNIGHT SONICのANTEMASQUEは気になってはいたんだけど、もう歳なので翌日のことも考えて帰ることにした。
しばらくするとTIME FLIESが始まる。全く知らずに観たけど、打ち込みとvo.の2人編成で、EDMっていうのかこういうのは。それなりのアッパーチューンが続くも、全然面白くない。日本語の単語が書かれた紙を見ながら即興でラップするという試みもあったが、ほとんど聴きとれず(“かき氷食べたい”ってのがかろうじて聴きとれた)全然面白くない。この日はほぼ一日中スタンドから観戦することにしたので、まだ空いている席のどの場所が一番いいかを考えていた。 終了後はBEACHステージに移動し、RIZEのJesseのバンド、THE BONEZを観る。曲はほとんど知らなかったけど、カッコよかったね。じっくり聴いてるとたまに“この曲はあのバンドの感じに似てるな”ってのが出てきちゃうんだけど、声の質とか、まくしたてる感じとか、ステージアクションとか、MCとかがいちいちカッコいい。MCを“ですます調で”でやるのが、逆に凄味がきいてて気に入った。“思いっきりやりたいことやろうぜ!”じゃなくて“やったらいいんじゃないでしょうか!”みたいな。完全に個人的な感覚ですが。とにかくJesseはそんな感じの語り口が多かった。演奏もものすごくタイトで、BEACHステージを見事に爆発させていた。 ということでひとしきり楽しんでBEACHステージを後にし、ここからはずっとMARINEステージに滞在すべくスタジアムへ。それなりに前の方の席を確保し、居座ることにする。その時はLITTLE MIXが演奏中。4人か5人の女性ダンスグループ。全く知りません。スパイスガールズみたいなもんか。男性も何人かおり、ちょいちょいダンスで絡みながらダンスチューンをやっていた。なにも響くものはなかったが、夏にはもってこいの音楽なので若者たちは盛り上がってた。 次は木村カエラ。saku sakuの時は結構好きで見てたし、アルバムも最初の頃の数枚は買ってた。あの時のブームは凄かったけど、最近はなんかロックっぽくない感じになったイメージがあってチェックしてなかった。ただライヴを観たことはなかったので楽しみにしていた。ボクの大好きなマスタッシュを本人登場前のバンドの音合わせでやってしまうというがっかりな前段がありつつ、ライヴはいきなりのButterflyでスタートしたが、予想以上に動く動く。くるくる回ったりジャンプしたり。子育期間のパワーを発散させてるような躍動感。まあ本人も言ってたけど、彼女はプライヴェーとで来るほどのサマソニファンだし、個人的には好印象。ヒット曲のリルラリルハやデビューアルバムからのYou know you love me?とかやって、最後はMagic Muicで締め。MCもコンパクトにまとまってたし、声も結構出てたし、充分楽しめた。まぁそれにしてもマスタッシュはやって欲しかったけどね。 さあお次はDREAMS COME TRUE。今年のサプライズアクトのひとつ。昨日のTOKIO同様個人的には話題作りとしての観戦以外の何物でもなかったが、結論から言うと、見事にやられました。よかったわ~。まあそれは多分に吉田美和の圧倒的な歌唱力を含む存在感があるんだけれども、ダンスチームはLITTLE MIXのより断然キレキレだったし、当然ながら聴いたことのある曲はいっぱい持ってるわけで、やっぱり売れてるバンドにはそれなりの理由があるってことが確認できた。吉田美和のブリッ子ギリギリの線でとどまる“あのね、~がね、~でね”の泣きそうな喋り方も面白かったね。あれ絶対わざとだよな。Love Love Loveとか決戦は金曜日とかやって、最後は何度でもで締め。まさにサマソニでしかない機会を存分に活用させてもらった。 次はRICHIE SAMBORA with ORIANTHI。登場前にMCのサッシャが、2人が付き合ってることをゲロッて、知らなかったのでびっくりした。何歳差だよ。そんなRichie、まずはアカペラで登場し、いきなりのLay Your Hands On Me。当然BON JOVIヴァージョンよりは落ち着いた感じのアレンジだが、いきなりのBON JOVIチューンに大興奮。結局この日は、It’s My Lifeのさわりも含め、I’ll Be There For You, Livin’ On A Prayer, Wanted Dead Or Aliveと、大サービスだった。一番聴きたかったThese Daysはやってくれなかったけど。ソロ曲のNowadaysもBurn That Candle Downものりやすい曲でよかったし、ORIANTHIと時折寄り添いながらのアツアツぶりを発揮しつつも、二人のギターバトルはそれなりに見応えがあった。ソロということで、爆発的な盛り上がりをみせることはなかったが、こちらも貴重な経験ができた。だからさっさとJonと仲直りしてBON JOVIに戻ってちょ~だい。あ、そう言えば大阪ではさんぼらおおさかシャツを着てたみたいだけど、この日はLivin' On A Prayerの時に巨人の村田のユニフォームとキャップをかぶってました。前述の通り今回ボクはタイガースタオルを持参しての参戦。まさかロッテの球場で巨人対阪神が実現するとは思わなかったね。 いよいよトリ前。AVIRIL LAVIGNE。前回は3年くらい前のMOUNTAINステージだったか。既に完全に世界を代表するアーティストになっていたが、それなりに歳もとってきたので、ライヴはどんなもんじゃろと思って観たら、むちゃくちゃパワフルで驚いた、という印象があった。今回はいきなり太鼓隊を並べてHello Kittyが始まった。フリフリのスカートを穿いK K K KAWAII!と歌えてしまう存在はなかなかいないわ。そっからは限られた時間で見事なまでのBest of AVRILのセットだった。GirlfriendからWhat The Hellから、ComplicatedからSk8ter Boiまで。Joan Jettカヴァーメドレーも入れてくれたし、文句のつけようがないわ。声もまだまだ充分出てたんで問題なし。2002年のデビューから10年以上経った今もまだこのポジションにいるんだから凄いわな。今後どんな形での成長を見せるかも楽しみだが、現状安定したライヴを見せられる状態にいることに安心した。 さて、2日間の祭典もいよいよ最後。この大トリレポをどう書くべきか、ここにきて少し考え始めてる。それ程までにいろんな想いが巡ったQUEEN + Adam Lambertのライヴだった。オープニングの幕がNow I'm Hereのブレイクパートで降り、メンバーが姿を現した時には正直こみ上げるものはそこまで大きくなかった。その後、今までCDでしか聴いたことがなかった楽曲が、若き英雄Adam Lambertによって蘇っていく様も、盛り上がりこそすれ、心の中は冷静だった。“伝説を観るというのは案外こんなものなのかも”と昨年BLACK SABBATHを目の当たりにした時の感覚に近いものがあった。しかしBrian Mayの弾き語りによるTeo Toriatte~Love of My Lifeの流れでステージ後ろの画面にFreddieの姿が現れた時、その冷静な感覚は一気に破壊された。哀愁を帯びた美しいメロディにのる歌声がFreddieのそれに変わった時、リアルタイムでの体験をしていないボクにでさえ、いかにFreddieが偉大なアーティストであり、現在のQUEENが変わらず彼への強い想いを抱き続けているかが伝わってきた。そしてそこには日本人への愛も充分に感じられた。涙が、流れた。Adam Lambertは、モノマネをするわけでも、個性を出しまくるわけでもない、聴いていて全く違和感のないバランスで歌い上げていた。ボクの考えうる限りの例えで言えば、SLASHのバンドにおけるMyles Kennedyのような自然さかなと思う。中盤でのこの盛り上がりがあったあともFreddieの映像は度々現れ、見事にバンドとシンクロしていた。こういうのは現代の技術のなせる業だね。確かにこの日はKeep Yourself AliveもTie Your Mother DownもThe Show Must Go Onもなかった。でも限られた時間で全てを演奏することは不可能だ。可能な限りの選曲をしてくれたと思う。当たり前だけど、QUEENには名曲が多すぎるのだ。そして、究極のクライマックスはやってきた。。。 当然最後の2曲がWe Will Rock You~We Are The Championsであることは知っていた。ただ、実際に、このよく晴れた夜空の下の巨大なステージで、観客全員が手を挙げながら熱唱する様をスタンドから観てしまうと、この究極の2曲の凄さが改めて心に響いた。ロックしてチャンピンオンになるんだよ。ロックファンにとってこれ以上の存在があるわけがない。そして、大阪の人には申し訳ないが、やはり東京は2日目がQUEENであったこと、つまり今年のサマソニをこれで締めたことがまた更に美しかった。そしてGod Save The Queenが流れる中打ち上がる無数の花火。この時ボクは、今後こんなに素晴らしいクライマックスのライヴを観ることは恐らく2度とないであろうと思った。それほどまでにこのクライマックスの流れは完ぺきだった。当然ながら、時間的にはまだ観れたであろうKRAFTWERKもPIXIESも観ることはなく、余韻を楽しみながら家路についた(とかカッコよく書いてはいるけど帰りの京葉線の檄混みは疲れを増幅させたけどね)。
ということでこの日のベスト3アクトは、QUEEN、DREAMS COME TRUE、THE BONEZ
とにかく今年のサマソニは特別なものになった。QUEENとAdam Lambertが特別にしてくれた。毎回楽しさばかりが先を行くサマソニだし、それはそれで何の問題もないんだけど、今年のこの感覚は、久々に特別なものだった。ありがとうQUEEN。そしてもちろん、この2日間を共有した全てのバンド、ファン、スタッフにも心からの感謝を言いたい。Thank you for all the bands, fans and staff. See ya next year! SUMMERSONIC ROCKS!!
§ぽっぷびぃと§
手を取り合ってこのまま行こう、愛する人よ、静かな宵に、光を灯し、愛しき教えを抱き “Teo Toriatte” by QUEEN