she says... but who's reading?

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PUNKSPRING 14 @Makuhari Messe




さすがにこれだけ長くなってくると重なるバンドも多いけど、それなりにそうそうたるメンツだなと思う。フェスでの楽しみのひとつである新しい発見というのがいっぱいあった。PLAIN WHITE T’S, SUICIDAL TENDENCIES, FACE TO FACE, DESCENDENTS, クロマニヨンズ等々。そういう意味でもこのフェスは非常に思い出深い。歴史を経てくると特にそう思う。

で、今年。最大のお目当てはBAD RELIGIONだ。このバンドは大学ぐらいの時にハマってからずっと好きなバンド。メタル一辺倒だったボクがメロコア系にも走るきっかけとなってくれたのがこのバンドだと思う。アルバムとしてはStranger than Fictionから入って、Recipe for Hate, Against the Grain, The Gray Race, The Process of Beliefあたりをよく聴いた。このバンドのOozingと呼ばれる独特のハーモニーと哀愁漂うメロディ。そして哲学博士でもあるヴォーカルGreg Graffinの知的でありながら皮肉たっぷりの歌詞。キャリア30年以上のベテランでありながら今なおトップランナーでありつづける彼らには尊敬の念すら抱いている。
更に今回単独公演も観たTHE HIVES。彼らに対して思いは先日のブログで確認してもらいたいが、このバンドに対する思い入れも強い。
残りの海外勢については上記の2バンドほどの知っているわけではないが、ME FIRSTの(いい意味での)バカっぷりは以前のパンスプでも体験しているし、SNUFFがリスペクトを集めるベテランであること程度は知っている。CHIODOSはむしろエモ系(って表現も最近は廃れたか)に属する感じもするが聞いてはいた。RADKEYについては全く知識なし。
で、邦楽勢についても興味深いラインナップが揃っていたと思う。フェスの常連ばかりではあったが、今まではそこまで注目して観ていなかったので、これを機会にしっかり観たいと思っていたバンドばかり。それはSiMしかりcoldrainしかりTOTALFATしかり。その中でも別格はやはりMAN WITH A MISSION。このバンドは単純にボクがいつも聞いているバンドと比較してもかっこいいと思っている。出演する度にどんどんデカいバンドになっているのもすごいと思う。あとはTHE BAWDIES。出演するまで名前を聞いたことがある程度のバンドだったが、予習に際し聞いてみるとこれがまたかっこいい。本格的なガレージロックンロールバンドだしスケールも洋楽を意識している感じだ。こういうバンドはえてしてライヴが凄いはずなので、非常に楽しみにしていた。

そんなこんなな今年のパンクスプリング。会場の海浜幕張に到着したのが9時半くらいだったかな。またこの海浜幕張駅の雰囲気が前回のサマソニの時から結構変わっていて、綺麗なお店がいっぱい並んでいた。
毎回思うがパンスプが開かれるこの3月最後か4月最初の土、日は、プロ野球も開幕していたり(言うまでもないが海浜幕張駅はQVCフィールドを本拠地とする千葉ロッテマリーンズの最寄り駅)、更には入社式が開かれたりする場合もあり、野球小僧と、パンクキッズと、新入社員がごちゃまぜになるというケイオス感が最高の時期である。この日は野球は開催されていなかったが至る所にロッテのポスターが貼りまくってあり、野球好きのボクとしてはそれだけで結構興奮するのである。

開場は11時ということでとりあえずオフィシャルグッズを購入すべく列に並ぶ。30分ほど並んで、購入エリアに入ることができた。エリア内では多くの人は国内バンドのTシャツかオフィシャルTシャツに並んでおり、ボクが目当てだったBAD RELIGIONのTシャツにはほとんど並んでおらずさくっと購入できた。まぁこの日は恒例のTシャツチェックも常にしていたが、SiMやMWAM、coldrainあたりの国内バンドとパンスプオフィのTシャツが非常に多い印象だった。あとは(ボクも好きだけど)ファッションブランドのDEVILUSEのTシャツも結構いたね。毎回フェスには販売所を設けているし、かなり浸透してきたイメージがある。その中に混じってIN FLAMES, ARCH ENEMYあたりのTシャツを着ていた猛者には拍手を送りたい。ということでTシャツ購入後は入場待機列へ。

オープニングを務めたのはBUZZ THE BEARSというバンド。名前だけは聞いたことがあったが、生で観るのは(多分)初めて。こうやって日にちが経ってしまうと特に、ほとんど印象に残っていない。王道のメロコアだった気がする。数年経ってそれなりの地位を確立していた時には、「あん時観たバンドか~」って言えるようになっていると素晴しいですね。

次のBLUE ENCOUNTもあまり印象はない。最近は小さいハコは満員にしているバンドのよう。オープニングの叙情的な感じにおっ!となったけど、そのあとMCが長かったりして興醒めだった

続いてはTOTALFAT。もはやこういったフェスの常連になりつつあるね。毎回ダサい服(恐らくあえてなのでしょう。今回は米国国旗の柄のスパッツみたいなのを着てた)のギターがメタラーっぽくて気にはなっていたものの、音楽的にはそこまで引っかかるものはない。毎回ヴォーカルのMCが熱くて、刺さりはしないまでも好感は持てる感じではあるので、引き続きがんばっていただきたい。

洋バンの1発目はRADKEY。全く知らないバンドでしたが、MCのサッシャによると、日本大好きで、School of Rockの映画を観てバンドを始めたとのこと。で、黒人系の3ピースバンドで、それなりにパンクでポップなバンドでしたが、こちらもまた印象にほとんど残っていなく、ドラムが悟空の亀Tシャツを着ていて、最後に全員でかめはめ派のポーズをしたことぐらいしか覚えてません。

dustbox。このバンドは何回か観た記憶があり、やはり印象的だったのはSKID ROWのI Remember Youのカヴァーをやったこと。で、今回久々にまた観た気がするのだが、王道中の王道でカッコ良かった!バンド歴も長くなったりしてくるとだいたい音楽性の変化を求めがちだけど、少なくともライヴにおいてこのバンドはひたすら突っ走りまくっていて、それがすごく良かった

CHIODOSは前にアルバムを買った記憶はあるものの、観るのは今回が初めて。キーボードプレーヤーもいてプログレ的要素も入ったエモ(このジャンルってもう死語かね)って印象だった。演奏もうまいのでそれなりにファンはついているであろう。

SiM このバンドは何回か観てる。ヴィジュアル的な部分も含め、最近の台頭は著しい感覚を持っている。実際会場でのTシャツ率もすごく高かった。このバンドに関連のあるバンドとしてイギリスのSKINDREDというバンドがいる。今月来日公演も控えているバンドだが、彼らのやっている音楽がRagametalというレゲエとメタルのミクスチャーのような音楽。で、SiMは彼らを非常にリスペクトしており、音楽性も似たような部分がある。そして日本公演には必ず帯同(もはや彼らの方がビッグなのでSKINDREDの方がサポートに回る場合もあるが)している。話が逸れたが、要はボクはSKINDREDが大好きなので、当然SiMも。。。という流れになればいいのだがそうもならないのが面白い所。彼らのビジュアル的な毒々しさはけっこういいと思うのだが、どうも音楽が入ってこない。まあアルバムをじっくり聞いたことがないので、そこはしょうがないとは言え、ライヴで伝わってこないってことは、まぁ、あんまりなんだろう。今回も同様でした。ただ彼らの洋バンに対するリスペクトは毎回感じられる、SiMのファンにもSKINDREDのことを凄く宣伝していたし、今回もSNUFFは無茶苦茶カッコいいバンドなんで観てくれと言っていた。それでどこまでファンがつくかは分からんが、良いことではあるよね。

coldrain、昨年のパンスプでヴォーカルがアメリカから帰って来れずにドタキャンというなかなかスペシャルな騒動を巻き起こしたバンド。その後は地道な努力もあってか着実にブレークしてる感はある。比較されることが多いか分からんけど、個人的にはcrossfaithと双璧をなすようなイメージがあって、coldrainの方がボクは好きですね。ということで、今回も熱のこもったパフォーマンスでした。

Snuff。Twitterでもベストアクトに挙げましたが、とにかくたまげた。恥ずかしい話、今まで名前だけは知っていたものの音楽に触れたことはなかった。今回を機にベストと何枚かのアルバムを購入して、なかなかいい印象はあったものの、まぁライヴを観てみようか、程度のスタンスで臨んだ。
で、登場したバンド。ギターの人が“知らない人のために紹介する。俺たちはNOFXだ”と言ってからガンガン披露された曲に、、、圧倒された。これも恥ずかしい話メインヴォーカルがドラムということも知らなかったのだが、このヴォーカルがとにかく凄い。ダミ声で、MOTORHEADのLemmyにも似た感じのヴォーカルが、ファストでシャープでキャッチーな曲達にのって、圧倒的なパワーを生み出していた。更にこのバンド、トロンボーンもいればキーボードもいるということで、音のバリエーションも凄い。そして更に魅力的なのは非常に親日家ということで、ドラムは久米仙のTシャツを着ていたし、ギターはMESHUGGAHのTシャツだったし、ヴィジュアル的な魅力も満載だった。そんなバンドが選んだ曲が“アンパンマンのテーマ”。これは盛り上がったね。今までも日本の曲のカヴァーを多く発表しているようなので、何かしらやる可能性はあると思っていたが、この曲できたか~。という感じ。キャッチーな曲だし、みんな知ってるし、ナイスな選曲だったんじゃないでしょうか。これだけのパワーとスピードでガンガン攻めてくるので、途中ヴォーカルが息切れするような場面もあったが、それもご愛敬と思えるほど素晴しいライヴだった。いつ頃からかPUNKSPRINGにはレジェンド枠的なものが存在するようになったが、THE TOY DOLLS, FACE TO FACE, DESCENDENTSと、現在も若いバンドには負けないようなパワーを見せてくれるバンドが多いことが非常にありがたい。この枠は今後も続けていってほしいね。で、最後はFat Mikeも乱入して締めくくった。フェスならではの大発見は間違いなくこのバンドだった。

Rottengraffity、1回観たことがあるバンド。前回は特に印象はなかったが、今回、メタリックな感じとキャッチーな感じがうまい具合にミックスされていて、いい意味でこんなバンドだったっけ?という感じだった。ヴォーカルが香川照之に見えてしょうがなかったが。

The Fratellis。初見。バラッパの大ヒットで一躍時のバンドになった。1stはその他の曲も結構フックがある曲が多かったし個人的には好きだったが、2ndで失速(今聞いてみると充分カッコいいが)、活動休止を経て今回の活動再開、アルバム発表に至った。今回のアルバムも、Fratellis節が充分に炸裂している良質のアルバムであると思った。で、今回生でバンドを観るのは初めてだったわけだけど、このバンド、予想と違ってかなり地に足の着いたバンドだった。いやこれはいい意味で驚きだった。音楽性からするともっとメロコアチックなステージングをするのかと思いきや、MCもほとんどなく、淡々と曲を演奏していく感じ。ドラムの首まであふれ出ていたタトゥーには目を引かれたが。それはあのヒット曲をセットリストの2曲目にサラッと出してしまう感じからも伺えた。一発当たってしまったバンドの葛藤とか苦悩とかいろいろあっていまの感じになっているんだろうなぁ。などと想像するとなかなか感慨深いものがある。まぁそんな感じだったので当然演奏もばっちりで、颯爽と帰って行った。今後も是非続いていってほしいバンドだ。

そんな感じで英国勢の攻勢が続いていた中にあらわれたバカ米国バンド。いや、これは完全に褒め言葉ですので誤解のないよう。ME FIRST AND THE GIMME GIMMESは、以前もパンスプで観ているが、原曲をあまり知らないのでなんとなくで観てしまったのが前回だった。今回、改めてじっくり見てみたが、やっぱ凄いなこのバンドは。Fat Mikeの“ゆるゆるでありつつ真面目な感じ”をご存知の方は分かる通り、曲間にはどうでもいいようなMCを挟みつついきなり曲を始めるパターン。ただその演奏は非常にソリッドという。で、今回、甲斐バンドのヒーローとリンダリンダを披露してくれたのだが、ヴォーカルの発音が気持ち悪いほどうまかった。外国人が日本語をしゃべる際にありがちな独特のアクセントが全くなく、非常に滑らかな発音で歌っていたのには驚いたね。FAIR WARNINGのTommy Heartが歌ったSukiyaki以来の衝撃だ(分かる人には分かる)。ボクが知らない曲も結構あったけど、全体的な流れも含め、凄く楽しめた。Fratellisのあとだっただけに、色の違いがくっきりと出たけど、これも立派なエンターテインメント。

英国、米国としっかりとしたライヴをみせつけられて、さて日本からの回答はどうか。THE BAWDIES。このバンド、ラインナップに追加されるまでボクは全くと言っていいほど知りませんでした。で、名前を知ったあと、借りて聴いてみたのですが、これがまた非常に本格的(という表現も曖昧ですが、スケール感のあるといった意味で)なロックンロールバンドでした。LOVE PSYCHEDELICOの人もプロデュースに関わっているといったことも納得させる要因だったが、とりあえずカッコ良いバンドとの印象だった。これはある意味偏見なのだが、こういったガレージ系のロックバンドってのはライヴも素晴しいことが多い。これは経験から。まあきっと毎日ジャムりまくって鍛えられてる部分が大きいのかもと想像するが、そういった意味で、このバンドのライヴには期待していた。結論から書くと、期待通りのライヴを見せてくれた。ビジュアル的にはお揃いのスーツを着て、ビートルズ的な雰囲気(あとはこのあとに登場するTHE HIVES的)を醸し出しつつ、徹底的に生々しいロックンロールを披露してくれた。全曲が英語で歌っているということもあるとは思うが、やはり非常に洋楽的(この表現も曖昧なのだが、分かってくれる人は分かってくれるハズ)な音創りをしているし、アルバム通り、スケール感がでかい。そしてやはり演奏もしっかりしていた。ツアー慣れもしているのか適度な量と内容のMCもよかった。(たたみかけるように話して“どうですか皆さん!!”と問いかけるパターンはウーマンの村本っぽい感じもしたが)。そしてそのMCのひとつに、ガレージとパンクの歴史を語るというのがあって、長すぎずもしっかり過去の多くのバンドのリスペクト(きっとかなりいろいろな音楽を聴いてきているのだろう)が感じられて好印象だった。SNUFFと並び、フェスならではの出会いがあったバンドだったし、日本のバンドで世界で充分に通用するバンドであるとの印象が持てたのも嬉しかった。がんばれTHE BAWDIES!

ということで日本からの回答があったあとは宇宙からの回答です。MAN WITH A MISSION。昨年あたりからはフェスの常連になっているので、ボクも何回かは観ているし、正直このバンドは好きなので、アルバムも買ってます。被り物をしていることでのメリットは少なからずあるとは思うけど、曲もカッコいいし(表現が陳腐ですいません)、英語の発音もすんなり入ってくる。この度めでたく全米デビューをしたようですが、THE BAWDIESと並び、世界で通用するようなバンドだと思う。ということで今回のパンスプは図らずもBAD RELIGIONがヘッドライナー。彼らのバンド名、MAN WITH A MISSIONはBAD RELIGIONの曲名であり、オープニングSEには毎回この曲を使っている。そんな彼らは今回もエネルギッシュなステージング。期待していたBAD RELIGIONに関するMCはなかったものの、限られた持ち時間をヒット曲満載のセットリストで突っ走った。会場もこの日一番の入りと盛り上がりをみせたと思う。さすが人気バンドの貫録だった。

で、THE HIVES。レポート(リンク)の通り、パンスプ開催前の単独公演に行っていた。単独でやった時のショートバージョンだろうとの予測の下、観ていたが、予想通りだった。単独の赤坂BLITZよりは断然広くなったステージだったが、全力投球のステージには変化ない。ヴォーカルが所狭しとステージを走り回ったり、時にはステージから降りたりするのも同じ。ただやっぱり時間が短い分曲を削らなければならなかったし、そんな中でも長めの尺を取るメンバー紹介とか、観客に座らせてからジャンプさせる掛け合いとか、1曲でも多く聴きたい身からすると時間の使い方がもったいないというか。逆に単独観ておいてよかったなと思ったよ。いずれにせよ単独も含め、今回のTHE HIVESのライヴは堪能させてもらったし、5年ものスパンをあけずにもっと頻繁に来てほしいよね。

さて、ということでやってまいりました大トリ。BAD RELIGION。最前線での観戦も考えましたが、やっぱりじっくり観たいということで右側の柵に近い位置に陣取った。ぞろぞろと出てくるメンバー。まずはFXXk Youで豪快にショウをスタート。彼らは頻繁にセットリストを変えるバンドなので、過去数回のセトリを見ただけでも述べ40曲位のバリエーションがある。ベースとなるセットはあるものの当日は何の曲が演奏されるのか全く分からない。
それにしても彼らの存在感はやはりハンパない。ほとんどMCを入れることなく、淡々と演奏する姿はこのバンドの特徴だ。ただ、今回はHow Much Is Enough, Suffer, You Are (The Government), Do What You Want、と4曲立てつづけに演奏すると言う荒業もみせた。ヴェテランとしての脂がのってきている感も非常に感じられた。ボクの周りはにわかばかりで、歌ってる人はほとんどいなかったが、ボクにしてみればこのバンドのためだけに今日来ていると言っても過言ではなかったので、知ってる部分はとにかく叫びまくった。


。。。ってところで書きかけのレポが終わっていてずこ~って感じだと思うけど、まあ9割書いてあったからこれでいいか。とにかくBAD RELIGIONはボクにとっては特別な存在で、何割増しかで観ちゃうのは仕方ないとしても、やっぱこの貫禄は長年の経験があってこそだからだし、現在もファストでチャレンジングな新譜を出し続けてくれているのも凄いところ。次は是非とも単独公演もやってほしいね。

ということで今年も存分に楽しんだPUNKSPRING。確かTwitterでつぶやいたベスト3アクトはSNUFF, THE BAWDIES, MAN WITH A MISSIONで次点は dustboxだった気がするな。でも今年も全編通して楽しめましたよ。今後も行ける限り行きつづけたいフェスdeathね。そんな感じで最後は尻すぼみでしたが、復刻レポは以上death

§ぽっぷびぃと§


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