ということで今回唯一の楽しみにしているバンドと言ってもいいMARMOZETSを観るためにインドアでは一番大きいステージであるマウンテンステージへ移動。割と前方を陣取ることが出来た。スタートはMove Shake and Hide。やはり目がいくのは紅一点のヴォーカルBeccaだが、服装は普通すぎたがそれなりにかわいい。ただ若干バックの演奏の音が大きすぎて声が聞き取りづらかった。まだ若く、バンドの認知度もまだまだだったであろうこの状況で充分に魅力的なパフォーマンスを披露したと思う。しばらくセットリストに入っていなかったのでやってくれるか心配だったBorn Young & Freeもやってくれたし、Iron Manのリフも絡めつつの最後のWhy Do You Hate Me?での盛り上げ方は見事だった。現在はPARAMOREと同枠に入れられちゃう時もあるかもしれないが、バンドはMARS VOLTAやDILLINGER ESCAPE PLANの影響も受けていると語っているとおり、時に複雑な展開をみせる要素も含んでいる。今後、枠にとらわれないようなバンドに成長してくれることを願う。
続いてはALL TIME LOW。こちらもお気に入りのバンドであり、そのまま前方にステイして観た。今回のアルバムは若干地味な印象もあったが、彼らには今まで創ってきた数々の名曲がある。そして実際それらの曲が見事にライヴを盛り上げてくれた。Lost in Stereo, Stella, Damned if I Do Ya, Weightless, Time-Bombそして必殺チューンDear Maria, Count Me Inまで。ボクの中では、THE OFFSPRINGやSUM 41よりは後発で聴き始めたバンドだが、この楽曲の良さで、ポップパンク系のバンドの中でもトップランクに上がってきた感じだ。vocalのAlexはしきりに今回のライヴが今までの日本でやったなかでもベスト、と感激していたが、観客の盛り上がりも最高だったのだろう。
ということで次はBABYMETAL。今更何も説明する必要がないほど年々ビッグになっていくが、今回もアホみたいな観客動員数だったようだ。後ろの方から観ていたのだが、きっと前はケイオスだったことだろう。最近はそこまで興味をそそられなくなってしまったオープニングムービーに続いて、定番のBabymetal Deathからライヴがスタート。個人的には去年は武道館のライヴから始まり、ファン限定のイヴェエントで締めるという、まさにベビメタ尽くしの年だったが、これだけ露出があるとさすがに飽きてしまうのも事実。さっさと新譜出してくれよ、という気になってしまっているのも事実なのだ。ただ、今や海外へも活動の場を広げているバンドだけに贅沢なことは言えないし、今回彼女たちの“今”を観られるのは貴重な機会である。で、そのライヴ。正直飽きたとか思ってしまってすいませんと謝りたくなるぐらい、相変わらずの高水準のライヴだった。以前から凜としてはいたが、SU-METALの目力はもうメデューサレベル。そして割とかわいさ担当みたいな位置づけだったYUI MOAコンビにも貫禄が出てきて、観客を掌握しているような余裕さえ窺えた。そんな3人を支える神バンドが相変わらず神。Catch Me if You Canでのイントロソロパートでは、あ、ここがこの日のサマソニのハイライトだ、と思ってしまったほど。次の9mm Parabellum Bulletが観たかったので、Road of Resistanceのイントロを聴きながら後ろ髪を引かれる思いで会場をあとにしたが、これを見せられてしまうとまだまだ注目せずにはいられない、と思わせるライヴだった。
しばらく経ったところでこの日のトリ、MARILYN MANSONを観にマウンテンステージへ。個人的にはマンソンに一番ハマった時期というのがAntichrist SuperstarからMechanical Animalsの時期。The Goden Age of Grotesqueアルバムくらいから徐々に冷めていき、とりあえずアルバムは買うものの1,2回聴いて終わり。みたいな。ライヴとして最後に観たのは2007年のラウドパーク、この日もなんか途中で帰った気がする。で、今回のために最近のライヴをYouTubeで観てみたのだが、まず体型のがっかりさはありがちなパターンとして、メイクもおざなり、歌もグダグダ、で観客もそれほど盛り上がっていないというかなり不安を煽る状況。野外だったということも影響しているのかとは思ったが、本当に今こんなぼろぼろなんだったとしたら逆に今この映像を観ておいてよかったと思うくらいだった。 そしてこの日。まず、あの映像よりは断然良かった。メイクもバッチリだったし、演壇や竹馬、聖書等の小道具もいろいろと使ってくれた。結局この人の世界を体感するにはインドアでなくてはならないということがはっきりと分かった。曲は新譜のDeep Sixで幕を開け、前述のお気に入りのアルバムからはAngel with the scabbed wing, Antichrist Superstar, The Dope Show, Rock is Deadあたりをやった。Sweet Dreams (are Made of This)もあり、最後はThe Beautiful Peopleで締めるという構成。新曲の披露は2曲程度と最低限にとどめていた。小道具を使う絡みもあり、曲間が毎回あいてしまうという流れの悪さも感じたが、何よりマンソンのパフォーマンスとして、昔のように観ている方がハラハラさしてしまうような予測不能の動きが随所に感じられたのが良かった。それは(多分セトリの)紙を2曲目ぐらいで破って食べてしまったり、1曲ごとにマイクを捨てたり、マイクスタンドを投げたり、メンバーに難癖付けたりといった行動だ。観客に対しても前日のSONICMANIAの客よりおとなしいぞとしきりに煽ったりして、まあ何となくこの日の観客には不満そうな感じではあったのだが、最後はしっかり感謝の意も表す所などは歳をとったということかも知れない。声も充分出ていたし、メンバーの演奏も特に気になるところはなかった。そうなってくるとやはり映像通りだったずんぐりむっくりになってしまった体型だけは何とかして欲しいところだ。そんなこんなで充分に堪能させてもらったのだが、最後のThe Beautiful Peopleの演奏の時にゲストだと言って、ブラスバンドをステージに上げ(この時は気付かなかったがこれは翌日観ることになるTHE SOUL REBELSだった)、コラボしたのだが、これが何とも中途半端で、ブラスの音もほとんど聞こえなかったし、最後の締め方も中途半端。正直無理矢理呼ぶ必要はなかったし完全な蛇足だった。
どぶろっく(リハーサル)・・・バンドスタイルでネタを披露するらしくリハしていたが、バックバンドの音が大きすぎて肝心のネタが聞こえづらいという難点は本番でどう解消したのか 瀧川ありさ・・・ビーチステージで爽やか系のロック。初々しさはあるが、歌は巧い。ただba.の女の子の方が雰囲気はあった KANA-BOON・・・マリンステージ。サマソニと言えばこの人、みたいになってきたサッシャのMCも堪能しつつ。最近売れてるらしいこのバンド。いい意味で若者ウケしそうなアッパーチューン満載で悪くなかった NOISEMAKER・・・パークステージ。ガラガラ。バンド的にもそれほど特筆すべきことはなかったが、ラウド系が揃うステージにしては音が小さすぎてかわいそうだったな RATH BART BARON・・・初めて来たガーデンステージ。まったり系の音楽だったが、芝生と突き抜けた空と、時々降る小雨というなんとも言えない雰囲気を堪能した。これこそ夏!! TUXEDO・・・そのままガーデンステージで観る。ファンクとか80年代ディスコサウンド的なバンド。ベースがブリブリ効いててよかったのだが、どうしても周りに何人かいる”こういう音楽好きな俺ってかっこいいでしょ~"的なノリで踊ってる人間に吹き出してしまう TWINKLE STAR・・・アジア系の新鋭バンドを集めたアイランドステージで中国のポップロックバンドを観る。中国のロックシーンなど想像もできないが、ベースはタトゥーばりばりだったし、きっとしっかりと存在しているのだろう。などと評論家ぶる SALTY DOG・・・YouTubeで観てちょっと楽しみだったバンド。ノルウェーから日本に留学できて、そのまま住みついたというノルウェー人の金髪美少女がヴォーカルをするラウドロック。ヴォーカルのヴィジュアルを除いても、メロディや曲展開に目を引くところはありました。ヴォーカルも巧い。 CARACAL・・・アイランドステージに戻りフィリピンのハードコアバンドを観る。TWINKLE STARと同じ感想になってしまうが、アジアにも頑張ってるバンドがいっぱいいるってことだね THE SOUL REBELS・・・感動。音楽のパワーをまざまざと見せつけられる CARLY RAE JEPSEN・・・少し見たがやはりひとつまえのライヴの余韻にはかなわず、だいぶ早かったがここで退場
この日どうしても補足として書かなければならいのがTHE SOUL REBELSだ。裏がZEDDとMODESTEPという強力なアクトだったため、観ていない方も多いと思うが、個人的には今回の最大のヒットだった。一般的にはブラスバンドというのだろうか。詳しくは検索して欲しいが、単なるブラスバンドではなく、途中ヒップホップ調の歌も入れば、客も煽るし、メンバー全員で動きを合わせてダンスしたりする。アカペラでSweet Dreams (Are Made of This)が入ったりもした。2日間ここまでかなりロック耳で来ていた中での新鮮さというのもあったとは思うが、黒人ならではの身体から溢れ出るリズム感と緊張感。そして何より音楽を楽しむという根本的な所を改めて感じさせてくれたという意味でこの2日間のベストアクトとさせてもらいたい。
そんなこんなで特に2日目はいつもの楽しみ方とは違う感じではあったが、先述の通り素晴らしいバンドに出会うことが出来た。今まで全く知らなかったバンドを知ることが出来るというのもまさにサマソニの醍醐味であり、そういう意味では醍醐味を存分に堪能したのが今年だったと言えるだろう。今年初めて行ったGARDEN STAGEの芝生の上で、青い空を眺めながら単純に音楽に身を委ねられていたあの瞬間は、加山雄三ばりに「しあわせだなあ」(あ、そういえば、加山雄三も出てたんだよな)とつぶやきたくなるような至福の瞬間だった。毎年苦労しながらブッキングをし、音楽ファンにはあーだこーだ言われながらも、こんなに素晴らしいイヴェントを開催してくれるクリエイティブマンのスタッフ、そして最高のパフォーマンスを披露してくれたバンド達、更に、ジャンルの違いはあれど「音楽が好き」という一点においては同じであり、その共通の目的をもって会場を大いに盛り上げたサマソニファンに感謝したい。 I know I will be there next year. So I say...See ya in da pit next year!!