she says... but who's reading?

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LOUD PARK 15 @Saitama Super Arena


ということでセーソクさんが大好きな「第10回記念大会」って呼び方でおなじみ(個人的には非常に違和感あり)のLOUD PARK 15に行ってきた。記念開催に相応しく、過去最強レヴェルと言っても過言ではないメンツが揃い、2日間、3ステージでの爆音の祭典が開催された。
個人的な過去の参加は06の2日目と09以外は全て参加ということで今回が8.5回目ということになるのか。パンスプ、サマソニと並び、“メンツに関わらず行ければ絶対行く”イヴェントのひとつになっている。
レポとしては、今回の見所や個人的興味は以前のエントリーで書いているので、初日、2日目に分けて、できるだけ時系列的に(別の言い方をすればだらだらと)書いていこうと思う。どんぐらいの長さになるかは神のみぞ知る。まずはこの2日間の観戦記録をざっと書いてみよう(チラ見は除く)

初日
GALNERYUS(数曲)
OUTRAGE
ALL THAT REMAINS
METAL ALLEGIANCE
BACKYARD BABIES
TESTAMENT
ANTHRAX
GAMMA RAY(数曲)
ARCH ENEMY
SLAYER

2日目
GYZE(途中から)
WE ARE HARLOT
MARI HAMADA
THE LOCAL BAND
PRETTY MAIDS
SABATON
DIZZY MIZZ LIZZY
DRAGONFORCE
HELLOWEEN
MEGADETH

ということでまず初日。普段の仕事より出るのが早い6時出発という、休日ゴルフが楽しみなサラリーマンみたいな(好きなものに関しては早起きも厭わない、という意味では同じ)スケジュール。例年は最初のバンドが始まる頃ぐらいに到着してるんだけど、今回は欲しいグッズがいくつかあって、毎回物販を見ていると、主催者側の不手際も含め混乱しまくり→売り切れ続出、ということで、嫁の寝顔を横目にそそくさと出発したわけであります。出発した時点でなんとなく分かってはいたけど、このテのグッズが大好きなメタルヘッドは全国におり、先行販売が7:30~9:00に行われることが分かっていたのだが、ボクが到着した7:20には先行販売列は既に(メタルTだけにまさに)黒山のひとだかりになってるわけですわ。しかしながらボクにはひとつの作戦があった。それは、先行販売は捨て、入場待機列の前の方に並び、入場と同時に会場内販売での購入を狙う。名付けて、“先行販売は捨て、入場待機列の前の方に並び、入場と同時に会場内販売での購入を狙う”作戦だ。会場内のレイアウトや開場後の動線をはっきりと把握しているわけではなかったので、ある意味賭だったけど、さすがに5時から並ぶとかの体力も気力もなかったので、コレに賭けてみた。とりあえず第一段階の入場待機列は(今回2日通し券が即完したので1日券を別々に買ったことも功を奏してか)それほど長くなく、かなり前の方に陣取ることが出来た。コンビニで買ってきた朝飯と、景気づけの缶ビール、酎ハイをグイグイ飲み(ここで発生する尿意に負け列を脱落するわけにはいかない)開場を待った。
そして9時を少し過ぎた時間に開場。小走り気味にグッズ販売エリアへ向かう。さいたまスーパーアリーナは外側の円周と内側の円周がトリッキーな感じになっており、何度行っても覚えられないが、ここでは皆が同志。向かう方向は同じだ。そしてグッズエリアに到着すると。。。勝った!このフェスでの一番最初のメロイックサインはここで使った。まだ先行販売での購入者が残っていたため開いてはいなかったが、最初に入場出来る列のかたまりに入ることが出来た。嗚呼ありがとうメタルの神様。40を前にしたおっさんにも慈悲をお与え下さった。と思いつつも並んでいる間に10時を過ぎてしまい、オープニングのFRUITPOCHETTEが始まってしまった。入場待機列にはステージを中継するモニターがあったのはグッジョブだった。
このユニット、会社の同僚にも注目している人がおり、バックの演奏はヘヴィなのでライヴを観てみたい気はしていたのだが、SLAYERのTシャツとANTHRAXのパーカーにはかなうはずもない。きっと今後目にする機会もあるだろう。解散しなければ。
ということで、なかなか買おうとしない先行販売購入者へ“さっさと買って出ろ”的視線を恐らくあの列に並んでいた全員が送っていたと思うが、祈りが通じてかようやくゲートが開く。いやーどれでも買えるぞ、と思いつつも前述のSLAYER, ANTHRAXにHELLOWEENの30周年記念Tシャツ(フロントにGERMAN METALと書いてあるのがツボった)、オフィシャルパンフを買い退出した。てか物販購入話書きすぎだな。ま、このイヴェントは物販購入から悲喜交々があるということですわ。

クロークも割とすんなりいき、UNITEDはチラ見しつつ、まずはGALNERYUSからスタートした。フェスでは何回か観ていつつもなかなかしっかり聴く機会はないとはいえ、Syuの”天は2物を与えた”的ルックスと技術に、小野正利のvo.も加わり、ハイレヴェルのパワーメタルを提供してくれるであろうことは予測していた。そしてその期待は裏切られることなく、見事なメタルサウンドをかましてくれた。数曲観たところで出てしまったが、朝イチの気だるい空気を一気に熱いモノに昇華させてくれたことだろう。最高だったのが小野さんの「今日は7:15入りです」というMCだったな。

ちなみにこのステージのMCはBOOだったが、相変わらずの低クオリティで閉口。バンドでもないのであまり批判的にはなっても仕方ないが、会場を盛り上げるサポートをしなければいけない職業として、知識とか、情熱とか、コメント力が決定的に欠けている気がする。ネットを見る限りでは同様の感想を持っている人が多数いたと思うので、来年以降サマソニも含めなんとかこの人は外すような決断をしてもらいたい。

OUTRAGE待機のため、反対側から何となくDAITA BANDを観た。BREAKING ARROWSとしての出演予定がまさかのメンバー脱退で急遽インスト中心となってしまった。どちらにしても興味はなかったが、最後に「ホントすいません」と言ってから退場する様は本当に悔しそうだった。翌週はSIAM SHADEで同会場でのライヴだったらしいので、この鬱憤はしっかり晴らしただろう。

OUTRAGEはこの日最初に前方で観た。相変わらず貫禄というか、フェスだったからか橋本さんの若干クサめのMCもほとんどなく、ひたすら演奏に徹したという感じ。丹下さんのいつものニコニコ(としゃべりが聞き取りにくい)感も、安井さんのぼってり腹感も、阿部さんの下柳感もいつも通りだった。橋本さんのMCで最高だったのは「世の中の8割のヤツはいけ好かねぇ。そいつらのための曲」と言って披露されたYou Suck。Madnessをやらなかったのが残念だったが、最後のRiseで壮絶に締めたこのバンドはまだまだ迫力満点だ。

ALL THAT REMAINSは逆側から見たが、よいステージだったと思う。ブルータルな部分とメロディアスな部分のコントラストも見事だったし、何よりMC含め、場慣れしている印象だった。名曲This CallingからTwo Weeksで締めたが、今後も注目していきたいと思わせるバンドだった。

METAL ALLEGIANCEはセトリから。
1. Green Manalishi (With The Two Prong Crown)
2. Wrathchild
3. Can't Kill The Devil
4. Heaven And Hell
5. Run To The Hills
6. Pledge Of Allegiance
7. Balls To The Wall
8. Seek And Destroy
米国出身メンバー中心の構成ということからいうとACCEPTのチョイスが結構意外だったが、メタルの不朽の名曲ということだろう。
ChuckのWrathchildは準備不足からカンペを見まくっていて萎えたが、このためだけに来てくれたDEATH ANGELのMarkは迫力があった。1曲だけあったオリジナルはどうしてもインパクトが薄くなってしまうが、今後も引き続きやってくれればメタル界の活性化にもつながるだろう。改めて思うとCharlieがいて、David Ellefsonがいて、AlexがいてGaryがいてって、凄いメンツだわコレは。

BACKYARD BABIES。初日の個人的な最注目アクトだった。だった、と書いたのは、残念ながら結果が伴わなかったからだ。最初から音のバランスが悪かったのが気になっていたが、途中でギタートラブルも発生したり、何より全体の流れが悪かった。リハーサル不足ではないかとまでは言いたくないが、今回の触れ込みが、再結成→新譜発表後初の日本でのライヴだったということを考えると、期待を裏切られた感があったことは否めない。新譜がよかっただけに尚更だ。と言いつつも、Brand New Hate, Star War, Minus Celsius, Look at You等の過去の名曲もふんだんに披露され、Nickeの声は以前にも増して艶を帯びていたのは安心した。Dregenが、動きも含めおっさんぽくなってたのが残念だったが(1回こけた?)。きっと今後単独ツアーもあると思うので、その際に改めて復活劇を華麗に飾って欲しいと思う。

TESTAMENTは後ろから何となく観ていたが、とにかく音、というか音圧が極悪レヴェルだった印象。これを音が悪いと捉えた人もいたようだが、個人的には単に音圧が凄い、と感じた。TESTAMENTは以前THRASH DOMINATIONで観た時にも感じたが、スラッシャーの王道をいくバンドとしての意地のような気迫がある。ちなみに毎回気になっていたChuckの携帯可能マイクスタンド(って呼び方でいいのか)でエアギターをする仕草。KORNのJonathanやMARILYN MANSON(あとパッと思いついたのがNoGodの団長)と共に、マイクに特徴があるってのは個人的に惹かれるモノがある。選曲もBest of TESTAMENTだったようで、素晴らしいステージだったと思う。

ANTHRAX。この日の注目アクトのもう一つがこれ。以前のHELLYEAHとのライヴは逃していたので(延期続きで行く気が失せたってのが実際だが)、記憶が正しければLOUD PARKの初回以来。あの時はちょうどJoey復帰直後だったこともあり、かなり興奮した記憶があるが、あれからアルバムたった1枚しか発表してないってのも凄い(もうすぐ新譜が出るようだが)。ただライヴは良かったわ~。予想していたセットリストとは若干違った(I Am The LawではなくAmong The Livingで締めた)けど、各メンバーとも変わらぬ輝きを放っていた。個人的にはba.のFrankのファンなので、彼の変わらぬはしゃぎっぷりを観られたのも安心した。ライヴの流れでのポイントとして、In The Endの時にアンプにかかっている幕が、バンドのロゴから、右にDimebag Darrel、左にRonnie James Dioに変わった。トリで出てきたSLAYERのJeff Hannemanへの追悼のバックドロップを含め、ステージで純粋なリスペクトと哀悼の意を表するというステージ演出は素晴らしいことだと思う。亡くなっていった偉大なアーティストは多々いるが、メタル界にとって近年ではこの二人の死は衝撃的だったし、その思いは受け継いでいかなければならないだろう。そんな感動的な場面以外はひたすら突っ走った40分。やはりこのバンドではあの曲も、あの曲もやって欲しいとなってしまうので、時間が短すぎた。とにかくさっさとアルバムを発表して単独公演をして欲しいと願うのみだ。

アンスラを堪能した後、すぐにサブステに走り、ROYAL HUNTを覗いた。Paradoxアルバムからマイナーちっくな曲をやっていたのでまさか完全再現してるのか?と思ったが頭の数曲だったらしい。3年前に単独公演を観ているが、D.C.のいい意味で大袈裟なアクションは相変わらずだったし、演奏も安定していた。ただ、馴染みの曲が全然出てこなかったのが残念だったな。Martial Artsはいいから歌モノやって欲しかったよ。

GAMMA RAYは頭だけ観た。Last Before The Sunをやったのは結構驚いたが、あんまり音が良くなかった印象。それほど響かなかったのでメインへ移動。

それに比べARCH ENEMYは期待を裏切らなかったな。前回はお披露目公演だったAlissaの存在感が格段にアップしていた印象。煽りやMCを含め、ステージを掌握している感じがした。そういう意味では、今回のお楽しみだったJohanの登場も完全におまけ的(個人的に彼の時代の思い入れが大してないということもあるが)な感じだった。動きがCATHEDRALにいたLee Dorrianみたいなクネクネ動きだったのと、Alissaに比べ音が(声が?)小さかった印象くらいしかない。とは言え、最後に全員集合したFields of Desolatoinで、ヴォーカルを分け合いながら歌うステージは今後二度と実現することはないであろうし、最高のプレゼントを持ってきてくれたと思う。ARCH ENEMYはやはり現在の中堅どころでは人気、クオリティともにトップにいるという印象だ。

そしてSLAYER。結論としては帝王の帝王たる所以を存分に見せつけられたライヴだった。ライヴの間の音も含めたあのステージの空気は彼らでないと創れないものであり、その空気感がまさにエンターテインメントの醍醐味であると思った。AC/DCしかり、MOTORHEADしかり、同じことを続けているバンドだからこそできる、まさに誰にも到達することの出来ない存在である。邪悪な音楽とは対照的なArayaさんのスマイルも健在で(これってわざとこういう緩急つけてんのかな?)、血だの殺すだの散々言った後にニコってするのはまさに飴と鞭の手法ですな。このSLAYER商法の虜になる人間は多数いたと思われます。残念だったのが、6時から、休憩はとりながらもほぼ立ちっぱなしだったボクの足はかなり限界に近づいていた。周りもかなりの混雑だったのでなかなかのコンディションではあったが、しっかり最後のxxXまで目に焼き付けましたよ。あと何回コレを堪能出来るか分からんしね。まさに圧巻のステージだった。
SLAYER Setlist
1. Repentless
2. Postmortem
3. Hate Worldwide
4. Disciple
5. War Ensemble
6. When the Stillness Comes
7. Implode
8. Mandatory Suicide
9. Chemical Warfare
10. At Dawn They Sleep
11. Hallowed Point
12. Seasons in the Abyss
13. Hell Awaits
14. Dead Skin Mask
15. Raining Blood
16. Black Magic
17. South of Heaven
18. Angel of Death

ということで長い1日だったがベストアクトはSLAYER。2位はARCH ENEMY。3位はANTHRAXだったかな。

2日目。いきなり遅刻した。物販を買う必要はなかったので余裕こいてたら寝坊してしまった。
ただ、絶対間に合わないと思っていたGYZEの途中には到着することが出来た。彼らは最近の日本の若手注目株とされていたので、ライヴがどういう感じなのか楽しみだったが、パッと見る限り充分にその存在感を発揮していたし、大きいステージでも充分にステージ映えするように見えた。今回の初のビッグフェス参加をきっかけにしてこれからブレイクして欲しい。

WE ARE HARLOTはこの日注目していたアクトのひとつ。ブルージーな味わいもありつつ爽やかなハードロックを聴かせてくれる新人(と言ってもASKING ALEXSANDRIAやら元SILVERTIDEやらのメンバーがいるので純粋な新人ではないが)だ。ライヴでどうなるのか気になるところだったが、結論的には合格点。曲間の間の持たせ方に若干のぎこちなさを感じさせる部分もあったが、それは今後活動していくことで改善されるだろう。QUEENのTie Your Mother Downも披露し、観客を充分に温め、トップバッターとしての役目を果たしてくれた。

この日のサブステはデスメタル系大集合ということで、AT THE GATESやCARCASSは観ておきたかったのだが、メインステージとの絡みでたまにチラ見した程度だった。ただ会場はその手の音楽大好きの猛者どもが異様な盛り上がりを見せており、最高の一日を楽しんだであろうと思わせてくれた。

ARMAGEDDONはチラ見程度だったが、思ったよりメタル要素が強く、ChrisもARCH ENEMYを辞めてまでやる必要があるバンドなのかよく分からなかった。これで幸せなのだからボクがとやかく言うことでもないだろう。

そして浜田麻里。去年のサマソニで衝撃のライヴ初体験をしていたので今回も期待していた。ステージ上部には電工掲示板があり、ライヴ中はバンドのロゴを表示してあるのだが、今まで英語の尖った文字ばかり見ていた所に「浜田麻里」(明朝体、フォント80)みたいなのが出てきたもんだから最高のインパクトだった。日本語の独自性ってのは素晴らしいね。その独自性ってのはライヴ中も随所で感じることがあり、曲調も含めてなのだろうが、極めて日本的、もっと言うと昭和の歌謡曲の雰囲気を感じる部分が多かった。歌唱力に関しては前回観たときからもいささかの衰えもなく、バックコーラスのこれまた超絶ハイトーンの妹さんとの見事なエンターテインメントを魅せてくれた。最後は全身赤ずくめのどこで買ったんだ的衣装で高崎晃が登場し会場を更に盛り上げてくれた。メタルという観点では同じジャンルに入るはずなのだが、ちょっとこの場にはそぐわない感があったというのが不思議な感覚だったが、改めて彼女のステージを観られたのは貴重だった。

この日はバンドの間のセットチェンジに時間が更に少なく、片方のステージが終わったらすぐにもう一方のステージが始まる感じだったのだが、KAMELOTが始まったところで、前日からの音の洪水で若干耳鳴りがでかくなってきたので一度耳休めに会場を出た。
ライヴで耳栓するかしないか問題は結構意見が分かれると思うがボクはしない派。今まで一度もしたことがない。昨年のMANOWARでは初の耳栓をすることになるかと思ったが、その機会も吹っ飛んだので。これだけの期間ライヴに行ってると、耳に悪影響が出るという意見も分からなくはないが、まあ毎日行ってるわけではないし、生の音を楽しもうと思うと耳栓は必要ないかなとは思う。今後ボクの耳が聞こえなくなったら、その時はその時だ。MY EARS DIE FOR METALでかっこいいではないか。

お次はプリプリプリティプリティメイズ©Masa Ito。THE LOCAL BANDの陣取りのため反対側のステージから観る。最近の彼らは全然知らない、というかこのバンド自体、Red Hot and HeavyのアルバムとPlease Don’t Leave Meのイメージしかないが、今回キャンセルになってしまったMETAL CHURCH同様、こういう場でないとなかなか観る機会がないバンドということで楽しみにしていた。バンドはタイトだったし、かっこいい曲もいくつかあったのだとは思うが、やはりBack to Backが炸裂した時とPlease Don’t Leave Meが炸裂したときの高揚感にはかなわない。特に後者はEURPOPEのThe Final Countdownにも似たノスタルジーも含んだ盛り上がりを見せた。カヴァーでもあるし、こういう曲が一番のヒットソングという部分に関しては違和感がある人(バンド自身も?)もいるかも知れないが、単純に有無を言わさず盛り上げられる曲を持っているのと持っていないのとは大違いで、きっかけという意味では非常に大事だと感じた。

お次はTHE LOCAL BAND。前日のMETAL ALLEGIANCE同様、お祭り的バンドだ。チルボドのAlexi、RECKLESS LOVEのvo.、SANTA CRUZのba.、THE 69 EYESのdr.とで組まれた80’sメタルのカヴァーバンドだ。ということでセットリストは以下
1. Shout At The Devil
2. Looks That Kill
3. Nothin' But A Good Time
4. Yankee Rose
5. Pour Some Sugar On Me
6. Wanted Dead Or Alive
7. Nightrain
8. Peace Of Me
9. Fallen Angel
10. Panama
ベタベタの選曲なので曲名はさすがに全て分かったが、どの曲が一番盛り上がったのかな。若干後ろの方にいたので分からなかったが。若い人もそれなりに会場にはいたと思うが、そのあたりの人がどこまで反応し、更にカッコイイと思ったか。まあカヴァーバンドなので、曲は忠実に再現しているとは言えやはりオリジナルには適わない部分が多々あったと思う。こういうカヴァーバンドって最初は盛り上がるんだけど、観ているうちに、「オリジナルじゃないのにここまで盛り上がっちゃう俺って。。。」とか余計なことを考えてしまい、途中で一気に冷めてしまう(DJイヴェントなんかもそう)タイプなんだけど、今回はでっかいお祭りの一部ということで充分楽しめた。

休憩をしていたのでSOLDIER OF FORTUNEはパスしたが、好評だったようだ。ANIMETAL USAのライヴを観たことがあったのでそれ以来だが、声はよく出ていた感じだね。何の曲だか忘れたけど、アニソン1曲さわりをやった気がする。巨人の星だったっけ?いやイントロのSEが流れただけか。流れ的になんか不自然だった記憶だけあるな。

ということでSOLDIER終わりの客と入れ替わる形で次の次に出るお目当てのDIZZY MIZZ LIZZYを観るためにステージ前方に陣取る。そこから観たのがSABATONだ。結論として、この2日間で一番興奮した流れだったのがこのSABATON~DMLへの流れだった。両者ともオリジナリティを充分に発揮した素晴らしいライヴをみせてくれた。

まずはSABATON。今回のラインナップの中で待望感が一番あったのがこのバンドだっただろう。Tシャツもあっという間に売り切れていた。個人的にはアルバム1枚持っていただけだったし、まあMANOWAR的、BLIND GUARDIAN的な漢(おとこ)感とドラマ性を兼ね備えたパワーメタルバンドという印象だったが、、、まぁ~素晴らしいライヴだったね。まずステージセット、というかドラムセットにどでかい戦車を配置し(これが結局火を噴くわけでも何でもないところがまたツボった)、全員が迷彩柄のパンツ。ヴォーカルは防弾チョッキのようなものを着ていた。ACCEPTのようなフォーメーション的統一感と、クワイヤの重厚感。ドラマティックな曲の数々。そこに演劇的な要素も加えてしまい、1つの劇が繰り広げられたような感じだった。会場もお世辞なしにこの日最大の盛り上がりを見せていたし、それに対しヴォーカルはしきりに感動の言葉を口にしていた。こういうバンドだけに真摯に型にはまったステージをするのかと思いきや、ヴォーカルがギターも弾けるとか言ってわざと下手くそにSmoke On The Waterのリフを弾いてみせる、というような笑いの要素も取り入れてくる。これがまた日本人でも分かりやすいレヴェルの笑いで、フツーにウケていたのも盛り上がりに一役買った。あとはライヴの最中に兵隊の格好をしたクルーが、地雷注意、みたいな立て札を定期的に置きに来るという演出があっのだが、最終的にそれをどうする訳でもない、というシュールな演出も笑った。海外では既にヘッドライナークラスのバンドとういことだが、その理由が充分に分かるような、貫禄のステージだった。これは単独来日も間違いなくあるだろうし、O-Eastレヴェルでは即完売もあるだろう。期待感を見事に満足感に昇華させた素晴らしい初来日公演だった。ライヴDVD買っちゃったよ。

そんなSABATONの衝撃的なステージの余韻が残る中、DMLファンとしてはこんだけ盛り上がったあとにやるのは厳しいなぁ、反応悪かったらかわいそうだなぁ、などと思っていたが、そんな心配は全くもって不要でした。
まず登場してからしばらくジャムり続けるっていうオープニングがまあ衝撃的だった。こういうやり方は本当にバンドがしっかりした技術を持ってないと大失敗すると思うので、これを成り立たせてしまう彼らの凄さ(しかも3人だからね)にまず恐れ入った。そこからのWaterlineへの流れも完璧。あとは1stと2ndの曲を織り交ぜながらスピードチューンをメインに展開していく。何度見ても彼らの安定感は素晴らしい。そして来年アルバムを発表することがアナウンスされ、新曲も2曲披露された。どちらもDML印の良曲だったと思う。去年のTHUNDER同様、ラインナップ的には浮いている感じもあったが、このバンドのために観に来た人も結構いた(実際前回ツアーの時のTシャツを着ている人を結構見かけた)と思うし、それにしっかり応えたライヴだったと思う。来日公演も決まっているようだが、これは駆けつけなければならないね。

ひとしきりDMLを満喫した後はSecret Actとして発表されたDRAGONFORCEを後ろから眺めた。Secretとして発表する程のバンドなのかということはさておき、9月の来日公演に足を運んだ身としては、彼らの滲み出る人柄のよさを多少なりとも感じていたし、米国ツアーの直前にわざわざこれに出演してくれたという事実からも(あとベビメタのサプライズ出演の可能性も含め)、個人的には歓迎だった(大歓迎、まではいかないが)。前回のライヴハウスと違い、今回はスクリーンに映像を映して各曲にシンクロさせるという最近のはやりのパターンの演出があった、のだが途中で映像が消えたりとかのトラブルもあり、そこまでの効果は発揮していなかった。機材トラブルもけっこう頻発しており、メンバーもフラストレーションがたまったとはおもうが、そこは生粋の人間性のよさで、うまいことつないだりしていた。今回はValley of the Damnedで締め、結局ベビメタの出演もなかったが、相変わらずのキラーチューンを多くもつ彼らのライヴは何度観ても飽きることはない。

さあいよいよ終盤。BIG ROCK STAGEのトリのHELLOWEENだ。CARCASSとの被りで悩んだのだが、やはり大合唱をしたいということでこちらを選んだ。そこでまず炸裂したのはSE(Walls Of Jericho)からのEagle Fly Free。歌い出しでの例のごとくのキー下げに多少ガクッとなるも永遠の名曲に大合唱で応える。そっからのDr. Steinで掴みはまさにバッチリ。彼らを初めて観たのが以前のLOUD PARKで、今回は2回目だったが、メンバーを変えつつもしっかりと続いている彼らの存在感はいよいよレジェンドの域に入ってきた感じがする。何せ30周年である。彼らに影響を受けたバンドですらも中堅の域に入ってきているのだから、その功績に尊敬の念を抱かざるを得ない。あまりしっかりと聴いていない最近の曲も、Andi節と相まって遜色ない光を放っていることも改めて感じた。途中のメドレーではHalloween~Sole Survivor~I Can~Are You Metal~Keeper Of The Seven Keysのオイシイとこ取り。そして最後は定番のFuture WorldからI Want Out(掛け合い付き)で締めた。Andiの声は前回よりも良かったように感じたし(ただFxxk Noを連呼させるくだりは昔のMETALLICAのJamesみたいで若干ひいた)、ヴァイキーのふざけながら感は相変わらずとして、マーカスの健在っぷり、そしてしょっちゅう変わるのでもうついていけてないがきっと若いであろうドラムとギターがまだまだこのバンドに勢いを与えていた。いつまでたってもこのバンドがパワーメタルの筆頭であることには疑いの余地はない。

2日間の轟音まみれもいよいよ最後。昨年のサマソニ以来のMEGADETHだ。反対側とはいえ前の方も空いているので観やすいという理由で今終わったばかりのHELLOWEENのステージ側の前方に行き観戦した。前回は大佐のヴォーカルの弱さが気になっていたが、今回はあまり違和感なく聞くことが出来た。そして何よりKiko加入後の日本での初ライヴという意味でも注目だった。ドラムがLAMB OF GODの人でないことは情報として入っていたが、ずっと誰なのか気になっており、風貌からしてJimmy Degrassoかとも思ったが結局ドラムテックの人だったらしい。メンバー紹介の時にまともに紹介もされていなかった。
セトリ的には昨年とほぼ変わっていなかった印象があるが、前述のヴォーカル、あと全体的な音もサマソニよりはよかった印象があるので、自然にのることが出来た、というより最後なのでかなり頭振りまくったわ。実際MEGADETHは人生で一番ライヴを観た回数が多いバンドで、その分思い入れもある。HELLOWEEN同様名曲揃いで何も考えることなくヘドバンヘドバンでしたわ。新曲はやらなかったり、Kingmaker, Public Enemy No.1あたりの最近の曲を出されると若干テンションが落ちたりもあったが、あくまでMEGADETHのステージだった。サマソニではやらなかったTHIN LIZZYのCold Sweatがあったのもよかったし、サマソニではあとにAVENGEDがいたが、この日はトリもトリ。やはり4天王の1角に締めてもらうというのは10周年の記念としても相応しいだろう。もちろん最後はHoly Wars…Punishment Due。大佐も終始ご機嫌だったようだし、前日のSLAYER同様、活動できるうちはとにかく頑張って続けて欲しい。
MEGADETH Setlist
1. Hanger 18
2. Kingmaker
3. Wake Up Dead
4. In My Darkest Hour
5. Sweating Bullets
6. She-Wolf
7. Public Enemy No.1
8. Tornado of Souls
9. Trust
10. A Tout Le Monde
11. Cold Sweat(Thin Lizzy)
12. Symphony of Destruction
13. Peace Sells
14. Holy Wars... The Punishment Due
2日目のベストアクトはSABATON。2位はDIZZY MIZZ LIZZY。3位はMEGADETHだった。

こうして2日間、合計約24時間の爆音フェスは大成功のうちに幕を閉じた。初日は特に客大杉のコメントもあったようだが、個人的には不快なレヴェルまでの混みようではなかった。おそらく今年初めて参加した人ならではの感想なのかも知れない。そう考えるとまだまだメタルに興味がある人は存在するということで、THE冠よろしく”どうやらメタルがきてるらしい”(傷だらけのヘビーメタル)と考えることも出来るかも知れない。2日間通してベビメタのTシャツを着ている人をほとんど見なかったという事実からも、単純にメタルが好きで参加している人がかなりの数いるのだろう。
一方でトリを務められるバンドが次々と引退していくことになることから予想される世代交代がどう行われていくのかは注目せざるを得ないだろう。今年で言えばARCH ENEMYやCHILDREN OF BODOMあたりがヘッドラインを取れるだけの器になっていくのかどうかだが、現時点では個人的には何とも言えない所がある。実力としては申し分ないと思うが、一般的な認知度とか歴史とかも含めて今後どのようなキャリアになっていくのかも重要な要素だろう。
そしてそれはファンも同様だ。SLAYER, MEGADETHのファンがARCH ENEMYやCHILDREN OF BODOMまでフォローしているか。SLAYERが引退したらメタルを聞くことをやめてしまわないか。そして最も重要なのが、CDを聴いてSLAYERのファンになった若い世代がライヴを観たいと思っても既に引退していて物理的に観ることが叶わなくなってしまうという現実が迫っているということだ。
まさかラウパレポの締めが高齢化や世代交代への問題提起になるとは思わなかったが、毎年このフェスを楽しんでいるメタルファンの一人として、気にせざるを得ないし、とりあえずは毎年参加するという形でしかできないが、少しでも貢献していきたいと思っている。

2日間参加された方も、1日の方も最高の10周年を楽しみましたね。また来年会いましょう。
Thank you for all the bands, staff and fans at LOUD PARK 10th Anniversary! WE ROCK!!

§ぽっぷびぃと§


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