ということでレポ、まず初日。今回は何となく去年の10th Anniversaryのような異様な混み方ではない感じはしてたが、出発が少し出遅れて会場到着が9時過ぎくらい。既に入場待機の列がそれなりにできていたが、やはり去年と比べると圧倒的に短い。去年のレポートを読むと7時過ぎには着いていたが同じぐらいの場所だった。てか7時過ぎに着ってどんだけ早いんだ。偉いですね。Hail to Metalですね。このメタル愛の強さはMANOWARにも褒められるね。ただ、当然ながらボクなんかよりも1,000倍メタル愛に溢れた方々は既にグッズの先行販売での購入を終え、いろいろな場所で乾杯しながらメタル談義が繰り広げられていたのでしょう。ちなみに当日は降ったりやんだりの天気。さいたまスーパーアリーナなので、入ってしまえば傘など不要だが、この待機時間だけは何度か傘が必要になった。さてこの時点での判断のしどころがひとつあった。それは入場後、グッズを会に物販ブースに直行するか、最初のバンドを逃したくないから物販はとりあえずあきらめるか。で、判断としてはさっさとグッズを買う方を選んだ。物販の列も去年に比べれば短く、オープニングバンドを少し見逃す程度で済んだ。購入したのはDIZZY MIZZ LIZZYのフロントだけだと普段でも着れそうなやつ(ただしバックプリントにはでっかくLOUD PARKと書いてあるので何かを羽織らないといけない)のとSCORPIONSの1965-2016とプリントされているもの。昨年のHELLOWEENにも30 Years of MetalというデザインのTシャツがあったが、今後こういった活動何周年的デザインのものは増えるだろうね。ということで、グッズ購入後荷物を預けて。1日目スタート~
SONS OF TEXAS タワレコのプッシュをはじめ、各所で話題になっていたバンドで、こういう骨太土着系バンドはライヴが良いはずだという先入観があるが、見事に期待に応えてくれた。特にヴォーカルのPhil Anselmoっぷりは見事なもので、モノマネやらせたら一級品なんじゃないかと思うほど似ていた(しかも髪型もあの頭から草が生えた時のPhilにそっくり)。そこで「じゃ、オリジナリティは?」と問われた時にもしっかりとあるのがこのバンドで、そこには安定したバンドの演奏があってこその賜だと思う。曲に関しては、これからもう少しアルバムを出してもらって、キラーチューンをもっと創って欲しいと思った。とにかく朝イチから、ベストアクト候補と思わせてくれたこのバンドの将来に大いに期待したい。
RAGE MASTERPLANとの被りがあり、RAGEは2年前も観たことがあったので正直観ようかどうか迷ったが、結論としては観て大正解だった。前半は新譜からの曲を中心にやっていたが、後半、Black in Mind~End of All Days~Solitary Man~Don’t Fear The Winter~Higher Than The Skyの流れはオールドファンからするとたまらなかった。特にEnd of All Daysが大好きなボクとしては、おぉ、この曲をやってくれるのか。という驚き。新加入の2名もRAGEに新たな風を吹かせていた。特にギターはHigher~のブレイクパートで入れてきたHoly Diverの歌唱力も素晴らしかった。ちなみにこのブレイクパートではSweet Home Alabamaも披露。は~いあ~ざんざすか~いうぃ~の掛け合いが延々と繰り返されるのが若干冗長気味になりがちな中でいいアクセントになっていた。終始笑顔で、ライヴを楽しんでいたPeavyの表情も印象的だった。原点回帰の印象がある新譜も含め彼のモチベーションも高い状態にあるようなので引き続き精力的に活動していって欲しい。
ARMORED SAINT CANDLEMASS~RAGEと来月のKNOTFESTでは全く想像できないオールドスクールメタルが続く中でこのARMORED SAINT。個人的にはMarch of The SaintとCan U Deliverを知っている程度だった。その2曲は当然やったのだが、やはり何より目を引いたのがJohn Bushの存在感だ。メタルにはそぐわない赤いシャツという出で立ちだったが、異様なまでの威圧感を放っていた。ANTHRAX時代に観た記憶はあるが、声の衰えは全くなく、逆にこのバンドだとより彼の声が際立つ(もともとこのバンドにいたのだから当然と言えば当然だが)気がした。ちなみにインナーに着ていたTシャツに”ugly company”とプリントされていたのだが、これは何かのメッセージなのだろうか。あともう一人がBa.のJoey Vera。モヒカンというよりキューピーちゃんといった髪型になっていたが、かれの鬼気迫るパフォーマンスには心を打たれるものがあった。総評でも書くことになるが、バンドの本気度が伝わってくるライヴが多かったというのが今年の特徴であり、彼のパフォーマンスはそれの最たるものだった。最後の数分が別ステージのDANGER DANGERと被っていたが、この迫力に圧倒されて最後まで観てしまった。
DANGER DANGER そして終了後即移動し正統派メタルからポップメタルへ心を切り替える。到着した時に演奏していたのがCrazy Nitesということで興奮しないわけがない。やはり初期2作の曲に思い入れがあるのだが、この日はそこからの曲ばかりだったこともあり、何も考えず、メロディとハーモニーに体を委ねていた。金髪のサラサラロングヘアーというだけで古き良き時代(。。。と言っても個人的にはメタルを聴き始めたのは90年代からなので80年代はリアルタイムでは体験していないのだが)の一端を感じることができる。演奏やハーモニーも見事なもので、I Still Think About YouやDon’t Blame It On Love、Monkey Business、Bang Bang、Naughty Naghtyと往年のヒット曲のパレードで言葉にならねぇ。ヴォーカルもステージを降りて観客を煽ったり、日本でライヴがやれることが幸せであることをことあるごとに言ったりしていた。やはりこの手のバンドは有無を言わさぬ盛り上がり方がある。前回のエントリーでも書いたが、ENUFF Z’ NUFF, TRIXTER, NELSONとかとのパッケージでフェスがあったら絶対観たいですよおっさんは。
CHILDREN OF BODOM ここまで次々とベストアクト候補が出てくる中ですが、さすがに体力が厳しくなってきたので前半数曲で離脱。デビュー時の衝撃度が強すぎてここ最近はあまり注目されなくなってきてる感もあるけど、前半から初期の曲を中心に演奏していたイメージがある。Fワードの連発っぷりは相変わらずだけど、ある程度歳もとって落ち着いてきた部分もあるのだろうか、言っている内容自体は日本に来られて嬉しいという感謝の意だし、逆に原点回帰で初期の曲をメインに据えているような気もした。ボクの中ではARCH ENEMY, IN FLAMES, CHILDREN OF BODOMというのが当時出てきた3大メロデスというイメージがいまだに強いので、まだまだトップを走って欲しいバンドだ。
SHINEDOWN 前回のエントリーで書いたとおりこの日楽しみにしていたバンドの一つ。そしてその期待に見事に応えてくれた。まずドラムを除くメンバー3人がスリーピースのスーツを着て登場したあたりから、オッと思わせてくれた。そしてヴォーカルが曲のキメポイントで随所に見せる、ポージングといったらいいのか、ひとつひとつのアクションが非常に演劇的で、ライヴに対する意識の高さを感じさせた。終盤ではステージを降りて、アリーナのかなり後の方まで走って行っていた。バンドの音も良かったし、ドラムもキットをぶっ壊すぐらいの勢いで叩いていた。お気に入りのCut The Cordも披露してくれた。演奏をするというよりまさにエネルギーをぶつけてきているようなステージだった。これは単独できたら絶対に観るべきバンドだと断言できる。
BLIND GUARDIAN このバンドもしばらくフォローしていなかったバンドの一つ。個人的には若干DREAM THEATER的な存在になってしまっている感じもあって、最新作は買ってもいなかった。しかし、ファンが一体となってコーラスに参加するライヴの醍醐味が味わえることも知ってたし、最近のHansiはカリスマ的アイコンになっているとの話も聞いていたこともあって、必ず観たいとは思っていた。開演前のバックドロップにはImaginations From The Other Sideのデザインが。ここでピンときていた人はいたのだろうが、最近のセトリでは普通にベストヒット的なライヴをやっていた印象があったので、まあこのアルバムからの曲を少し多めにやるんだろうな、程度にしか考えていなかった。そしてイントロとともに登場するメンバー。満員とまではいかないまでも前方はぎっしりだった。1曲目はタイトルトラックのImaginations From The Other Side。このアルバムとその前のSomewhere Far Beyondは個人的にも一番良く聴いたアルバムなので、予習せずとも曲は知っている。続いてI’m Aliveを演奏したところで、ハンズィのMC。「気付いた人もいるだろうが、今日はImaginations From The Other Sideの完全再現をやる」との発言。発売は95年ということで21周年というちょっとずれたタイミングだったが、それが逆に斬新だし、前述の通りリアルタイムで聴いていたアルバムだったのでこれは貴重なライヴだと感じた。演奏や歌唱力はさすがのレヴェルで、音が悪いと思っていたこのステージもこのバンドの時は見事な音響だった。途中のMCも短めで良かった。最後のThe Story Endsで締めると、アンコールに呼び出されたバンドはMirror Mirrorで大団円を迎えた。ValharaやBard’s Songなどもう2,3曲やって欲しいという気持ちもあった一方、アルバム+1曲という潔さが、バンドの貫禄になった感じもした。ともあれ見事なライヴを魅せてくれた。この時点でまたベストアクトが更新された。
RIOT メインステージに戻り、次のSIXX:A.M.に備えるため逆側から見る。2年前のLOUD PARKでの超絶ハイトーンは記憶に新しいところだ。ただ、個人的にFire Down Underは全く通っていないアルバムなので、その辺はあまり期待していなかったが、やはりこのヴォーカルにかかるとどんな曲も見事に再現される。相変わらずハイトーンは超絶に冴えていたし、前回の時よりも音が良かったように感じた。初めて聞く曲が多かったこのアルバムも楽曲としては魅力的な曲が多かった。しかしやはり涙腺崩壊が起こったのは最後の2曲。ThundersteelからWarriorへの流れだ。メタルの歴史に燦然と輝くこの2曲の名曲をまったく色褪せることなく演奏してくれることに感謝しなければならないとすら思った。なぜなら前日のDOKK(以下省略)。見事なステージだった。
SIXX:A.M. 昨年のMOTLEY CRUEのライヴから1年。Nikkiを間近に観る機会がやってきた。この二日間で一番前に来た。This Is Gonna Hurtでスタートしたライヴ。知ってはいたけど、改めて、Nikkiカッコえ~!!MOTLEYの時はクソ席だったので豆粒程度にしか見えなかった彼を今回は肉眼でもはっきりとらえることができる。ファッション、ステージアクション、プレイスタイル、雰囲気、全てにおいてカリスマであることを再確認した。そして脇を固める、というか彼らも充分メインであるがDJ AshbaとJames Michaelも彼に近いオーラを発していた。このフロントの3人は、全身落書き帳であることも含め、恐ろしいまでのオーラを発していた。ガンズで充分に経験を積んだであろうDJはある程度予想はついたが、Jamesのステージングもかなり堂々としたものだ。そんな3人が所狭しとステージを走り回る姿は見ていて全く飽きない。楽曲に関しては、MOTLEYの名曲を知っている身からすると平凡すぎる印象もないこともないが、それでもNikkiの新境地とも言うべきいい意味での大衆的な楽曲は、これから活動を続けていけばいくほど、SIXX:A.M.印として浸透していくはずだ。そして今回披露された新曲も充分その流れに乗るものであったと思う。単独公演の可能性も充分にあるだろうし、その場合は更に彼らの魅力が発揮されるステージになることだろう。
ULI JON ROTH 後ろの方から最初の数曲のみを観戦。こっちはこっちで別の種類のカリスマ性が凄かった。前述の通り、彼の在籍時のSCORPIONSにほとんど思い入れがないため、そこまで興奮することはなかったが、多くの人が言うように、出で立ちからしてもはや仙人で、この雰囲気は飽くなきギターへの探究心の極みといえるだろう。昨日のSCORPIONSとの共演でもプレイしたWe’ll Burn The Skyも登場したが、ボクの知る限りでは同じ曲を2日連続で演奏した人はこの人が史上初だと思う。
KILLSWITCH ENGAGE オリジナルのJessiが復帰してからの初来日になると思うが、個人的にはHowardだろうが彼だろうがたいして気にはしていない。途中からではあったが、Last SerenadeもIn Due Timeも聴くことができて満足だ。どちらかと言えばKNOTFEST寄りのバンドだったとは思うが、敢えて彼らがLOUD PARKに参加したというのもひとつの味だったように思う。
DIZZY MIZZ LIZZY 昨年、大盛り上がりのSABATONの後で、彼らに引けを取らない衝撃的なライヴを魅せてくれた彼らが二年連続でやってきた。やはり二年連続だとハードルも上がるとは思うが、結論から言うと、そんな不安を抱いてしまったボク自身を恥じたいくらいの素晴らしいライヴを見せてくれた。一応今回の目玉であったと思われるスクリーンに関しては、正直そこまでの効果を発揮していたとは思えなかったが、最初に幕が張ってあったり、オープニングでパイロが炸裂したり、といった演出は効果的だった。それよりなによりやはり彼らの音圧だ。前回も全く同様のことを感じたが、3ピースのバンドでこの音を出せるのは全くもって驚異的だ。今回もオープニングはジャムからスタートした。このインパクトは強烈だ。かなり前の方で観てはいたが、ひとつひとつの音がビシビシと心に響く。息のぴったり合ったアンサンブルに体を委ねているだけで良い。今回はアルバム発表後しばらく経っているということで新譜からの選曲も多めだったが、その新譜も初期2枚の流れを汲む佳作なので、過去の曲と混ざっても何の違和感もない。基本的にMCをするのはTimだけだが、そのMCも長いものではなく、とにかく曲に全てを語らせる感じだ。この2年連続のハードルを超えてくる理由というのは、何度も書くが、彼らならではの圧倒的な音圧、そしてバンドとしての一体感。随所に挟まれるジャムの完成度の高さ。そしてうらぶれたメロディーをもつ数々の素晴らしい楽曲達。これは1度味わえば分かるというものではなく、何度味わっても同様、それ以上の感動をもらえると言うことの証明に他ならない。個人的に今年は「今まで観たことのないバンドのライヴを中心に行く」というテーマで過ごしてきたが、こういうバンドを観るとその方針もぐらついてしまう。やはり良いバンドは何度観ても良い。One guitar one bass and a drummer, that’s really all it takes (Glory)の歌詞が重く響く。
NIGHTWISH このバンドも先日のライヴが好評だったということで見逃すわけにはいかなかった。ただ個人的には最近はフォローしていない。仕方がないとは言え、幾度となく繰り返されるヴォーカルの交代劇が水を差してしまっている気がしてならない。そして今回はヴォーカルが妊娠したということでこのLOUD PARKがツアーファイナル。そういう意味でも貴重なライヴだ。知ってる曲は数曲程度だったが、中盤から後半にかけての盛り上がりは圧巻だった。伝統楽器のようなものや、ゴリラの着ぐるみをきたキャラクターも登場したりして演出にもこだわっているのと、曲のフックが強烈だった印象がある。シンフォニックな中にもシンガロングできる要素がふんだんに散りばめられていた。さすがに世界的にはヘッドライナーで回るようなバンドだけに、演奏に関しては安定感抜群だったように思う。特にヴォーカルの存在感は圧倒的で妊娠中なのに大丈夫かよ、とこちらが心配してしまいそうなほどのロングヘアーブン回しヘドバンや、時にジャンプもしていた。体つきがごっつい(肩幅が広い)感じがしたので更に強烈度があった。ともあれ休業前に観ることができてよかった。
WHITESNAKE ということで、2日間散々動き回っておっさんの体はかなり限界を迎えていたので、観ないで帰ろうと思っていた。というところからも、ボクがWHITESNAKEに大した思い入れがないことが伝わると思う。理由はよく分からない。同様にRATTにもそれほど思い入れがない。まあ一番感受性の強い聴き始めの時期に通らなかったということなんだろうか。あともう一つは、以前のLOUD PARKに来た時のしゃがれ声っぷりがもはや崩壊レヴェルでがっかりしたというのもある。ただ、全く観ないのも何だし、これだけ楽しんだLOUD PARKだから最後まで楽しみたいという気持ちはあって最後方から少し観ることにした。Bad Boysからスタートしたステージ。懸案のデビカバさんの声はなかなか良い感じだった。2chとtwitterを同時にチェックしながら観ていたが、そこでの反応も総じて好評。「あれ、声出てんじゃん」というのが多かった。少なくとも、某D氏とは違い、プロの意地というものを感じた。年齢的な部分で体にもかなりガタがきていると聞いていたし、当然声も同様だろう。ただ、今までトップを張ってきたプライドを全身で表現しているというか、そんな一種鬼気迫る感じもした。。。と、こんな表現をしつつも数曲聞いたところで、「まぁ、ひあごーもStill of The Nightまでもまだ長い道のりだし、ここらで失礼しよう」ということで中盤で退散。もう充分堪能したので満足していた。
ということでそれぞれのバンドのレポは記憶を振り絞って書いたつもりだがまだまだ終わりません。総評書きます。 本文でも何度か書いたが、今年は例年になく良いライヴが多かったという気がした。特に初日の流れは神懸かっており、こんな回は記憶をたどってもなかなか思い出せないレヴェルだ。その中で感じたのが、全力でプレイすることで伝わってくるものがある、ということ。当然といえば当然なのだが、これは完全にボク個人の今回の感覚で、例えば若手の溌剌とした演奏しかり、ヴェテランバンドの貫禄のある演奏しかり、なのだが、やはり全身全霊でプレイしているかどうかというのはこちらもはっきりと感じることができるということ。それはバンドの知名度や有名曲の多さに関わらずだ。もしかしたらそれはボクが歳を取ってきて、人間味を余計程度感じ取るようになってきたからなのか、今回たまたまそう感じたのかどうかは分からない。ただ、いちオーディエンスとしては1回のステージに賭ける本気度を感じられるライヴを観られるに越したことはなく、今回はそれを観られたライヴが多かったことに非常に満足した。 ということで長々とお付き合いいただきありがとうございました。来年またこの興奮を味わえるとなると、早くも楽しみだ。来年も必ず参加したいと思う。今回参加された皆さん、二日間お疲れさまでした。やっぱメタルは最高ですな。Thanxx a million for all the bands, staff and fans!! Bang your head!