まず一発目のライヴはMR. ORANGE。今回一日限りの限定復活ということだったらしい。Paul Gilbertが絡んでいたバンドということで、数年前に一度観たことがあった。 会場が暗転し、ゾロゾロと出てきたメンバー。ルックスはあの時といささかの変わりもない。各々が今も独自の活動で頑張っているんだろう。 曲はSpin Me Outからスタート。パンクなのに(ってのも偏見だけど)、各メンバーがとにかくバカテク。ギターソロもあったりするんだけど、この曲はポップな名曲。しっかりした演奏を聴かせてくれた。 で、今回はメンバーもかなりテンションが高かったのか、前回観た時よりもかなりアグレッシブにはじけまくっているという印象があった。。。のはいいんだけど、やはりリハーサル不足なのか、間合いとか、タイミングとかでちょいちょい違和感を感じた。まぁ今回限りということでメンバーもひたすら楽しんだんだと思う。 結構スペシャルな企画だったにも関わらずオープニングアクト的な扱いになってしまった彼らの今回の出演は今から考えるとちょっと疑問。個人的に聴きたかったCHEAP TRICKの"Surrender"のカヴァーをやらなかったのが残念。この後書くけど、今回はやるべきなのにやらなかった曲があったバンドがいくつかあったな。
そんな感じで今年のパンスプが開幕しました。
しばし間をいおいて観たのがDRIVING EAST。アルバムで聴けるFALL OUT BOY的なハード&ポップな楽曲がなかなか気に入っていた。 で、バンド登場~演奏スタート。。。しょ、しょぼい。。。 会場のせいなのか彼らのせいなのか分からんが、音も悪いし演奏も平凡、というか平凡以下。vo.の声も全然出てないし、頭っから“これはつまらんぞ”という印象を持ってしまい、それが最後まで払拭されることはなかった。最近FALL OUT BOYがカヴァーし、サマソニでも披露したMichael JacksonのBeat Itが彼らのボートラにも入っていたので、やってくれることを期待していたら、中盤に披露された。。。のはよかったんだけど前述の通りvo.がボロボロ。こういうバンドでvo.がしょぼいのは致命的だ。全部観るつもりだったが、この曲の出来栄えを見たところで見切りをつけてメインステージへ移動した。
休憩も含め、後ろの方で酒を買ってる中始まったのがPLAIN WHITE T'S。まったく未チェックのバンドだったが、曲がスタートした瞬間、空気が、変わった。
なんなんですか、このバンドの甘く切ないこの雰囲気は。
70年代を意識しているのか、ピンクの衣装と大き目のサングラスに身を固めたvo.が絶妙のスウィートメロディをなぞれば、バックコーラスもそのメロディに拍車をかける。とにかく演奏の一体感がこのバンドの特異性を見事に引き出していた。目がいったのは黒人のdr.とおっさんっぽいba.のリズム隊。また偏見になるけど、パンクバンドに似つかわしくない、なんかいろんな音楽の素地がありそうな熟練されたこのふたりのボトムが、このバンドをタイトにしている要因なのかと思った。いちいちくすぐるようなフレーズが満載で、おもわず唸ってしまった。06年のTHE ACADEMY IS...的な、特異な音楽性を持っているバンドだった。知ってるバンドが多かった今回のパンスプの中で、こういうボーナスがここに入っていてくれたことで、ボクの中での今年のパンスプの流れが一気に盛り上がった。帰り際、彼らのCDを即買いしたことは言うまでもない。
vo.のIngoが迫力なかったし、演奏もグッと来るものがなかった。そんな中で連発されるカタコト日本語には逆にテンションが下がってしまう。彼らの代表曲We Got The NoiseとSaccarine Smileには全力で反応したが共鳴が起こっていなかったよ。そして“やるべきなのにやらなかった”第3弾がWe're Not Gonna Take It。なぜこれをやらん!!フレーズも単純だし、盛り上げるにはもってこいの曲じゃないか。単独ではやったのかな。とにかく残念だったよ。PWT'sからの流れでハマレば、この時点で元を取ったといえるほど大事な流れだっただけに本当に残念だった。
そんな彼らに落胆している暇もなく次に始まるのは今回のボクの中での最重要アクトであるBOWLING FOR SOUP。 SEがMOTLEY CRUEのWild Sideだったことに反応したファンがどれだけいたのか知らないけど(ね?じゅんじゅんさん)もうこの時点でボクの心はがっつり掴まれていた。 そして一発目は超高速ver.のThe Last Rock Show。速い、とにかく速い。例の人圧に若干危険を感じつつ暴れまくる。更に続くのはまたも高速のPUNK ROCK 101。あ~もうダメ、この流れ。こういうフェスの中でしっかりKY(この場合は“空気読める”と使う)してくれているこのバンドは本当に凄い。前回のINDEPENDENCE-Dでのライヴで、彼らのMC入れまくりの展開は経験済みだったので一生懸命なにを言っているか聞き取りつつも結局なんだか分からないけど楽しいということで、ひたすらハッピーになる。 曲の途中でいきなりしゃべり出すという彼らのスタイルには賛否両論あるだろうが、そこからいきなり曲に戻る時のタイミングと緊張感はバンドのまとまりのなせる業だ。 1985でしっかり締めた(曲の途中にVAN HALENの曲をSE(何の曲だっけ?)ではさむという大技も披露)彼らはやっぱり真のエンターテナーだ。 それにしてもvo.のJaretの声はこういう曲にはバチコンの声だったよ。
BUZZCOCKSのチラ見をする予定だったけど、疲労もたまってたので、まったりしつつ次のFROM AUTUMN TO ASHESに備える。今回のラインナップの中では異彩を放つメタル系のバンドだ。前回EXTREME THE DOJO vol.10で見た時はdr.を兼任していたヒトが今回はvo.に専念。風貌が恐ろしいほどに変わってたのに驚いたけど、クリーンヴォイスと、ですヴォイスを見事に使い分けていた。同じ声質でvo.を分けるg.もうまかったし、曲の凶暴性は見事だったね。客がかなり少なくて淡々としたライヴだったけど、しっかり存在感は示していたと思う。
そんなこんなしてるうちにELEVENTYSEVENの出番が迫ってきたため再び移動。このバンドはライヴ映像を観たことがなかったので、とにかく期待と不安が交錯していた。アルバムは、極上のポップチューンが満載だっただけにこれをそのままやってくれちゃったりしたらとにかく今年のパンスプに花を添えることになる。 そしていよいよライヴ開始。。。確か1曲目はFight To Save Your Lifeだったと思うが、でてきて、演奏を始めたメンバーを見て。。。度肝を抜かれた。まずフライングVを持ってきたMattも画になったが、とにかくメンバーのはしゃぎっぷりが凄い。スピードもアルバムの1.5倍ぐらいで飛ばしまくる。アルバムでは洗練されたイメージがあったが、ライヴだとこんな滅茶苦茶になるのか~。滅茶苦茶といっても演奏がダメと言うわけではなく、しっかりした演奏なのに、とにかくハッチャケてるのに驚いた。あとは宇宙服を着たパフォーマーが出てきて、踊りまくっていたのだが。。。最初だけでよかったと言うか、だんだんしつこくなってきたね。ネタがあるわけでもなく、ただ踊ってるだけだったからね。要所要所で出てくるほうが効果的だったと思うよ。 まぁとにかく“勢い一発”という意味で成功だったんじゃないだろうか。今後の活躍が楽しみだ。