路上にて…

路上にて…

2006/12/07
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カテゴリ: その他の映画
明日で公開終了になるギリギリで観る事が出来ました。

太平洋戦争の激戦地、硫黄島をアメリカと日本双方の視点から見た二部作の第一
弾で、この作品はアメリカ側の視点から見た話です。

アメリカ人に限らず戦争物と言えば、自国の視点でストーリーを展開させますが
この作品と対を成す第二弾の“硫黄島からの手紙”は日本側の視点をアメリカ映
画として作っているのは実に興味深いです。

“父親たちの星条旗”に話を戻すと、硫黄島攻略に多大な犠牲を払いながら摺鉢
山の頂に星条旗を立てた写真が、関わった兵士の人生を狂わせていまいます。

職業軍人でも『英雄』になるために戦争に行く人間の方が特殊で、ましてや志願

嫌うと思います。
結局、政治(戦争も外交手段の一つと考えるとですが…)の道具にされのを見て
いると、ベトナム戦争を題材にした“ランボー”も『英雄の成れの果て』の暴走
で、時が経てば不幸な末路になるのは常道で…。

歳を重ねれば重ねるほど、その重圧に苦しむ様が描かれています。
「戦場に行った事ない奴ほど戦争を雄弁に語るが、戦場へ行った者ほど戦争の事
を語りたがらないものだ…。」(セリフを要約すると…)
確かに激烈を極めれば極めるほど思い出したくないのかも知れません。
日本ほどではないにしても、対日戦でのアメリカ将兵の戦死者も凄い数だと資料
で読んだ事があります。
硫黄島の戦いは日米双方にとっても過酷な戦場だったと思い知らされました。

 ますが…。

この作品を観て一番驚いたのは、太平洋戦争末期のアメリカもいっぱいいっぱい
でこの戦争をしていたと言う事です。
太平洋戦争全体を日本と比較すればアメリカは余裕綽々で戦争していますが、戦
争末期のアメリカの財政状況の悲惨さは意外です。

とのアメリカの主張も、アメリカの都合(財政難)で財政破綻する前に戦争終結
させるために、原爆使用したのも理由の一つであると感じました。
「戦時中もメジャーリーグのワールドシリーズをやっていた。」
と本で読んでいたのでアメリカにとって太平洋戦争は、小生意気な『黄色いサル
討伐』くらいの軽いノリだと思っていましたが、アメリカも必死だったと言うの
が重ねて意外性を感じました。
もう少し長引いていたと仮定したら(この時点で日本は全てにおいて破綻)日米
双方悲惨な事になっていたかも知れません。

第一弾のアメリカ側の視点での硫黄島の過酷さや、英雄に祭り上げられた兵士の
悲哀は解ったので、第二弾の日本側の視点での硫黄島を公平に映像にして貰えれ
ば、クリント・イーストウッドだけでなく戦史に関してアメリカを少し見直せま
す。

この映画単体の期待値に対する評価は、★★★★☆です。
この後に封切られる“硫黄島からの手紙”単体評価と、2本総合評価をするのが
楽しみです。





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Last updated  2006/12/07 10:11:18 PM
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