こんぱすコーチの全方位日記

2011年01月11日
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少々お堅い話。

今年は大東亜戦争、いわゆる太平洋戦争が
開戦されてから70年になるそうです。

1941年12月8日に、
あの有名な『トラ、トラ、トラ』の暗号の元、
ハワイ真珠湾で米国艦船を奇襲、
4年に及ぶ泥沼の戦争に突入したわけで、
その後の経過は、僕たちの誰もが教えられてきたとおり。

その日米開戦から70年。


NHKスペシャル で放送されているのが
『日本人はなぜ戦争へと向かったのか』(4回シリーズ)。

直接的なタイトルですが、
しかし社会の教科書で僕たちが学んだ、
「欧米列強からのプレッシャーと国内の不景気を払拭するため、
初めから軍部主導で計画的に実行された」という認識に
少し違う視点を与えるニュアンスです。

実は近年、明らかになってきたのは、
日本の軍部も政府も、戦争を起こすことは本意ではなかった、
さらには英米も、当初は日本と戦争をする気はなかった、
ということ。


戦時の宰相であり陸軍大臣であった東条英機ですら、
実は戦争に対しては消極的だった、
というエピソードが最近になって掘り起こされたと記憶しています。

1月8日に放映された第1回目の番組では、
傀儡政権である満州国を立国したことに欧米列強が反発し、

日本が連盟を脱退するくだりがひもとかれていました。

僕が歴史上で学んだ国際連盟脱退のシーンは、
各国からの日本への非難・批判が相次ぐ中、
日本の全権大使であった松岡洋右が、
「日本は常に正しい行いをしており、それに対する
諸国のいかなる意見にも耳を傾けるつもりはない。
今後のことを考えると、連盟に属している理由もない」
という意味の演説をぶった後、悠々と議場を立ち去っていく、
というものですが、

ここには、
諸国がとやかく言ってくるのを疎んじた日本政府内に
既に連盟脱退のシナリオがあり、
後は欧米列強に対する対決姿勢を強めて国民を奮い立たせる、
という意図があったのだろう、
と僕は勝手に解釈していました。

ところが、この番組で明らかにされたのは、
その認識とおよそ異なる事実でした。

あの連盟の議場を颯爽と退場する松岡洋右その人こそ、
実は国際連盟脱退を最後まで回避しようとしていたこと。
昭和天皇も連盟脱退には難色を示していたこと。

じゃあ、なぜゆえ真反対の結果になってしまったのか。

幾多のボタンの掛け違い、
縦割り行政の弊害による外務省と陸・海軍省の情報共有不足、
根拠無き楽観論、
戦略が無く、行き当たりばったりの情勢判断、
いろんな要素がない交ぜになった挙げ句に
ホンネとはまったく逆の選択をしてしまう悲劇。

その中で特に印象に残った判断がありました。

連盟加入各国の日本非難が渦巻く中、
連盟としては日本に対して経済制裁をも辞さない、
という情勢になった。
資源を持たない、さほど裕福でもない日本にとって、
経済制裁は国の行く末に大きな不安要素として顕在化する。
これは絶対に回避しなければならない。
しかし外交ルートでは各国との融和に万策尽きた。
どうしたら回避できるのか。

そうだ。国際連盟に加入しているから
制裁決議を受ける羽目になるんだ。
むしろ連盟を脱退すれば、
もとより経済制裁もクソもなくなるではないか。

諸外国だって本気で日本を陥れようとは考えてはいないだろう。
今までの外交をかえりみても好戦的な国は一つとしてなかった。
みんな戦争をしたくない、という意識が見て取れた。

だから少々のことは羽目を外しても許してもらえるだろう。

こういう超楽観的な、行き当たりばったりの判断の末に、
あの、国際連盟脱退という歴史的にも非常に大きなイベントがあった、
ということなんです。

そして当時の政府内部は、縦割り行政の弊害で
各省庁の足並みがまったく揃っていませんでした。
外務省が言うことと、陸軍省が言うことがまったく違う。
それぞれが外交ルートを持っていました(それもおかしな話です)が、
両省の主張がまったく異なることに諸外国は不信感を持ち、
「日本の言うことは真に受けるな。遊ばしておけ」
というあしらいを影では受けていたようです。

そしてこの頃は内政も不安定で、
6年のうちに首相が7人も代わっている。

ここまで書くと「ハッ」としてしまいます。
実に今の日本の情勢によく似ている。

普天間基地問題であれ、尖閣諸島問題であれ、
「日本の言うことは信用できない」
「戦略無き選択、行き当たりばったりの選択」
と国の内外から批判されていますし、
ここ数年、年が改まれば首相も交代する、というのが常態化しています。

「歴史は繰り返される」とはよく言ったものですね。
というか、当時の日本と今の日本とは、
何ら本質的な部分は変わってない、ということですね。

「戦略を持たない国家」。
それも日本の文化といえば文化なのかもしれません。

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最終更新日  2011年01月11日 12時01分26秒
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