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Ryu-chan6708

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2006.11.22
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テーマ: 戦争反対(1197)
カテゴリ: 社会問題

私: NHKのビデオ を今、6巻まで続けてみたよ。
 半分まできた。
 今までで知的興味をひかれたのは、 教育勅語 軍人勅諭 だね。

A氏 :戦時中、学校には 奉安殿 があったが、あの中には 天皇・皇后の写真と教育勅語 があったんだね。


明治憲法 は明治22年発布だが、その精神的な柱として 教育勅語 が翌明治23年に発布されるんだね。
 これを書いたのは 元田永孚 という人でもとは 朱子学の学者 だね。

A氏 :朱子学は君の 小島慶三著「 戊辰戦争から西南戦争へ 」の日記 にあるように、 王政復古のイデオロギー になるんだね。

憲法を作った伊藤博文はあまり朱子学的な内容を好まなかったようだがね。
 朱子学は徳川幕府が儒学としてとりいれるが、日本ではあまりイデオロギー化しなかったようだね。
韓国は国が狭いから朱子学は徹底されたようだ

A氏 :こないだスポーツ選手のバラエティ番組を見ていたら、 韓国の選手が年長者に対して礼儀正しいということをいろいろなスポーツで日本選手が体験したことを述べていたが 、その伝統が未だに定着しているんだね。

:逆に、問題もあるね。
 俺は製造業の仕事で韓国にいったが、仕事の改善になると話が抽象化するんだね。
 いわゆる 神学論争的
 風が吹くと桶屋がもうかるような議論になる。
5W2Hの技術論 にならない。
 司馬氏が言っていたが、 朱子学はものすごく理屈っぽいそうだね
 韓国人が一神教のキリスト教信者が多いとか、デモで他国の国旗を焼くとかいう日本と異なる性格は朱子学からきているのかね。
今の北朝鮮の体質も日本の軍国主義同様、朱子学の伝統と将軍様崇拝の習合かね

A氏 :その点、一般の日本人はおとなしいね。

:軍国主義は司馬氏は「 昭和の悪夢 」と言っているが、 山本七平氏 は「 呪縛 」といっているね。
 山本氏は、 この呪縛のもとである尊王思想は、朱子学と日本の伝統とが習合してできた日本史上の一時的な一つの思想にすぎないとして、そう考えれば「呪縛」は解けるといっている
今の北朝鮮も朝鮮の歴史では悪夢の一時代かもしれないね。

 興味があるのは、司馬氏は 中国の朱子学は「孝」が中心の家族主義 「公」がないとしている
 天皇がない。
 だから、 役人の汚職が絶えない
 清のときはひどくて、官吏をやると3代は食えると言われたという。
 これはある意味で アジア的な特徴 だという。

A氏 :中国政府は今も役人の汚職には悩んでいるね。
 朱子学からくる伝統なんだね。

:司馬氏は、多少皮肉っぽく、 戦後の日本人は、天皇の押さえがなくなったのかアジア的になったと言っているね
 この司馬さんの予言は当たったね。
司馬さんがなくなってから、日本の役人の裏金、天下り、官製談合など、中国の清の時代にもどったように役人の道義の退廃だらけだね。

A氏 :ところで、明治憲法より 軍人勅諭 のほうが早く発布されているのではないの?

:明治15年だね。
 西南戦争の後なんだね。
最初は軍国主義的な意味はまったくなかった。
 そこに深い意味があるんだね。

明治維新は革命だが、歓迎されたものでなかった。
 大名や武士は特に版籍奉還、廃藩置県、士族の廃止などで反対がすさまじかった。
 商人たちは大名への債権は棒引きされて恨んでいる。
 だから、 下級武士の大久保利通は天皇を大義名分でかつぎだすしかなかった
 第一、 大久保と西郷は薩摩藩主の島津久光からも裏切り者と言われていたんだからね

A氏 :しかし、同志である西郷が士族にかつがれ、明治10年に 西南戦争 になるね。

:大久保は西南戦争には勝ったが、また、いつ、反乱があるかもしれない。
 まだ、明治政府は不安定だったんだね。
 そこで、 軍隊は天皇の軍隊であるということを明らかにしたのが軍人勅諭なんだね
 ところが、憲法が後から出るので、軍人勅諭が先だから格が上だとなる。
大正、昭和と一人歩きし出す

A氏 統制権 につながるんだね。
近衛公も嘆いていたね。

:軍人勅諭には、軍人は政治に関係してならないとあるんだが、軍部は都合のいいところだけとるんだね。
 後でわかるんだが、 統帥権には陸軍では立派な裏マニュアル があり、幹部は皆持っていたという。
 これには、 戦時は参謀本部が国民の統治権を持つと 書いてあるという。
天皇より上なんだ
 終戦時、このマニュアルは占領前に軍部があわてて焼却したというが、まぎれて残ったのがあり、それを司馬氏はテレビで示していたよ。

A氏 :国家として異常状態だったんだね。
 北朝鮮にそれを見るような気がするね。

:司馬氏は、日本の帝国主義はなんだったのかと疑問を持つね。
 イギリスの帝国主義とまったく違う。
 イギリスがよいというわけではないが、 イギリスの帝国主義は産業革命で拡大した商品の販路としてアジアにくる
 一応、 国家的な損得勘定はある

 ところが 日本の帝国主義はただ、拡大するだけの単細胞思考だ
 売る製品などない。
日韓併合など、韓国人の恨みを買うだけで、なんの国益にならない行動だったと司馬氏はいう
 ものごとには、反発があるという 戦略的な発想が皆無 だという。

A氏 :戦えば必ず勝つという単細胞発想だからね。

:それが満州、中国と拡大する。
 日本軍人は上に行くほど、そういう世界的なものの見方が昭和になってからなくなったと司馬氏はいう。

A氏 近衛公 が手を焼いたのも分かるね。

:だから、あの本では東条はサイパン島玉砕で意気消沈すると、夜、一人で夜道を徘徊したとあるね。
 負け方を知らない。
 うろつくだけだ。

 司馬氏の昭和への道はまだ続く。
 後、6巻ある。
 昭和の悪夢の謎は解けるだろうか。


 今、日本は司馬氏が予見した役人の退廃の氾濫のほうが悪夢だね。





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Last updated  2006.11.22 08:32:35
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