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Ryu-chan6708

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2006.11.23
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カテゴリ: 社会問題

悪魔のサイクル 」を読む前に、迂回して3年前に発刊したこの本を図書館から借りて読んだよ。

A氏 :この知的街道は格差街道だね。
偽装請負 からはじまったね。
 最近、テレビでも、筑紫哲哉NEWS23での 三分の一は非正社員特集 とか、報道ステーションの携帯電話での日雇い( デジタル日雇い )特集とか、クローズアップ現代での 派遣社員の労災隠し 、など集中的に扱い出したね。
労働形態 が変わってきたね。

私: この本の題名から、内橋氏が 俺の日記でふれたフランスのATTACやトービン税 のことを念頭において書いたのではないかと思ったんだが、読んだらずばり的中したね。
 この本の最初からそれにふれていて、日本でも今のような市場万能主義による日本でなく、「もうひとつの日本は可能だ」としているね。

A氏 :3年前だと、まだ、日本は不良債権問題や株価低迷で経済がまだ回復基調でない頃だね。

:既得権の創造的な破壊だというが、政官一体の既得権は破壊すべきだが、重要なことは 環境」という既得権や「労働基本権」「社会保障」という既得権まで破壊したことだろいう
その破壊の上に強者が支配でき、弱者が増加するという

A氏 :そこで3年後には大企業や金融業には利益が出て経済は回復するようにみえるが、一方、 賃金格差の拡大、低賃金化、労働条件の悪化、中小企業の経営悪化が出 することになる。
 いざなぎ景気を超える景気だというが、 いざなぎ景気と基本的に違うのは賃金が低下していることだね
格差拡大景気、リストラ景気

:この徹底的な市場主義の教祖はアメリカの フリードマン教授 だが、面白いエピソードが紹介されているね。

 1965年にイギリスのポンドを空売りしたいと教授はある銀行に行った。
 巨大な投機利益が期待できるからだ。
われわれは紳士(ジェントルマン)だからそういうことはやらない 」と断わった。
 フリードマンは怒って帰ってきて「 資本主義の世界では儲かるときに儲けるのがジェントルマンだ 」と言ったという。
 アメリカの銀行には 銀行法の規制 があって、 投機という反社会的な行動やプロジェクトに貸し付けてはならないという条項があるのだという
フリードマンが主張する規制撤廃というのは、そういう規制撤廃のほうが狙いだったわけだね。

A氏 :そのフリードマン氏は、先日の11月16日、94才で亡くなったね。

 ところで、今月号(12月号)の文藝春秋で有名な ヘッジフアンドの帝王・ジョージ・ソロス の対談があるが、ブッシュ大統領の「 民でできることは民へ 」という政策は間違いだと言っているね。
あらゆるものを民でできるからといって民に委譲すれば、格差は広がる一方となり、社会の不安定は増すばかりだという
 アメリカでは利益を上げるためであれば、あらゆる手段が認められるという過剰なまでの利益優先、株主重視の心理が蔓延。
 その結果、 金融スキャンダルの発生、市場の信頼喪失という事態が起きているという
 ソロス氏はホリエモンや村上氏を手元に置き、本当の意味の慈善事業家として育てれば、大いに活躍できる投資家として期待できるとしているね。

:エンロンは電力の自由化がきっかけだね。
 日本でもオリックスがエンロンと提携するが、その同盟軍が日本電力市場に参入することなくエンロンの崩壊とともに消える。
 2002年には、金融市場スキャンダルは エンロン、ワールドコム と続出するね。
 これで例の企業に悪評の SOX法 の登場だね。
 俺は、これは意味がないと思っているね。
 俺の現場経験から失敗は明らかだと思うね。
 特にその内部統制のやり方だね。
 企業で働く人々を奴隷のように監視する方法だと思うね。
 「もうひとつの道」である人間尊重への解決ではないね。

A氏 :アメリカではその後「もう一つの道」での成功例はあるの?

私:アイスクリームで成功したバーモント州の ベン&ジェリー社 の物語をあげている。
 今、日本では セブン・イレブン でも販売されているという。
 利益追求を最優先していない。
 原料は大企業の利益追求型大規模農業のパワーになぎ倒されていく零細な地域農民を守るためにそこから調達する。

A氏 :日本でももっと地域を活性化する方向でその行くべき道をさぐるべきだね。

:この本では、批判ばかりでなく、いくつかの期待できる日本の事例を示しているね。
それが今度、「 悪魔のサイクル 」で内橋氏はどのように論じているか、知的興味が湧くね。








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Last updated  2006.11.23 07:08:31コメント(0) | コメントを書く


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