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私:今、「 永山則夫 」の本を読みだしたのだが、児童虐待と脳の関係を述べた箇所があったので、「 体罰 」問題と関連してピックアップしておく。
1997年
、アメリカ・エール大学の プレムナー博士
は、幼児期に虐待を受けた大人と健常な大人のそれぞれ 17人
の脳を調べ、比較検討した。
結果、虐待を受けた人のグループの「 左脳の海馬
」が健常な人より平均 12%
萎縮
していることが分かったという。
A氏 :「 海馬 」は記憶を司るところだね。
私
:言語などの記憶にとどまらない。
「 情動
」の記憶を作ったり思い出したりするのに重要な働きを持つという。
「 情動
」とは怒りや恐れ、哀しみ、喜びなどといった比較的、急速に引き起こされる急激な感情の動きのことだという。
A氏 :虐待により引き起こされる感情と一致するね。
私 :最近、福井大学の 友田明美 教授 は、子どもが受ける 虐待の「種類 」によって影響を受ける 脳の領域 が異なるということを発表したという。
「 種類 」は3つで(1)性的暴行や両親のDVなど 視覚的なもの 、(2)暴言など 聴覚的なもの 、(3) 過度な体罰 だね。
(1)では、 左半球の視覚野
が 8%減少
し、うち 左紡錘状回は 18%減少
。
(2)では、 聴覚野の容積が増加
し、うち 左半球の上側頭回タンパク質
は 14.1%増加
。
(3)では、 右前頭前野内側部の容積
が 19.1%減少
。
(2)だけ増加しているのは、耳から入る情報を 雑草を茂らせることにより、減退させ るためであるという。
A氏
:(1)では、見ることを拒否。
(2)では、聞くことを拒否。
(3)では、感情や思考を停止。
私 :見方を変えると、子どもたちは虐待を受けながらも生きてくために、自分の脳を虐待して「 適応 」しているとも受け取れる。
A氏 :一種の 自衛行為 だね。
私:
そういう子どもが 脳の損傷
をかかえたまま大人になるのは問題だね。
もっとも脳に何らかの障害があってもすべての人が異常な行動を起こすわけではないが可能性が高いね。
児童虐待の発生件数 が 過去最高を更新し続けている日本 では、もっとこの問題を深刻に考えるべきだね。