PR
Keyword Search
Calendar
Comments
Freepage List
私 : 米国 では、 なぜジャーナリストが人々の不満の標的になるのか 、という 視点 から、 興味ある情報 を提供している。
様々な分析の中でも「なるほど」と思わせる指摘が「地方メディアの衰退」である という。
A 氏 : かつての米国では小さな町にもローカル紙 があり、 そこで日々、取材し、執筆する記者は住民の顔なじみ だった。
しかし、 米国の 日刊紙 の発行部数は10年間で3分の1減り 、特にネ ットに広告を奪われた地方の新聞やラジオ局の苦境が深刻。
私 : 一方、 記者の5人に1人がニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルスを拠点にするといわれるまでメディアの大都市集中 が進み、 ジャーナリストといえば「遠い場所から高説を垂れるエリート」とみなされかねない、ゆゆしき環境ができつつある。
地方メディアを支援する市民社会の動き が活発になっているのも、 そんな危機感 が背景にありそうだ。
例えばNGO「リポート・フォー・アメリカ」 は 地方で働く意思のある若手の記者を募り、地方紙やラジオ局に紹介し、人件費の半額を助成する。
沢田 氏は、 そのNGOの紹介で記者になる夢をかなえた一人で、米東部ウェストバージニア州の新聞社で1月から働き始めたケイトリン・コイン氏(22) を取材している。
A 氏 : 米東部ウェストバージニア州 は、 主要産業の炭鉱がすっかり寂れ、医療用ドラッグの過剰摂取問題が深刻 で、 「石炭復活」を掲げるトランプ氏が今なお絶大な人気を集める。
コイン 氏は、 開放的でリベラルな風土のカリフォルニア で育って、 ウェストバージニアの大学に進学した当初は気風の違いに戸惑った が、 大学新聞で活動するうち、ある発見をした。
それは、 ウェストバージニアの人の「国の近代化と経済を支えてきた誇り。なのに誰からも顧みられない不満」。
ウェストバージニアの多くの人の心に沈殿する複雑な思い。
私 : コイン 氏は、 ウェストバージニアに 時折やってきて 、わずか数人に取材 し、「 グローバル化に乗り遅れた頑迷な保守 」と お定まりの筋書きで記事を書く大手メディアにも違和感を覚えた という。
コイン 氏は、 「パラシュート ジャーナリズムはまねたくない。社会の奥深さを私に教えてくれた人たちに報いたい」 として、 調査報道でも定評のある地元紙を志望 した。
今、週に3日は州都から遠く離れた町村を巡り、出会った人の話に耳を傾ける。
沢田 氏は、このことから、自分自身の30年前を思い出し、 「地べたを歩け」という先輩の教えはネタ探しのためだけではなく、メディアへの信頼をつなぎとめる基盤を築く営みである と、今さらながらに実感するという。
ネット時代だけに、なおさら現地取材の重要性 を感ずるね。