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小説『心のカケラ』4
小説『心のカケラ』4
そして七時、ヤサは起きあがって、リビングに駆けていった。
朝食の目玉焼きとパンは、ゆっくり食べたが、その目玉焼きの上に乗っているほうれん草は、最後にササッと食べた。
実は、ヤサはほうれん草が嫌いなのである。
「別に足とは関係ないかもしれないけれど、優一、まずそうな顔しないで、おいしそうに食べなさいよ。足にビタミンが行かないじゃない。」
とお母さんはいつもこう言う。
そして準備をして学校へ松葉杖をつきながら出かけた。
まだ、完全に杖なしで歩けるわけではないので、松葉杖はいつも持っている。
「あ、ヤサ、おはよう。」と、事件の当日に
「遊ぼう」と言ってきた友達が来た。
「ああ、おはよう。」とヤサは暗い声で答えるのである。
「あの、いつも君に、申し訳なく、思っているんだ。その、ごめん、ねんざしてるとは、その、知らなかったんだ。」
登校しながらその友達は途切れ途切れにヤサに謝った。
「もう、いいよ。」とヤサは小さくその友達に言い、少し不機嫌そうに、その友達より先に行った。
その友達に見せつけるように、松葉杖をつくのをやめて、堂々とふつうに歩いてみせた。
その友達は「あぁぁ!?」とでかい声を出し、その場に倒れ込んだ。
今日は久しぶりに早く登校できたため、みんなと一緒だ。
ヤサの友達みんなが「足 大丈夫なの?」と走って、集まってきた。
「あぁ、まあちょっと治ってきたんだ。」と少し照れて言った。
教室に入るとすぐに夢子がやってきて
「ヤサ、あんまり友達に見せない方がいいよ。」と言ってきた。
「どうしてだろう。」と言うようなヤサの顔に気づき、もう一度言った。
「だって、あんまり見られるとさらにひどいこと言われそうじゃん。絵を描けるだけじゃ、まずいと思うわよ。」
「別にひどいことは言われてないけど、まあ確かにいじめが起こるかもね・・・。」
ヤサは苦笑いした。
さっきやったことがさらに恥ずかしく思えたからだ。
もうそれ以上、ほかの友達に足のことを言うのはよそうと思った。
そして、六時に起きたときに思った、
「大切なものが戻っていくたびに、足が治る」ということを夢子に聞こうとしたのを思い出した。
「あ、そうだ。あの、僕の大切なものが戻ってくると、僕の足も少しずつ戻るのかな?」
すると夢子はヤサの方を振り向かないで言った。
「さあねぇ・・・。」
ヤサは「知らないの?」と言い返そうと思ったがやめた。
夢子はいつも、学校友達がいないのか知らないが、いつも一人でいすに座っている。
夢子はそのあと何も言わなかった。
あの時の日曜日、散歩に行ったときに会った夢子とは別人のようだった。
「どれがヤサの大切なものかわかる。」ということが不思議に思って質問したときには、
「それは何かの力だ。」と言っていたから、今度も何かの力で治っているのだろうと思った。
その日の三時間目は体育で、体育館でマット運動と跳び箱をやる。
それが今のヤサはできないので、その時間がくるのがいやでためいきをついていた。
でも時間はすぐにたつ。あっという間に体育の時間になってしまった。
足が急に痛んだ気がした。
ヤサはみんなが楽しそうに運動しているのを、体育館を囲むように周りにある出っ張りをいす代わりにして見つめていた。
改めて前のあの事故を思い出した。
「どうしてこんなふうになってしまったのだろう。」ヤサは思いこみ、悲しくなった。
体育の時間がやっと終わると、みんな汗だくになりながら小走りで更衣室へ向かった。
悲しい顔をしながらヤサはみんながでてくるのを待たずに教室へ戻った。
帰りの会の学活になった。
ヤサの学校には二人か三人、もしかするとそれ以上の「問題児」がいる。
もちろん病気やケガの苦しみをわかるはずなのに「いじめのタネ」にする。
その問題児らがさけんだり、大声で笑ったりしているのをヤサは厳しい目でこっそり見つめていた。
どうしてあんなことが平気でできるのかヤサにはわからなかった。
見つめていて、気づかれそうになっても、ヤサ自身がそれに気づかないときは、夢子が手を引っ張るようにして背けさせたりした。
ある時先生が学活の時に強い口調で言った。
「みなさん、最近この学年や別の学年で、授業に集中しなかったり妨害をする人がいます。ですから今からその改善アンケートを配ります。」
「よし来た!」ヤサは心の中で思った。
しかし、このようなものだけでは改善はできないだろうと思ったが、その点は気にしないようにした。
「このようなことで、何か思うこと、考えがあったら書いてください。」
という質問でヤサは、今までの問題児のことについて思ったことを書いた。
「授業に集中しないのは、絶対にいけないことだと思います。」
そこまで書いて手が止まった。
「授業に集中しない」
自分で書いたその部分を何度も見直した。
「自分もそうなのだろうか。」急にヤサは思った。
授業中にボーッとして窓の外ばかり見ている・・・。
でもそれは、あの事故のせいでショックを受けて心を失ったから・・・。
それを素直に認める自分と、言い訳をする自分。
どちらを信じればいいのか、わからなくなってしまった。
急にそれがおかしく思えた。
「大切なもの」、つまり「心」をなくしたのに、よくガクンと落ち込まずに生活できたな。
ヤサは「心」というものと「大切なもの」という言葉、そして足のことに対してイライラしてきていた。
まだ「大切なもの」は一つしか戻っていないということをずっと気にしていた。
いや、「一つも戻ってきた。」と言った方がいいかな。
ヤサにとっては、たくさんある宿題が一個しか終わっていないような気分だった。
そう思いこんでしまったため、アンケート用紙に書いた言葉を変えることはできなかった。
なのでもう自分の文を見たくないのですぐに提出した。
ヤサは後悔した。
もし、先生がヤサの授業態度に気がついていれば、
「自分が事業態度が悪いのにそう書くなんて何もわかっていない。」と言って、
減点され、成績が落ちるかもしれない。
そんなことまで連想して考えてしまった。
ヤサは事故があってからというもの、ずっと笑顔を見せなかった。でも何度か別の意味で笑った。
それは「苦笑い」
いつもそうだった。
最近、友達はみんなヤサには話さなくなった。
いつも静かすぎて、笑顔を一つも見せず、
足の状態を聞いても、いつも
「まあ大丈夫。」ばかり。
いじめは今のところないが、無視されたような気がしてきた。
でも夢子はどうなのだろうか。
女友達とワイワイ話して・・・・。
いや、ちがった。
一人机に向かい、何か本を読んでいる。
それに誰も夢子に話しかけてこない。
不思議に思ったヤサは、自分の落ち込んだ気持ちを振り切って、また質問をした。
「ねぇ、みんなと一緒じゃなくていいの? 一人で本ばっかり読んでいて、楽しいの?」
少し間をおいてから、夢子は本からゆっくり目を離し、ヤサの方を向いた。
「逆に聞くけど、ヤサはどうなの?」
そう言ってからまた本に目を戻した。
ヤサは驚いた。
どうせ、「さあねぇ」か、「別にいいじゃない」とかいう答えが返ってくると思ったからだ。
「えっ? えーと・・・。」
自分はどうなのか必死で考えた。
「ぜんぜん、楽しくない・・・。」
夢子は驚いたようにヤサをみた。
そして一息つくと、また本に目を戻した。
「私がここに来た理由、覚えてる?」
ヤサはまた驚いた。
「え? う、うん、一応。」
さっきの質問の答えと違うような気がした。
夢子は周りを見渡して、誰も見てないことを確認した。
「あなたの大切なものと、私の大切なものを、取り戻すためにここへ来たのだから、そんな人たちと楽しくしている場合じゃないのよ。」
ヤサは少しうらやましく思った。
それのために「楽しくしている場合じゃない」いうのは本当に遊びたくないのと同じだった。
そう考えていると、周りのことに気がつかず、ハッと思ったときには、教室の中はヤサと夢子だけだった。
「あれっ? みんなは?」
そう夢子に訪ねて、夢子が何かを言おうとした瞬間に、廊下から何かを強く蹴るような音が響いた。
まるで爆弾が爆発したような・・・。
そう考えようとしたら、また音がした。
今度は叫び声。
「あ~~! クソ野郎!」
この声でやっとそれが「問題児」だということがわかった。
そして次に、先生の怒鳴り声。
「やめろ! やめなさい!」
教室の中には、ヤサと夢子の二人以外、
誰もいなかった。
みんなアンケートを提出してから、それを見に行ったのだ。というより、こっそり様子を探っていた。
なのでヤサは、みんなに聞かれずにグチをいうのはこれがちょうどよいと思い、小さな声で夢子に話した。
「あの人たちって、なにがしたいの?」
すると夢子は、ふぅと一息ついてからまるで大人のような口調で言った。
「あなたや私と、まったく逆の性格だと思えばいいのよ。」
ヤサはゆっくりと机に目を戻し、黒板をちらっとみた。
まだ、先生のチョークで書いた「アンケート回答」という文字が残っていた。
そして、つい先ほど夢子が言った言葉を
考えてみた。
「自分は優しいけれど、その真逆は・・・。」
その夢子が残した一言に込められた考えなどを思いとろうと思ったからである。
「そんなに考えなくてもいいよ。ヤサ、あなたもっと感情を豊かにしたら?」
急にまたそう言われたので、「優しいの真逆」という考えがヤサの頭から消えてしまった。
「感情を、豊かに・・・?」
ヤサはそう言ってから心の中でその言葉を何回も繰り返した。
「ほら、そんなふうに真剣に考えて・・・。ヤサ、やっぱりあなた、笑いがないのよ。」
またヤサは考え込んだ。
「笑いが、ない・・・?」
そしてため息を一つついた。
今まで外に出ていた生徒たちも、教室に戻ってきた。
「やばい」だとか、「すげぇ」だとか
口々に言いながら入ってくる。
そのときになって、ヤサはやっと夢子の言った言葉が理解できた。
「優しいの反対は怒りっぽい」
ヤサは問題が解決したことにうれしく思って、少し笑顔を見せた。
どんどん教室の中に生徒たちが入っていき、みんなのしゃべるざわざわ声でうるさくなった。
すると夢子は驚いたようにヤサの顔を見た。
ヤサはなにがどうしたのか分からず、夢子の顔を見た。
「ヤサ、あなた今、笑った・・・?」
急に言われたのでまたびっくりした。
「夢子さんって変な人だね」
そう思ってまた笑ってしまった。
「笑ったけれど・・・、なんで?・・・!」
夢子に問いかけようとして驚いた。
今まで全く笑顔を見せず、悲しそうな顔をしていたヤサが、今初めて笑った。
「あぁ!僕、笑ってる!」
心が明るくなった気がした。
笑うってこんなに気持ちよかったのだろうかとヤサは思った。
最後に先生が教室に入ってきた。
「はい、みなさん、静かにしてください。まったく、アンケートをとった直後にこんなことがあるとは・・・。」
そして帰りの挨拶をして、みんなはどっと外へ出ていった。
窓の開閉を確認して、出席簿などを整えた先生も、職員室へ行ってしまった。
「・・・ヤサ、あなた今、心が戻った?」
「え?うそ! でも心って物なんじゃないの?」
ヤサは今までずっと、
心が「物」だと思っていた。
「それは違うわ。明るい気持ちや、思いやりで心はできているのよ。あのときは水晶玉に思いがこもっていたというだけよ。」
今日の夢子は、ずいぶん大人らしくしっかりとしていた。
ヤサは家に帰ると自分の部屋の机の上に手鏡を置いた。
そしてそこに自分の顔を映した。
また、あの暗い顔になっていた。こうしてじっくりと自分の顔を見るのは初めてだ。
鏡が傾き、夕方の太陽がピカッと反射した。
ヤサはため息をつくと、笑顔を作る練習をしだした。
この笑顔は作り笑顔だとわかっていても、真剣だった。
----この続きは、小説『心のカケラ』5でご覧ください。----
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