ワルディーの京都案内

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2015/08/08
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テーマ: 癌(3550)
カテゴリ: 癌治療情報
 朝日新聞「患者を生きる」2014年12月12日の記事です。

骨盤にできた骨肉腫の切除手術の後、歩行が困難になった看護師のYSさん(27)は2010年7月、がん研有明病院への復職をめざして話し合いに臨んだ。

 日常生活は車いす。抗がん剤の治療も続く。それでも、治療の経験や患者仲間との出会いを経て、看護師を続けようと決意した。

 職場である泌尿器科の看護師長や整形外科の主治医、両親らが顔をそろえた。「応援するよ」。師長らは心強い言葉をくれた。

 主治医の下地尚さん(51)は言った。「できないことを伝え、できることは堂々とやりなさい。邪魔者扱いされ、つらいことを言われるかもしれないよ」。看護師は命に直結する仕事だ。重い責任がある。医療に携わる同僚として、自覚を持たせたかった。

 「やれることを精いっぱいやる」。YSさんは覚悟を決めた。

 8月末、9カ月ぶりに泌尿器科病棟に復職した。平日4日間で日勤のみ。文書処理やナースコールの引き継ぎから始めた。

 抗がん剤治療が続き、体調の悪い日もあったが、極力顔には出さなかった。同期の成長に焦り、無理して出勤した日もあった。同僚はいやなことを一つも言わなかった。事務的な業務を的確にこなし、次第に頼もしい存在になった。

 11年夏に抗がん剤治療を終えると、新しい看護師長が受け持ち患者を持つよう提案した。現在副師長の山尾文子(やまおふみこ)さん(33)ら同僚は驚き、心配した。「患者さんに何かあったら。大丈夫?」。しかし、「看護師の仕事は患者さんあってこそ。できるかできないかは本人が決めること」と言う師長に、みな納得した。支えと叱咤(しった)の中で、大きな一歩を踏み出した。

 ただ、仕事では手助けが必要なこともある。緩和ケアの看護師になる将来像も描けなくなった。

 12年春。新聞の告知で知った、がんを経験した看護師でつくる「サバイバーナースの会 ぴあナース」の懇親会に参加した。つらかった治療、仕事の不安を打ち明けると、「同じじゃなくても、働いていていいんだよ」と励まされた。患者になって、患者の話に耳を傾ける大切さに気付いた仲間たちはみな、「がんの経験を仕事に生かしたい」という。自らの将来も見えてくるようだった。


写真:「ぴあナース」の会で体験を話すYSさん=今年10月、青森市






(患者さんの名前はイニシャル表記にさせていただきました。写真掲載も控えさせていただきました。)


 ただでさえ大変で責任の重い仕事。他人の命にかかわる仕事でもあります。がんと闘いながら仕事を続ける他の患者さんのためにも、ぜひがんばって欲しいと思います。


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最終更新日  2018/09/20 06:33:59 AM
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