ワルディーの京都案内

ワルディーの京都案内

京都在住で京都を楽しんでいます。大学で京都学の研究もしています。京都観光のご参考になれば幸いです。その他、現在闘っている「がん」、過去の「がん」闘病記、海外での思い出などを綴っています。
2026/07/26
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テーマ: 京都。
カテゴリ: 京都研究
伏見稲荷大社とその周辺の「お滝」について その3
ワルディー・ヨーリョ

7.現地踏査
 各「お滝」の歴史は、文献には掲載されておらず、現地踏査が大きな情報源となった。滝建立記念石碑 (図1) 、石の鳥居や「お塚」 (図2) などに彫られた年代を調査したり、教祖様や管理者(「滝茶屋」と呼ばれる (図3) )の方への取材を行ったり、都合13日間にわたって現地踏査を行った。 五社滝 荒木滝 ねざめ滝 権太夫滝 間力滝 白滝 薬力滝 不動滝 末広滝 白菊滝 七面滝 鳴滝 青木滝 弘法滝 命婦滝 八島滝 清メ滝








 この研究を始めるきっかけとなった権太夫滝では、教祖様に作法を教えていただきながら、初めて 滝行体験 をさせていただいた (図4) 。4月中旬のまだ寒い日であり、体が凍え、短時間で終わらざるを得なかったが、清廉な気持ちになり、身体の内から力が湧いてくるのを感じることができた。教祖様が 「命の危険を伴うので、物見遊山の方はお断りし、初心者の方には必ず付き添います。」



 七面滝、鳴滝では、かつての管理者は住んでおられず、彫工の 大岩広生 氏が家屋をアトリエとして活用しながら管理しておられる。七面滝は近くの 日蓮宗宝塔寺 の境外飛地であり、日蓮宗門徒の滝行場となっている。月に一度、大阪府柏原市欣心寺のご住職と信者連が滝行に来られるというので見学させていただき、お話をお伺いすることができた (図5) 。ご住職曰く、 「昔、滝行をする人が多かっのは、流行のようなところもあった。今は本当に信心深い人の滝行のみが残った。」  第6章に大正時代から昭和初期にかけて「お滝」を網羅した地図が多く発行されたことを示したが、これは当時は「お滝」が修行の側面以外に、観光の側面を持ち合わせていたからではないだろうか。






8.鉄道網の発達 (少し横道にそれます)
 「お塚」や「お滝」が、明治時代後半から昭和初期にかけて急増したのは、鉄道網の発達で参拝者が急激に増加したことが一つの要因だと述べた。この研究の過程で、京都駅より南側の鉄道網の変遷には面白い歴史があることが分かった。既知のことで、ご存じの方も多いと思うが紹介しておく。 図6 を見ながら読んでいただくと分かりやすいと思う。


 京都~稲荷駅南:現JR奈良線   稲荷駅南~太谷:ほぼ現名神高速道路
・1895年(明治28)京都電気鉄道 七条停車場~下油掛間 開通
・同年~1896年 奈良鉄道 京都~伏見~宇治~奈良 開通
 京都~伏見駅南:現近鉄京都線   伏見駅南~奈良:現JR奈良線
・1904年(明治37) 京都電気鉄道、勧進橋~稲荷間 開通
・1907年(明治40) 奈良鉄道国有化
・1910年(明治43) 京阪電気鉄道 五条~天満橋 中書島~宇治 開通
         (京電稲荷線と平面交差) (図7)
・1918年(大正7) 京都市が京都電気鉄道を買収。路線は京都市電に。
・1921年(大正10) 官営鉄道 東山トンネル開通で、東海道線は東山トンネル経由大津
 これに合わせ、官営鉄道(旧奈良鉄道):京都~伏見は廃止、稲荷~桃山に新線敷設
 ⇒官営鉄道奈良線 京都~稲荷~桃山~宇治~奈良
・1928年(昭和3) 奈良電気鉄道 京都~西大寺 開通
 京都~丹波橋:官営鉄道(旧奈良鉄道)の旧線・旧線跡 丹波橋~西大寺:新設
・1963年(昭和38) 近鉄が奈良電気鉄道を合併⇒京都~西大寺は近鉄京都線に
・1970年(昭和45) 京都市電伏見線、稲荷線 廃止


図6




                                   「その4」に続く


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最終更新日  2026/07/27 11:23:13 AM
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