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一ヶ月分の給料を私にプレゼント?して下さった奇特な人を思い出しました(^^)
私の高校時代のバイト先での話しです。
そこは鰻と天婦羅の店で、隠れた名店!という感じの美味しい料理屋だった。
ある時その店の遠縁にあたる20代の見習いさんが修行にやって来た。
童顔ですごく若く見えたので、歳もあまり変わらないのに遠い地方から住み込み修行
に来たのだとばかり思い、とても親切に店の細々とした事などを教えたり、少し先輩ぶ
っていた(3年もバイトしていたので)
彼も、たかが学生バイトの私なのに、とても頼りにしてくれていたのだが・・・
しばらくしたある日、店のご主人が「○○ちゃん、座敷のお客さんにお茶出してきて、時間気に
しないでいいから話しして来ていいよ!」と言うので、お茶を出しに行くと、上品な着物に羽織
姿の50代の女性が座っていた。そばには、仕事中の白衣のままの彼の姿も!???
「あっ、紹介します!うちの母です。」と彼があわてたように言うと・・・
「息子がいつも大変お世話になっています。あなたのお話しは息子からよく聞いています^^」
お母様から深々とお辞儀をされて私も少々驚いた。
後で聞くと、彼は築地の老舗割烹の息子で、何と!30歳で(若く見えた!)
店の跡継ぎなので他の店に修行に出され、遠縁にあたるこの店で働いていたらしい。
そして、私はどうやら彼にミソメラレタ?ようなのだ(^^;)
そして私をお母様に紹介する為に私にお茶を出すように店の主人が言ったのがやっと
分ったのだった、(まあ、お見合いみたいな^^)
まあ、とにかく驚いたものの、私としては、お嫁に行く気は全くない!(笑;;)
そんな事があってからも彼も働いていたし、私もバイトを続けていた。
夏のある日、午後の暇な時間に、外でお通しの枝豆をチョキチョキ~~切っていると、彼がやって来て、「あっ、手伝うよ!」と言った。
「夏休みに遊ばないバイトするなんて偉いネ~~!」(何か妙に大人ぶって言う)
「遊びにも行かないで働いて、何の為に?」と聞くので、少しム~ットきた私はわざと・・・
「何の為って?お金の為ですよ~お金が欲しいからバイトしているんじゃないの~!」
わざと生意気で可愛気なさそうに答えた(><、)
「ふ~~ん、そうなんだ。。。」と寂しそうに言って、店の中へ入って行った。
それから少しして、彼は店を辞め実家の店に戻って行った。
ある日、店のご主人から「○○ちゃん、これ、預かっていたから」と封筒を渡されて、開けない
うちに、それがお金だとわかった!
「給料を渡そうとしても、受け取らないで、○○ちゃんに渡してくれって言うんで困ってたんだよ」
「でも、私、お金はいただけないので・・・」と言ってそのまま返した。
私は内心、「あっ!あの時私があんな事を言ったからだ!」とピーンときたが、黙っていた。
「仕方ないな~。じゃぁ、返しておくよ」
あの当時でも一ヶ月分の給料だから、かなり入っていたように思う(^^;)
彼の意図が何なのかを考えると複雑な気持ちになったのを憶えている。
バイトをしないと暮らしていけない可哀そう?な高校生の私に同情してくれたのかしら(><;)
わざと嫌われたくて(何だか彼の気持ちが重くて・・・)生意気な返事をしたのだけど・・・
きっと彼は哀しかったんだろうナ、と今になって考えるとわかるような気がする。
「あのう、私お給料失くしたんですけど。。。」と言ったらきっと、
「自業自得だね。」と言われるだろうな~~~~(笑;)