Jan 10, 2006
カテゴリ： ふたりの時間
指折り数えながら来る日を待っていたあの気持ちがそのまま蘇って
まだ過ごしたあの時間はこれから先にあるような気までする
朝はやっぱり来て
薄暗い雲の下の最後の日。
那覇までは同じチケットを持って
その先は別々の行き先で
帰らないで、というと
困ったような、ちょっと笑ったような顔で
少し上を向いた。
那覇までの飛行機の中では雲の上の景色に喜んで
ちょしたり、ちょされたり、人目を気にしながらキスしたり、
気がついたら飛行機が着陸してしまった。
那覇空港ではあまりもう時間がなくて
何を話すわけでもなくて
なかなか会えないよね、って
今度はいつだろう、って鬼が笑うような話ぐらいで。
それでも名前を呼ばれるまで搭乗しないで私の横にいた。
残り5分、私の持っている煙草の火を消すのを見計らって
「じゃ、そろそろ行くわ」って。
1年前、はるか遠くに歩いていく彼にしたのと同じように
機内へ向かって、振り返りながら歩いていく彼に手を振って
最後にもう一度振り返って、私に手を振ってくれたのが最後に見た姿。
どうせ過ぎる時間ならば、遠いけど、
ものすごく遠いけれど、
そんな時間を静かに待てればいい。
今だって会いたいけれど。
横にいて欲しいけれど。
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