ふたり暮らしの手帖

ふたり暮らしの手帖

PR

プロフィール

サリィ斉藤

サリィ斉藤

バックナンバー

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07
2025.06
2025.05
2025.04
2006.07.30
XML
カテゴリ: 映画の話
このところ、私は妙に映画の神様に愛されているらしい。

映画が好きでも、不思議と映画館から足が遠のく期間というのもあるものです。
が、今は逆に「映画づいている」運勢のようで。
昨日偶然、いつか必ず観たいと思っていた「かもめ食堂」が、隣町で公開されていることがわかったのです。

以前の日記 で、実家の母から、可愛らしいこの映画のパンフレットを贈ってもらったことを書きました。

その他、数名の友人からも「すごく良かった!」という評判を聞いて、出来れば映画館で観たいものだと思っていたので、いそいそと出かけてきました。

フィンランドという異国の地で、小さな食堂を経営する日本人女性、サチエ。
その彼女のもとに、一人、また一人と女達が現れて、ふとしたきっかけから食堂を手伝うようになる。
開店後、一ヶ月閑古鳥が鳴いていた「かもめ食堂」の店内に、たくさんの人々が訪れるようになるまでの日々を、淡々と描いた静かな映画。


一見、フワフワとした“大人のおとぎ話”にも見えてしまう物語でもあるのだけれど。

「やりたくないことはやらないだけ」
と言いきり、その場その場の空気は読みつつも、人の感情を損ねないように気を遣いつつも…絶対に、自分のスタイルへのこだわりを曲げない潔さを持った主人公。

小林聡美演じる彼女が、恐らくはそれまでの人生において、山ほどの「やりたくないこと」を受け入れてここまで来たたのだろうなぁ、と思わせる…その演技・演出はさすがだなぁ、と思いました。

フィンランドまで行くことは出来なくても、日々を丁寧に生きて、目の前の生活をおろそかにしないだけの労力を惜しまなければ、これぐらい地に足のついた大人にはなれる、と教わったような。

食堂は持ってなくても、大切な誰かに、居心地のいい空間を用意して、ホッとさせてあげたくなる。
シナモンロールは焼けないけど、いつもより丁寧に、心を込めてコーヒーを淹れたくなる。

…映画を観終わって、そんなやさしい気持ちになれる心地よさが、ここまでヒットした理由なのでしょうね。

エキセントリックな風貌の片桐はいりが、一番平均的で、フツーの思考回路を持つ日本人だというのもおかしかったし、もたいまさこの落ち着いた、それでいて妙に可笑しい存在感も、秀逸。

いろいろな小さな事件は起こりつつも、大げさなドラマは何もなく時間が流れていくのに、もたいまさこがおにぎりを頬張る、それだけのシーンで、なぜだかボロボロと涙が出てしまいました。

【サントラ盤のジャケットはマリメッコ?映画の中で出てくる服もかわいいのです♪】

オリジナル・サウンドトラック/かもめ食堂





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006.07.30 23:14:02
コメント(14) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: