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カテゴリ: 映画の話
印象的なタイトルに惹かれて、いつか観たいと思っていた映画でした。

17歳の頃、抱いていた恋心。
でも、はっきりと言葉で伝えることは出来なくて、その想いは成就しなかった。
やがて17年の歳月が流れ、34歳になった同級生の二人は再会する。そして・・・



・・・という、ストーリーのアウトラインはあらかじめ知っていたのだけれど、ある意味、事前の予想を裏切られる展開が続きました。
登場人物はごく僅か、そしてとても限定された人間関係を描いているのに、予定調和とは無縁の、張り詰めた空気が漲っていて。

シーンとシーンの間をつなぐ、頻繁にインサートされる雲の映像に、ふうっと息継ぎをさせてもらう感じが心地よかったです。

どぎつさとは無縁の、淡々とした、シンプルな白磁のような作品でした。

BGMが殆ど使われないこの映画の中で、登場人物たちが奏でるギターの音色が殊更に美しく響きます。

そんなきれいな情景がたくさん詰まった映画でもあります。

本当に好きな人の前に立つと、素直な自分になれない。
そういう、「肩に力が入ってどうしようもない感じ」を見事に映し出した、高校時代のキャスト(宮崎あおい、瑛太)が素晴らしかった。

まるで、岸辺の水門の陰から、二人の大切なひとときを盗み見しているような、そんな錯覚にさえ陥りました。

そして、人生経験を重ね、日々の暮らしに少しだけ疲れ、進む方向を見失っているような現在の二人(永作博美、西島秀俊)のリアリティも、ひしひしと伝わってきました。

自分の中の、一番恥ずかしい部分を見られてしまうこと。

それは時に、相手を刺してやりたいと思うほどの怒りを駆り立てることもある。
けれど逆に、そのことで柔らかく結びつく心もある。

どんな人生もドラマティックで、どんな人間関係も奇跡を秘めている。
そんなことを思わせる、清々しいエンディングが印象的でした。





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最終更新日  2007.09.26 01:48:02
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