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カテゴリ: 本の話





例えば、名作「乃里子三部作」の復刻判(単行本)は、こんな感じ。



講談社文庫で復刊された作品は、上楽藍さんが作られた手ぬぐいが表紙になっています。本棚に納めてしまうのがもったいなくなるほど、かわいい!



今回読んだ「春情蛸の足」は、美味しい食べものとオトナの恋ごころをモチーフにした短編集。

「何たって、男女二人して、(これ、おいしいわ、ね、あなた)(うん。うまいなあ)というのが人生至福の境地なのだ」 -“慕情きつねうどん”- 

という一文が象徴するように、どの物語にも、全然高級ではないけれど、奥深い魅力のあるご馳走たちが登場して、空腹時には絶対に読んではいけない本です。
おでんって、うどんって、お好み焼きって、こんなにも美味しそうで魅力のある食べものだったのか…と、頁をめくる都度、再発見させられました。(そしてすぐにでも食べに行きたくなりました・笑)

おせいさんの小説の何が好きと言って、どの小説にも、ハッとさせられる、読む側の心のツボに鍼を打ち込むようなアフォリズムを見つけられること。

そして何より、歳を重ねていくことって悪くない…と、心の底から思えることです。


そういうオトナたちを指す言葉は、「おじさん、おばさん」よりも、やっぱり関西弁の「おっっちゃん、おばちゃん」が似合うみたい。
若さの持つキラキラ感とは別の種類の輝きが、確かにそこにはあるのです。

解説の小川糸さん(食堂かたつむりの著者)も書いておられましたが、読後は心を満腹にして「ご馳走さま!」と言いたくなる一冊。男女を問わず、お奨めです。





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最終更新日  2010.05.18 21:49:52
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