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初めてのコンタクトレンズ なぜ眼科医が選ぶべきなのでしょうか?コンタクトレンズは眼鏡(メガネ)と異なり、角膜に直接触れて使う視力補正用具であり、目の健康を損なう可能性のある危険な道具です。そのため心臓ペースメーカーや人工呼吸器と同様に安全管理を要する高度管理医療機器に指定されています。コンタクトレンズを装用することの出来る目と、出来ない目があり、またレンズの種類や使い方が限定される体質や目もあるのです。その判断が出来るのは眼科専門医だけです。心臓病の患者さんが自分で心臓ペースメーカーを選ぶことができないことと広い意味で同じなのです。コンタクトレンズを使用したいとお考えの方は、お近くの眼科専門医に尋ねてみて下さい。あなたの目が適応かどうか、どんなレンズがいいのか説明してくれるはずです。 ←クリックしていただけると嬉しいです。
2007年01月25日
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初めてのコンタクトレズ誰に処方を受けるべきなのでしょうか?次の3つのうちからお考え下さいね。1)コンタクトレンズ販売店または眼鏡店のスタッフ2)コンタクトレンズ店指定クリニックの眼科が専門で無い医師3)コンタクトレンズ店指定クリニックの眼科医4)眼科専門医コンタクトレンズは医療機器ですので、コンタクトレンズ販売店や眼鏡店に行って、すぐに買うことはできません。最初に眼科を受診し、適性検査を受けて、自分の目に合った種類、規格のコンタクトレンズの処方を受けなければなりません。都会ではコンタクトレンズ専門店と称する安売り店や量販店が広告を出し、またインターネットによる通信販売でも同様に広告が出ていますが、どこで購入するにも医師の処方を受けてからでなければ安全に使用できるコンタクトレズを購入することはできません。安全で快適に使用できるコンタクトレンズの処方、使用開始後の安全管理、合併症の治療を十分にできる知識と技術があるという点からの答えは 4)眼科専門医ということになるのです。 ←クリックしていただけると嬉しいです。
2007年01月24日
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誰がコンタクトレンズを選ぶのか?「Saltyのコンタクトレンズ診療最前線から」初めてのコンタクトレンズを作ろうとした場合、どうやってレンズの種類を選んだら良いのでしょうか。そして誰が選ぶのでしょうか。自分で選ぶの?眼科医に選んでもらうの?答えは次の6つのどれかですよ。1)家族や友人に聞いて自分で選ぶ2)値段の安いものを自分で選ぶ3)痛くないものを自分で選ぶ4)面倒なのは嫌なので便利なものを自分で選ぶ5)ライフスタイルに合わせて自分で選ぶ6)処方する眼科医に相談して選んでもらう どうです、皆さんのお考えはいかがでしょうか。正解は6)なのです。自分で選ぶのが当然だと思っていた方も多かったのではないでしょうか。特にコンタクトレンズを生まれて初めて使う方には、コンタクトレンズの良いところ、悪いところが分かりませんので、どのような理由があっても自分で選択することはできません。コンタクトレンズは、屈折異常の矯正効果(眼の特徴によって異なる視力の出やすさの効果)と安全性の高さ(涙の量や質、瞼の形などで異なります)のバランスを考慮して、種類、メーカーが選択されます。ですから眼科医以外には選ぶことはできないのです。特殊な条件が無い目で選ばれるコンタクトレンズは何でしょうか? コンタクトレンズユーザーへの宿題です。答えは、いずれお書きします。ずっと先かもしれません。 ←クリックしていただけると嬉しいです。
2007年01月23日
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「Saltyのコンタクトレンズ診療最前線」をアップするにあたって折に触れてコンタクトレンズによる眼障害、特にその原因への不満を漏らしてきました。どうしてこれほど嫌な気持ちになるのでしょうか。自問してみました。そして・・・小生にできることは、コンタクトレンズ診療の最前線からの情報を伝えることです。コンタクトレンズについてインターネットで流されている情報は、ほとんどがネット販売するための宣伝か、患者さんあるいはお客さんを増やすための、営利を目的としたものばかりです。正しい内容も多いのですが、それらは情報発信元に都合の良い情報ばかりです。本ブログの書き込みコメントで、「コンタクトレンズのことを書いて教えて欲しい」の一言に背中を押され、一人でもコンタクトレンズによる眼障害の患者を減らし、ひいては小生の診療における不満、ストレスの減少に役立てるため、これまで臨床経験と専門的知識からの情報を提供しようと思うに至ったのです。 ←クリックしていただけると嬉しいです。小生はコンタクトレンズの通販をしているわけではなく、どこかのメーカーに加担する研究者でもありません。これ以上患者さんが増えて忙しくなりたいと思ってもいません。営利を目的とせず、義のため(大げさですが)にコンタクトレンズの情報を提供するブログが一つぐらい増えてもいいのではないかと思うのです。楽天ブログは、検索に掛かりやすく、コンタクトレンズユーザーの目に留まるチャンスが多いのではないかと思い、他にもブログを立ち上げましたが、多少重複してでも、この場も使おうと考えたのでした。 ←クリックしていただけると嬉しいです。ブログらしく、ほとんど毎回、考えながら書いていきますので、前の内容と重なることもあるかもしれませんが、ご容赦下さい。また他に迷惑がかかるようなことを避けるための配慮として、オブラートに包んだり、ティッシュペーパーに包んだりしたような表現も多くなるかもしれませんが、深いところの意味をご推察いただければ幸いです。最低週1回ぐらい、更新したいと思っています。小生にほとんどなんら益のない自己満足にすぎないブログ内容ですが、それもまた「Salty’s blog だけど釣れない…」なのだとご理解いただければ嬉しいのです。ご自分がコンタクトレンズをお使いの方はもちろん、これから使おうと思っている方、ご家族(子供さん、お孫さん)、お知り合い、同級生、職場の仲間が、決して間違ったコンタクトレンズによって眼障害を起こさないために… ←クリックしていただけると嬉しいです。■ 第23回オーパー!ルアーコンテスト は 4月15日(日)9:30~11:30
2007年01月22日
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あぶくま親水公園の白鳥たち正月明けはコンタクトレンズによるトラブルを抱えた新患が多くなります。それまで通っていたディスカウンターの指定医療機関に行けばいいものを、と思うこともありますが、そこで病気が治らないから小生のところを受診するのですから快く受け入れなくてはいけません。コンタクトレンズの誤使用(着けたまま寝る、使用期間のオーバーなど)や取り扱い不備(消毒しない、ケースを変えない、手を洗わないなど)は自己責任ですから、失明しても諦めがつくのでしょうね?(これからも社会生活をするつもりの若者は諦められないかな? 諦められるわけがありません)。気の毒なのは自分の目に合っていないコンタクトレンズを買わされたことによって、眼障害(角膜炎、乳頭結膜炎、結膜充血など)が起きたり、不定愁訴(頭痛、肩こり、眼疲労など)が出てきたりした方です。ちょうど先月、新聞で悪質なコンタクトレンズ診療所のことが取り上げられていました。ここで問題になるのは被害者たるコンタクトレンズ使用者は自分では原因が分からず、原因不明で障害が起きていると思うしかないことです。原因が処方者あるいは販売店にあると分かったら、さぞかし許せない気持ちになることでしょうね。 ←クリックしていただけると嬉しいです。セコンドオピニオンとなる眼科医、その中でもコンタクトレンズの専門的知識のある眼科専門医には、原因が明らかに医原性と判断できるケースを経験することも多いのでしょうね(本当のところは知り得るところではありませんが)。それはそれで困る問題が生じます。治療のことばかりでなく推測できる原因を患者に話すべきかどうか。それは診療には関係ないのだから聞かれなければ話さない… トラブルになることも想定しなくてはなりません。小生などは不正義ができませんので、こういう診療をしたくないというのが本音です(急に無口になります?)。コンタクトレンズは人工呼吸器や心臓ペースメーカーと同じ高度管理医療機器です。購入先を値段だけで決めていることに患者の自己責任はないのでしょうか。処方を受ける医療機関を眼科専門医なのかどうかで、確認して選択しているのでしょうか。今はインターネットで簡単に調べられるようになっています。眼科専門医の名前は、医師のためにではなくて患者のために公表されているのです。病気は世間一般では患者に自己責任などないことになっていることは理解していますが、病気は病気でも、ことコンタクトレンズによる眼障害に関しては、最前線の現場にいると、患者自身に責任があるように思えてならないのです。自己責任、小生の不正義、昨日一日だけで何人診たことか… 松の内が終わる頃、いつも愚痴をこぼしたくなります。こんなことを書いていると、本当に商売上がったりになってしまうかもしれませんね。 ←クリックしていただけると嬉しいです。
2007年01月12日
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本日午後、無事に講演を終えました。写真に撮ってもらえる知り合いはいませんでしたので、一緒に講演したX先生を撮りました。小生の講演予定時間は50分でしたが、少しオーバーしてしまいました。こういう長時間の講演を初めてしたのは15年前のことです。その当時は、演壇に原稿を置いて読みながらの講演でした。今思えば、講演を依頼してくれた方や聴衆に対して、これはど失礼なことはなく、とても恥ずかしいことでした。それなら資料を配ればいいだけで、講演なんてしないほうがよほど良いのです。さすがに今では、心臓に毛が生えてきたお陰で(その分、頭の毛は薄くなっておりますが)、何とか様になるようになりました。X先生は日本のコンタクトレンズ学会理事の権威の先生です。よく小生の講演の座長をしてくれています(今年でけで2回もです)。その先生と一緒に講演できるなんて、本当に光栄なことです。今回の講演では、ちょっと格好をつけた終わり方をしました。自分で撮った小生の住む町から見える風景写真をエンディングスライドに入れたのです。シャイな小生には大冒険です。それから副題に「ウロコ」とい言葉が入っていたところがポイントです。ちょっと大げさすぎて、自分では付けられないタイトルなのですが、講演依頼者が、小生の講演に注目が集まるようにと付けてくれました。釣りを連想してしまい、何となく嬉しかったのでした。 ←ブログランキングにエントリーしています。 クリックしていただけると嬉しいです。
2006年11月11日
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(お台場のホテルの窓から見た朝日です。PentaxのOptio Wpはグリーンボタンで露出補正やISO感度変更がすぐ出来るので、なんとか太陽が昇りきらないうちに撮影できました。高感度カメラではないので、ノイズは仕方がありませんが…) コンタクトレンズ診療では、それまで使用していたレンズのデータを調べますが、ハードレンズなら、小さ過ぎるカーブと強すぎの度数、ソフトレンズなら強すぎの度数というのが、普通です。 前医のデータを信じて、第一選択レンズの規格を決定し、フィッティングや屈折矯正で良い結果になった経験がありません。 (左のビルはフジテレビ本社です。) それでも、地域で評判の良い眼科医ならば、大丈夫だろうと、そのデータでディスポーザブルレンズをテスト装用してもらうことがあります。 それは愚かな考えであることが、今ではよく分かっています。同じ眼科専門医であっても、ことコンタクトレンズ診療に関する限り、餅は餅屋でなくてはならないのです。 (朝日の撮影とは、何て早起きなのでしょう。歳をとった証拠ですね。寝ぼけ顔の自画像です。) ← 人気ブログランキングに登録しています。クリックして、ランクアップを応援して下さいね。 by Salty しかし残念なことに、餅屋を知っているのは、餅屋だけです。 以前ある専門家が「本当の餅屋は、日本に5人ぐらいしかいないだろう」と言っていたのは、嘘ではない、と思えるようになった今日この頃です。
2005年11月30日
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(お台場にある自由の女神像です。) 病的な眼の疲れを眼精疲労といいますが、その原因の多くに不適正な屈折の補正方法があるそうです。つまり、合わない眼鏡やコンタクトレンズが原因となっているのです。 薄暗い部屋で物を見ると疲れます。こんな暗い廊下で新聞など読む人は、いないはずです。合わない眼鏡やコンタクトレンズを使用するということは、これと同じように不適当な環境で眼を使う、ということなのです。 ← 人気ブログランキングに登録しています。クリックして、ランクアップを応援して下さいね。 by Salty 眼鏡やコンタクトレンズが適正に処方されれば、眼精疲労は減少し、ひいては無駄な医療費の抑制に繋がる、という考えもあるほどなのです。
2005年11月29日
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(お台場のホテル前のクリスマス・イルミネーションの画像です。ここで土曜日は少しだけ日本酒美少年を飲みました。) あるコンタクトレンズ研究の専門家から「耐震計算書偽造問題が、コンタクトレンズの不適正処方と似ている」という考えを聞く機会がありました。小生も「何となく似ているな」という考えを持っており、同じ考えに驚きました。 真剣にコンタクトレンズ診療に取り組んでいる医師にとって、現在のコンタクトレンズ診療と販売の実態は、あの事件と同様に不正に満ち溢れていると感じられるのです。 耐震構造計算書は、コンタクトレンズでいえば、コンタクトレンズ処方箋あるいは指示書です。ここに購入すべきレンズの規格、すなわちレンズの種類、カーブ、度数、サイズが書いてあるのですが、意図しようが、意図しまいが、これに不適正なものが多過ぎるのです。 耐震強度偽造マンションの住人は、これまで住んできて、人命に関わるような困ったことは、ほとんどなかったはずです(少しのひび割れは、あったようですが)。 コンタクトレンズ使用者自身が被害を被っていることを知ることは、めったにないことでしょう。この点がとよく似ていると言えるのです。 マンションの住人の場合は、震度5強で建物が壊れても、今回の事件の露見がなければ、原因は分からず仕舞いであったかもしれません。 コンタクトレンズでは、眼障害や眼精疲労、その他の身体不調があっても、本当のコンタクトレンズ診療の専門家が診なければ、原因は分からずに終わることでしょう(田舎町でもコンタクトレンズが原因の頭痛や眼精疲労の何と多いことか!)。 どうです、そっくりでは、ありませんか。 ← 人気ブログランキングに登録しています。クリックして、ランクアップを応援して下さいね。 by Salty 耐震計算書偽造の場合は、建設コストを下げることが目的ですが、コンタクトレンズの場合は、いったい何が目的なのでしょうか。機会があればまた書きたいと思います。(続く…)
2005年11月28日
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小生には、無意識に感情を押し殺してしまうようなところがあります。職業的に当然のことだと思っています。 ですから最近は、不適正なコンタクトレンズを処方されている方々を診ても、「世の中は、こんなものなのだろう。怪しげな所で購入しているのなら仕方がない。」と諦めの胸中で、何の感情も生まれ来ないようになっていました。 コンタクトレンズ処方は医療行為の一部なのですから、本来なら不適正な処方など許されるべきことではありません。それが日本中で、日常的に行われているなんて・・・ 昨晩の疲れが残っているためでしょうか。今日は、怒りの言葉を発したくなりました。詳細は書けませんので、替わりに白菜を、ばっさり切らせてもらいます。 釣りとは関係ありません。ひとり言ですので、皆様、お気にしませぬように・・・ ← クリックして、ランクアップを応援して下さいね。ブログランキング継続中です。by Salty
2005年11月21日
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日本眼科学会雑誌109巻10号にコンタクトレンズ診療ガイドラインが掲載されました。これからはコンタクトレンズ診療も医師の裁量権のみによる診療ではなく、ガイドラインを標準とする診療が行われるはずです。 このガイドラインを読むのは日本眼科学会所属の眼科医です。しかし、適正とは思われない診療を行っているのは、ほとんどが眼科が専門ではない医師たちです。これで今後、コンタクトレンズ診療は本当に変わるのでしょうか。 20年前に「乱視用のソフトコンタクトレンズはないので、ハードコンタクトレンズにしなさい」と言われていた方、10年前に「遠近両用ハードコンタクトレンズは、まだ実用の域に達していない」と言われた方、に会ったことがあります。 小生らは、20年前には普通に乱視用のトーリックソフトコンタクトレンズを処方していましたし、10年前には普通に遠近両用ハードコンタクトレンズを処方していました。処方成功率、装用継続率とも一般のレンズを上回っていました。これが他の病気の治療であったら、どうなるのでしょうか? もう、こんな嘘は通用しない時代になるはずです。 実は小生は、ガイドラインの執筆者の一人なのです。一般の眼科医のレベルに合わせて、とても低い基準で書いております。この基準をクリアできないような医師がいないことを祈るばかりです。 そんな医師は、伊達政宗公が許さない! と思い写真を掲載しました(失礼、こじつけですね)。
2005年10月12日
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東京の眼科医からコンタクトレンズの過矯正(強すぎの度数)による合併症について聞く機会がありました。そういった患者には、頭が痛い、眼が疲れる、といった不定愁訴で眼科を転々と受診し、いわゆるドクター・ショッピングをしている方が多いそうです。 ドクター・ショッピングに至ってしまう原因は、患者が自分の症状に対する医師の診断に不満があるため、自分の考え通りの診断をしてくれる医師に遭遇するまで病院、医院を巡っていくことにある、すなわち患者側に原因がある、と一般には考えられているようです。 しかし、ことコンタクトレンズに限って言えば、ドクター・ショッピングの原因は違っているようです。その東京の眼科医の話では、大病院や大学病院の著名な眼科医であっても、過矯正については適正な診断と治療ができず、その眼科医の診療所を受診して初めて過矯正であることが分かるケースが多いそうです。つまりは眼科医側にも原因はあるのです。 もちろん、過矯正を作ったコンタクトレンズの処方者(医師)には、過矯正の診断ができない医師以上に問題があるはずですが、それが咎められることがないのがコンタクトレンズ診療の現状です。
2005年09月15日
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「乱視が強いのだから我慢しなさい、と医師に言われている」と自分の視力不良を妙に素直に受け入れてしまっているコンタクトレンズ装用者に出会うことがあります。 こういう方は、もうすっかり乱視の矯正を求めなくなっており、良好な視力をあきらめている・・・ 乱視のために本当にコンタクトレンズでの矯正が限界であるならばよいのですが、往々にしてそういう方は、コンタクトレンズの診療が専門でない眼科医や眼科が専門でない眼科医のところでコンタクトレンズの処方を受けており、適正な対応をされていないことが多いようです。 そんな方を診る時、小生は、安い価格や待ち時間の少なさで、処方施設を選んだコンタクトレンズの使用者自身にも責任があるかのように、思ってしまうことさえあります。しかし、本blogを時々訪問してくれているぴゃあ-01さんの「旅人の説教」は、小生の考え違いを自省させてくれました。 川でおぼれる子供を助けるのが、この際、旅人に運命として与えられた役目なのです。川でおぼれるような行為をしたことを責めるのは、その子の保護者たる親や教育をする先生の役目なのです。 コンタクトレンズ診療を専門としている小生の役目は、眼障害を治療・予防し、適正なコンタクトレンズを処方することにあります。その原因を作った医師とそのような医師による処方を受けた方を責めることではないのです。 しかし、それでも、憤懣遣る方無い日の何と多いことか。そんな日にはススキ原を眺めるのが、精神衛生上いいような気がします。
2005年09月14日
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9月22日に当地でもジョンソン・エンド・ジョンソン社の1日交換型使い捨てレンズ「ワンデーアキュビュー・モイスト」が発売になります。 このレンズはすでに発売されている1日交換型使い捨てレンズ「ワンデーアキュビュー」と素材・デザインは同じですが、ブリスターケース中の保存液にレンズの表面をコーティングする保湿成分が含まれています。そのためメーカーの説明では「乾燥のためコンタクトレンズの装用を中止した方やコンタクトレンズの使用をあきらめていた方」でもコンタクトレンズの装用が可能なほど乾燥感が少ないらしいのです。 すでに北海道地区では先行発売されており、評判は良いそうです。実は、当クリニックでは6月から試験処方をしており、私はこのレンズの特徴をよく知っております。規定により、試験結果の情報をお伝えすることができないのが残念です。
2005年08月30日
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買ったばかりのソフトコンタクトレンズ、そんな新品のコンタクトレンズが時限爆弾になったら、どうしますか? 実際、こんなケースに遭遇することは珍しくありません。 それまで数年間はソフトコンタクトレンズを順調に使用していて、眼鏡店でレンズを作り変えたところ、レンズを装着してしばらくすると、耐えられない眼の痛みを繰り返し起こしていたケースを経験したことがあります。 そのケースでは、レンズを装着して2時間経つと、レンズが角膜にはりつき、角膜浮腫を起こして角膜表面の皮(角膜上皮)が一面剥げてしまうことにより、激痛を起こしていました。レンズのカーブがきついことによるtight fitが原因です。 言わば、2時間で激痛を惹起させる時限爆弾コンタクトレンズです。 コンタクトレンズは、度が合っていて良く見え、汚れやキズのない新品のレンズであっても、角膜の形状・大きさにレンズの規格・デザインが合っていないと、とんでもないトラブルを引き起こすことがあるのです。 コンタクトレンズの経験者が、レンズを作り変える時には要注意です。なぜなら、このような方には、レンズ装用の影響を受けた角膜形状変化について、十分に理解している眼科専門医でなければ、適正なコンタクトレンズを処方することは難しいからです。
2005年08月25日
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昨年の秋より販売が開始された酸素透過性が非常に高い、1ヶ月交換型ソフトコンタクトレンズの処方を希望して受診する方が増えてきています。何しろレンズの素材が、涙よりも酸素透過性が高いのだから、安全性が高いと期待され、人気が出るのも無理はありません。 しかし、新しいレンズには、まだ知られていない欠点があることも忘れてはなりません。独特の素材特性のために、2週間交換型ソフトコンタクトレンズで使うことができたケア用品の一部に相性の悪いものがあるのです。今年の日本コンタクトレンズ学会でも報告され、すでに眼科医ならば既知の情報です。 相性の悪いケア用品を使えば、軽度ではありますが角膜上皮に変化の起こるものもあります。時々、それとは知らずに使用していて眼変化を起こしている患者さんに遭遇します。量販店や通販で購入した方が悪いのでしょうか?いや、やはりケア用品とコンタクトレンズの相性についてきちんと説明をしてくれないような医師と販売店が悪いに違いありません。ケア用品を使うならば、たとえ角膜への影響が少ないと言っても、その特性をよく理解して使用しなければなりません。 心臓ペースメーカーでの事故なら医師も製造メーカーも過失の有無を問われるはずです。しかし同じ高度管理医療機器に分類されているコンタクトレンズの場合は、どうなのでしょうか?もしも重篤な角膜障害が起きた場合、その施設が責任を取ってくれるのでしょうか。それとも、価格や便利さで安易に量販店や通販で購入したコンタクトレンズ・ユーザーの自己責任となってしまうのでしょうか・・・
2005年08月19日
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「乱視が強い眼だから、眼科へ行きなさい」とコンタクトレンズ量販店の店員に言われて眼科を受診するケースがよくあります。大体この場合には、本当に乱視が強いケースと、器械で測定時のエラーを強い乱視と誤認されたケースの二つがあります。診察時に常に前眼部を観察している眼科医ならば、診断は容易のはずです。 しかし近頃は眼科医も、精度の高い角膜形状測定装置に頼る傾向があり、前眼部の観察結果よりも、器械の測定結果を重視して、判断を誤ってしまうことも多いようです。そのため、この頃は「乱視が強い眼だからハードコンタクトレンズにするしかない」と眼科医に言われた方を診て、ほとんど乱視がなくても、少しも驚かなくなってしまいました。
2005年08月13日
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エアコンを使うシーズンになるとコンタクトレンズの装用者に「くもり」の訴えが多くなります。原因には様々なものがありますが、大きく分けると、装用者の眼に問題がある場合、レンズ自体に問題がある場合、レンズを使用する環境に問題がある場合、の三つになります。 特に買ったばかりの酸素透過性ハードコンタクトレンズ、いわゆるO2レンズを使用していて、「くもり」の症状が出た場合は要注意です。 コンタクトレンズ診療が専門でない医師に、「くもりの原因がアレルギー性結膜炎、レンズの汚れ、乾燥、ということで片付けられている患者さん」に遭遇することが、よくあります。このようなケースの「くもり」の原因には、レンズのベースカーブ(裏側のカーブ)が不適正であることが、少なくありません。症状に改善が見られない場合は、点眼薬などにいつまでも頼らず、専門家の検査を受ける必要があると思います。
2005年08月12日
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先日テレビニュースで、エステサロンでの光脱毛による皮膚障害のことが報道されていました。厚生労働省の役人のコメントでは、エステサロンで行える光脱毛は、毛根組織への影響の少ない小さいエネルギーでの施術しか許されておらず、大きいエネルギーでの施術は皮膚障害のリスクがあるため医療機関でしか許されていないそうです。報道されたエステサロンでは、脱毛を確実にしたいがために、皮膚障害が出るほどの大きいエネルギーで施術していたそうです。 光脱毛の実態が、コンタクトレンズ(CL)診療の現状と共通していることに驚きを感じました。「光脱毛の場合と同様に、リスクのないCLなら、通販やネット販売しても問題はない。」という考えを持っている役人、販売店、CL使用者は多いと思います。いったいリスクのないCLというのはどういうCLだと言うのでしょうか。1日交換使い捨てレンズ、2週間交換レンズならリスクがないのでしょうか。それても涙よりも酸素透過性の高いシリコンハイドロゲルレンズならリスクがないと言えるのでしょうか? 残念ながら、リスクのないコンタクトレンズは存在しません。確かに1日交換使い捨てレンズは、毎日同じコンディションで、安全性に変化は生じませんので、リスクのないCLのように思えます。今日、使用して問題がなければ、明日も同様のはずです。もちろん数ヵ月後であっても同様のはずです。 しかし、実際にはCLを使用する人の眼のコンディションは毎日一定ではありません。病気ではなくても疲れて体調のすぐれない日があるように、眼においても、角膜や結膜や涙液の状態がCLの装着には不適切な状態であったり、エアコンやヒーターによってCLの装着に不利な環境であったりすることがあるのです。つまりは1日交換使い捨てレンズもまた、他のCLと同様に眼障害を起こすリスクのあるレンズなのです。これが、CLが高度管理医療機器に分類された所以でもであるわけです。ですから多くの眼科医は、CLは対面販売を義務付けられる必要があると考えているのです。
2005年08月02日
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現在使っているコンタクトレンズは、どんな状態なら合っているといえるのでしょうか? 「良く見えるレンズならば合っている」これは間違いです。 良く見える、一般的には遠くが良く見えることを意味しますが、これだけでは合っているとはいえません。遠くも近くも、快適に良く見える必要があるのです。近視の場合、過矯正といって、必要以上に度数を強くすると、近くが見づらく、疲れやすく、頭痛や眼痛が出現することがあります。 東京で診療をしているある専門家は、「東京では眼科医以外の医師にコンタクトレンズを処方された方の90%程度は、6段階以上の度数の過矯正であろう」と、言っています。 東京から転居してきたコンタクトレンズ使用者に私が処方し、「近くが見える」と、驚かれたことがあります。その方は、コンタクトレンズでは近くが見えないのが当然だと思っていたそうです。 幸いにも私の住む田舎では、量販店や眼鏡店でのコンタクトレンズの処方医師の診療レベルが高く、過矯正の割合は、70%程度(これでも多すぎますが)という印象を持っております。しかも度か強すぎても、せいぜい4~5段階で、少なくとも新聞の文字は読めます。しかし、20代でも、それ以下の大きさの文字は読めないわけですから、問題です。 まずは眼科医以外のコンタクトレンズ処方医師とコンタクトレンズの使用者に、適正なコンタクトレンズとは、どういうものなのか知ってもらう必要がありそうです。
2005年07月30日
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コンタクトレンズの使用者にとって、なくてはならない定期検査。しかし誰しも、どこも悪くないのに、眼科で長い時間待たされるのは耐え難いものです。挙句の果てに「眼もコンタクトレンズの状態も、問題ありません。順調です。」と、短時間の診察では、待ち時間に不満を感じるのは仕方のないことです。しかし、これは眼科での正常者への対応としては一般的なことなのです。 待ち時間の価値は、定期検査で少しでも異常を指摘され、治療を受けたり、コンタクトレンズの使用に関する指導を受けたりした方にしか分からない、というものなのでしょうか? 「これだけの検査で1時間も待たせんのか?」と、面と向かって医師に言いたくなる気持ちも分かります。しかし、医師の立場から見ると、何もないこと、正常であること、これは、どれほどの長い待ち時間にも代え難い価値のあることなのです。実は、これは医師にとってではなく、コンタクトレンズ使用者にとってのことなのです! もちろん医療機関は、今後とも定期検査を受ける方には、できる限り待ち時間を少なくするよう努力はしていくでしょう。それにも限界があることを、何とか、ご理解していただきたいものです。
2005年07月28日
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「コンタクトレンズを作りに行ったら、視力が出なかった。2週間交換使い捨てレンズを試したけど、見えづらかったのでトーリックソフトコンタクトレンズにしてもらった。そしたらやっと見えるようになった。でも時々ものが二重に見えて、目が疲れるので調べて欲しい・・・」 この方は20歳の女性でした。はじめてコンタクトレンズの処方を受けた所が、運悪く眼科を専門としていない量販店専属クリニックでした。表看板にはクリニック名のみで、何の科も標榜しておりませんが、本当は精神科が専門のようでした。 検査結果を見てみますと、乱視はほとんどありません。近視だけの眼です。そこに、それまで使用していたコンタクトレンズを装着してもらうと、見事な乱視が出現しました。 どうやら本来は乱視のない眼に乱視を矯正するトーリックソフトコンタクトレンズを装着したため、そのレンズの円柱レンズ軸と90度ずれた方向に乱視が作られ、訴えの症状が出現していたようです。このレンズは、まさに乱視シミュレーション・コンタクトレンズと言えるものです。 この患者さんは、どうすれば治るのでしょうか? 眼の病気ではありませんので、心配する必要はありません。このコンタクトレンズを使わなければ済むことです。乱視になれば、たとえ人工的な乱視であっても、当然、ものは二重に見えるし、眼は疲れます。今後は眼科専門医に診てもらうようにすることです。インターネットで眼科専門医一覧を調べることが可能です。 適正なコンタクトレンズの度数は、この方のレンズの半分ぐらいになります。そう変更すれば、疲れもなく、普通に見えるはずです。この方の眼の近視度数を器械で測ると、自覚的な近視度数、すなわち本来の近視度数の2倍の数値が出てしまいます。これが最初に試した2週間交換使い捨てレンズの度数であったと推測されます。 どうして、こんな結果になったのでしょうか? 少し前ならば、量販店専属医師は、量販店の利益のため?乱視矯正用のトーリックコンタクトレンズを必要以上に積極的に処方している可能性が考えられていました。私もこれを裏付けられるケースを嫌と言うほど経験してきました。しかし、このケースは違うようです。医師は、必死になって良好な補正視力を出そうと努力していたようです。 結果的には、調節が介入して他覚的な近視度数が大きくなってしまい、視力が出にくい状態になっていることを見抜けず、器械の検査で検出されたわずかな乱視を矯正することで何とか視力を出し、患者さんを我慢?させることに成功していたのでした。 この医師は、どうすれば良かったのでしょうか? 専門が眼科ではなかったことが原因です。自分の所業を恥ずかしがらずに、眼科専門医に患者さんを紹介するべきでした。 医師を志した時には、誰しも必ずや崇高な思いを持っていたはず。この医師も、きっと、そうだったはずです。量販店専属にならざるを得なかった理由(おそらくは経済的な理由)が何であっても、これからもコンタクトレンズ診療をするのであれば、患者さんのために、病気を作らないために、そしてもう二度と乱視シミュレーション・コンタクトレンズなど処方しないために、大学病院の眼科医局に入り、最低3年間は研修すべきです。 日本眼科学会認定眼科専門医になるためには最低5年の研修と厳しい試験に合格することが必要なのです。それと比べれば何と容易なことか!
2005年07月26日
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ある量販店でコンタクトレンズを初めて購入し、使い始めて半年の女子高校生の話です。「朝、コンタクトを着けて学校に行くと午前中の授業中に目が痛くなります。それで今はコンタクトを着けるの止めています。」 原因は小さいカーブのコンタクトレンズを使用していたため、午前中いっぱい装着すると涙の交換が悪くなって、レンズが角膜上で動かなくなり、角膜障害を起こしていたためと考えられました。 すなわち、ある一定の時間装着すると痛みが出現する、言うなればタイマー付コンタクトレンズを使用していたことが原因でした。では、なぜ小さいカーブでコンタクトレンズが処方されていたのでしょうか? この方の角膜曲率半径(角膜中央部のカーブ)は小さいため、コンタクトレンズについて専門的な知識のない量販店専属医師が、マニュアル通りに小さいカーブのレンズを選択したからです。この医師は、量販店販売用に多くのコンタクトレンズ処方をしているのですが、コンタクトレンズについて専門的な教育を受けてはいないのだから仕方ないと一般の方は考えているのでしょうか? ですからこのような量販店で購入しトラブルになる方が後をたたないのでしょうか? コンタクトレンズを処方する医師であるならば、自ら進んで日本コンタクトレンズ学会に入会するなどして、勉強してもらえれば、この量販店のお客さんも安全で快適なコンタクトレンズの処方を受けることができるはずです。せめてコンタクトレンズ学会で講演やセミナーを聞いて勉強して欲しい、と言うのが本音です。これは量販店専属の医師ばかりではなく、一般の眼科医にも言えることです。悪いのは量販店ではないのです。 角膜曲率半径は、角膜中央部のわずかに直径2~3ミリの計測値であり、必ずしも角膜全体の形状を表してはいません。この女子高校生の角膜の周辺部のカーブは中央部とは異なり平均的な大きさがあったため、小さいカーブのレンズは、角膜全体としては、きつい装着状態となってしまっていたのです。 タイマー付コンタクトレンズは、コンタクトレンズ診療を専門としている眼科専門医は処方しませので、ご安心下さい。しかし、たとえこのコンタクトレンズに興味が沸いても、決して購入することのないようにご注意して下さい! 8月2日に安全にコンタクトレンズを使用するために参考になる番組が放送されますので、以下にご紹介します。(ナイター中継延長のため9月6日に延期になりました。また変更になるかも・・・) 番組名:「最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学」テーマ:「ドライアイとコンタクトレンズ」放映日:平成17年9月6日(火) 午後8~9時[予定] 朝日放送系列(東京・横浜地区は10チャンネル)司会:ビートたけし、渡辺 真理担当医:日本眼科医会理事・宇津見眼科医院院長 宇津見 義一概要:ドライアイの方がコンタクトレンズを使用すると角膜疾患や巨大乳頭結膜炎などに罹患しやすくなることなど、ドライアイとコンタクトレンズの関係を紹介する。番組HP:http://www.asahi.co.jp/hospital/
2005年07月25日
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今日は依頼のあったコンタクトレンズ関連原稿の修正原稿の締切日だった。これは、昨晩、仕上げており間に合った。ところが臨床眼科学会のセミナーの抄録締め切りも今日であったことを、うっかり忘れていた。しかし、それも今朝、何とか仕上げた。 そしてシンポジウム講演論文の校正締め切りが、なっ何と、19日着で締め切りであることに、今日の午後に気付いた。連休を挟んでしまい間に合わなくなりそう・・・ でも、それも今、校正を終えることができた。明日の宅配で間に合う。 コンタクトレンズ学会前の忙しさから、これで完全に開放される。ようやくのんびりできる。 日曜日はどうしようか、やっぱりルアーフィッシングかな?
2005年07月15日
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7月9日、10日とパシフィコ横浜で開催された日本コンタクトレンズ学会に出席しました。私はコンタクトレンズ(CL)メーカーが開催したセミナー2つで口演をする機会を得ました。テーマは2つとも中高年者のための遠近両用CLについてでした。また一般講演でも2週間交換型遠近両用CLについて口演しました。 シンポジウムで問題になったのは「量販店でのCL購入者に重篤なトラブルが多いこと」「人工呼吸器や心臓ペースメーカーと同じ高度管理医療機器でありながら、国は国民の利益のためと称し、安売り広告が規制されず、インターネットでの販売も野放し状態であること」でした。 確かに安く購入できることは国民の利益に繋がることでしょうが、それが国民の健康を害することとなるならば、決して利益とは言えません。法律をよりどころとすると、現状を変えることは容易ではないと言う厚生労働省担当者の話を聞いて失望しました。 私も毎日のように量販店とネット販売でのCL購入者の眼障害を診ており、そうなると購入者に落ち度がないにもかかわらず、私の心のどこかに知らずと、「そんなところで購入した本人も悪いのでは・・・」と間違った考えが浮かんでしまう日もあります。いったい何が悪いのか、どうあるべきなのか? 私には答えが見出せません。 帰りにはルーブル美術館展を見てリフレッシュしました。アングルの「泉」に感動しましたが、ホテルのランチのデザートで、パレット型トレイに施された装飾に、また感動させられました。
2005年07月14日
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